メキシコペソ 7月4週目 来週はどっちだ

YCC不発

日銀は現時点でYCC副作用に対応の緊急性乏しいと認識-関係者
物価目標との距離不変なら、緩和継続姿勢も変わらず-日銀総裁

今週、YCC修正見送りに肯定的な言動が出るとは意外でした。少なくとも日銀会合の来週までは言葉を濁すと思っていました。
日銀が目指す持続的・安定的な2%の物価目標は、もともとは2%ぐらいが失業率が底辺になるという理論のはずなので、5月失業率2.6%で年間通しても2.8%前後で推移し低失業率社会を実現している日本で2%の物価目標が正しいのか疑問です。来週の日銀会合でYCCに触れることがなければじりじり円安は間違いないのでしょう。考え方によっては145円までのロングはおいしい可能性高いですが、動くのはFOMCと日銀会合の後にしたいと思います。

農作物

最近発表されたメキシコのベーシックバスケットでは、価格上昇中がコーヒー、鶏肉、豆で小麦、トマト、トウモロコシは価格が下落中、年初からみるとトータル3.4%増加と価格が落ち着いてきています。
食糧年間インフレ率でみると7月時点で10.7%、2022年12月の15.3%と比べ鈍化しています。鈍化要因は国際トウモロコシ価格が40%下落、国内穀物価格が平均25%下落したことが挙げられます。

ところが、7月19日ロシアによるオデッサ港攻撃で、トウモロコシ14%、小麦8%、大豆5%国際価格が上昇しました。
メキシコの立場ではロシア、ウクライナともに関係は薄く、取引量も少ないので急に影響が出るとは考えにくいです。影響が出るとしてもヨーロッパやアフリカで深刻な問題になってからと思われます。

あとUSMCAでトラブルになっている遺伝子組換えトウモロコシを使用したトルティーヤの製造販売禁止(NOM187)を発行する手前まで来たようで、アメリカはこれに科学的根拠を示せと反対、カナダは実施を遅らせるように要請しました。
トウモロコシ農家は収入が低く、それなりの補助金が必要なようで、高いトウモロコシを国民が納得して食べるのか、科学的根拠はないけどなんとなく恐ろしい遺伝子組換えトウモロコシを食べるのか、究極の選択のようです。

経済成長率3%越え

INEGI(国立統計地理研究所)によると6月の単月経済成長を年間4%、2023年上半期のGDP成長率は年間3.5%を記録すると発表しました。要因は以下の3つだそうです。
・比較対象の去年基準が低い
・消費と建設の国内品目の大幅回復
・アメリカ経済への供給拡大

GDPについてはAMLOが4%と怪気炎を上げていますが、財務省3%、メキシコ中銀2.3%、民間ではXP 3.2%、BOLSAとFINAMAX 3.0%、JPモルガンとマネックス 2.9%、サンタンデール 2.5%、BBVAとシティ 2.4%というところですが、たいがいの機関は年末ドルペソレートを18.30~19.00にしているので、これをペソ高に見直すだけでも経済成長率は上昇します。

今、メキシコのGDPが1.66兆ドル、GDP8~11位のイタリア、カナダ、ブラジル、ロシアが2.1兆ドルなので、経済成長率が3%で2031年、4%で2029年に2.1兆ドルに到達します。USMCAがより機能して、アメリカ・カナダとの賃金格差が縮まれば可能性はあると思います。

トピック

通貨:
先週16.75から週末は16.99
週末はFRBへの警戒感からドル買い優勢
市場はペソを過大評価と警告
BBVAは年末ドルペソレートを0.5%の利下げ込みで18.50へ修正
パリバは2024年末のドルペソレートを16.50と予測
シティは年末ドルペソレートを18.30から17.70へ修正

メキシコ株:
週末株価は53.8から53.5
2023年末の株価楽観値は61、目標は60へ上方修正
メキシコ証券市場はペソ高の影響で売上、利益とも減少

メキシコ中銀:
現在11.25%:次回の政策金利は8月10日
6月22日の政策金利会合は利上げなし
年末目標金利は11.25%
メキシコ中銀副総裁は11月に利下げの可能性を示唆

金融:
5月までの銀行利益が1140億ペソ、年々同期25%上昇

消費者物価指数:
6月の年間インフレ率は5.06%、前月5.89%より0.83改善
6月のコアインフレ率は6.89%、前月7.39%より0.50改善
BBVA:2024年末までインフレ4%達成は厳しい
6月の消費者信頼感は45.2で前月より1.1増加
メキシコ中銀は食糧年間インフレ率10.5%などインフレ高止まりを懸念

貿易収支・経常収支:
貿易収支 5月:-0.7億ドル、4月:-15.1億ドル、3月:11.7億ドル
輸入額 5月:529億ドル、4月:477億ドル、3月:523億ドル 
輸出額 5月:529億ドル、4月:462億ドル、3月:535億ドル
5月の輸出は年率5.8%増加

5月送金額は57億ドル 前月より4億ドル増加
今年の送金額累計は247億ドルで前年同時期より10.3%増

小売り売上:
ANTADの5月売上は前月比0.4% 消費は鈍化
USB:個人消費を前年4.8%から3.1%へ鈍化すると予測
INEGI:5月の個人消費は前年同月比3.5%増加、前月比は0.1%減少

雇用・失業率:
5月失業率は2.9%、前月より0.1%悪化も極めて良好
第1四半期の労働人口は6010万人、前年同期より200万人増加
失業者数200万人にもかかわらず製造業160万人の欠員が埋まらず

製造業・自動車:
6月自動車生産台数は33.1万台、前月より1.3万台減少
6月の製造業受注は53.8で35ヶ月連続50越え
BBVA:新たに453社がメキシコ工業団地に流入予定
BBVA:今年上半期の製造業成長率は1.7%で前年同期2.6%と比べ鈍化

鉱業:

食品:
食肉貿易収支が前年前期7.1億ドル赤字から12.7億ドル赤字と悪化
ベーシックバスケットは年初より3.4%増加

エネルギー:
メキシコバスケットは72.12から70.61

USMCA:
エネルギー国有化は引き続き論点
アメリカ、カナダともに遺伝子組換えトウモロコシの使用を禁止するメキシコ政令の延期を要請

USMCA以外:
イギリス TPP参加

観光業:
2023年5月までのインバウンドは21億ドルでパンデミック前水準超え
国内旅行は前年同時期に比べ17.8%増


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