イラストの相場とは。

 最近、つよつよ絵師、という単語が話題ですが、絵師にとってイラストの値段は非常に悩ましいものみたいです。先日も推し作家の1人がが値段相場が全然わからん!、と困っているようでした。

そんなわけで?、今回はイラストの相場について話してみたいと思います。どちらかというと購入者側の視点?ですね。

自分なりの結論から書きますと、イラストの相場というのは

絵の技量×需要と供給×使用用途×取引場所×本人の魅力×宣伝×その他諸々

みたいな感じで決まるんじゃないかなー、と思っています。他にも要素あるかも。

いくつかの要素が複雑に絡まっているんですよ、イラストの相場って。だからこそ、一部でめちゃ高騰して、一部でめっちゃ買い叩かれているんじゃないかなと思ったりしてます。一つ一つ解説してきます。

①絵の上手さ
 やっぱ上手い絵ほど高くなる傾向はあると思います。

 ただ、恐らく何ですが、多くの人が絵の上手さによってイラストの値段が決まる、と思っているんじゃないでしょうか。絵が上手ければそれに比例して値段が上がり続ける、みたいな。

 果たして本当にそうでしょうか?

 どんなに凄いと思える絵でもそれに比例してお金払うか?って話です。やっぱ限界点ってあると思うんですよ。逆に下手の方が味があっていい、という人もいますし。

 そもそも、
・絵の上手い下手は人によって判断が違う
・誰もが上手い絵を買い求める訳ではない

というのもありますね。次の需要と供給という話にも繋がりますが。

②需要と供給 
 相場というからには、需要と供給の問題は避けて通れません。
 一つ例を挙げるならば、二次創作でイラストがめっちゃ売れていた人が、オリジナルでイラストが全然売れない、みたいな話ですね。

 自分は東方界隈の人間ですが、東方ジャンルのイラスト需要ってめっちゃ高いんですよね。やっぱ流行りのジャンルは需要が高い訳です。

 後はエロ絵なんかだと、需要が更にあがって供給が少ないんじゃないでしょうかね?値段が更にあがるイメージがありますね。

 逆にオリジナルだと供給がいっぱいあるのに、需要がないので買い叩かれる傾向があるんじゃないでしょうか。版権ものって、やっぱ強いというわけです。

③使用用途
 これは最近どこかで解説されてましたね。個人使用より、広告の方が単価が上がる、というやつです。同人の世界でも、グッズ使用といった商用利用なら単価は上げるべきですね。

 昔、聞いた話で、イラスト合同誌を募集して、それで集まったイラストを勝手にグッズで使用した事件とかあった記憶があります。ですので、イラストを依頼されたなら、何目的かはしっかりするべきかと思います。

④取引場所
 最近、通販はまってわかったことなんですが、色紙なんかは取引場所によって単価が全然違うんですよね。具体的に言うと、メルカリ、ラクマなんかは安くて、ヤフオクがピンキリ、boothが高額になるという感じです。なんというか、倍以上値段違くない?となる訳です。

 後は大きい即売会でオークション形式とかやったら、値段は跳ね上がりますね。人数多いし。即売会で色んなものを買ったことがありますが、色紙のオークションだけは手を出したことがありません。だって買える気しないんだもん。

 後はイラストいうと、Skebなんかが高額で取引されていますよね。あれ考えた人、本当頭いいなと思います。あのシステムであれだけ売り上げ出ると予測できた人は少ないんじゃないでしょうか。

⑤本人の魅力
 端的に言うと、誰が描いたか、というやつでイラストの値段が変わる類のやつですね。同じイラストがあったとして、小汚いおっさんが描いたイラストと美少女が描いたイラスト、どっちを買う?という身も蓋もない話でして。

 もちろん、誰が描いたか気にしない人もいるわけです。が、やっぱ気になる人はいるわけです。その割合ってどうなんでしょうね?気になる人の方が若干多いじゃね?ぐらいには思っているんですが。

 後はそうですね、色紙とか1点物で1枚しか存在しない訳です。で、その作家を推している人が2人いたらどうなるでしょう。答えは簡単ですね。より希少価値が高まって値段が高騰していく訳です。人間って欲望の塊ですから、「相手より推し作家に記憶に残りたい」「相手より優位に立ちたい」なんて気持ちも少なからず混ざっていく訳です。酷いと転売目的の人まで寄ってくるわけです。

 こうなると歯止めがかからない訳です。割と無視されがちというか、皆が目を背けている部分でもありますね。だって、絵の価値と関係ない所で相場あがっている訳ですからね。次の宣伝の話にもなるのですが、そこは割り切りましょう。絵の価値が全くの0という訳ではないのですから。値段があがった、ラッキーぐらいで思うのがよいかなとは思います。

⑥宣伝
  イラストにも限らないのですが、本当に良い作品は黙っていても売れる、なんて言われることがあります。人はそれを信じたくなりますが、まぁ難しいですよね。だって、そもそも知らなければ、作品があること自体わからないんですから。

 ということで、宣伝も大事な要素になっていきます。

 SNSで定期的にイラストあげたり、即売会やイベントで積極的に参加していれば、貴方を知る人というのは増えていく訳でして。欲しい人にその情報を届けるって、なかなか難しいものだったりするんですよね。

 余談ですが、昔、同人エロゲー売っていた方と知り合いだったんですが、売り子が女の子だと露骨に売り上げが変わるって言ってました。即売会なんかだと売り子も大事な訳です。ちなみに売り子のコンパニオンなるサービスが世の中にはあったりします。3万~4万ぐらい。ようそんな商売思いつくな、と感心した記憶があります。

 そういや、例大祭の成年向けスペース歩いたら、想像以上に女性がいてびっくりした記憶ありますね。情報評論島と比較にならなかったですね……。

⑦その他諸々
 
これ以外にも色んな要素が絡まっていく訳です。先ほどの東方の例だと、若いファンが多いのですが、いわゆる独身貴族的な古参のファンも多い訳です。そうしたお金の持っているファンに気に入られていたなら、相場も上がっていくわけです。

 マイナーキャラばかり描いていたら、マイナーキャラのファンにお金持ちがいたとまで言わなくても、それなりに散財できる人がいてたくさん買っていくなんて例がまぁまぁある訳です。

 後は景気なんかも影響あんじゃないでしょうかね。景気の影響が受けにくいとは言っても、限界はある訳でして。

 後は運。まぁ、ほんと色々相互作用するわけでして。

まとめ 
 イラストの相場について色々書いてみましたがいかがだったでしょうか?同じ条件のイラスト相場って、なかなかないんですよ。だからこそ、イラストの値段はピンキリという訳でして。

 友達価格が、その友達によって値段が下がることも上がることもあり得る世界なんですよ。「友達だから安くして」「友達だから高く買うよ」がありうるんですよ。

 イラストの解決方法は、似たような相場でどのくらいか調べたり、値段をいくつか提示してこの値段ならこれぐらいですよ、やることですかね?

 一つ基準を出すならば、一般的な色紙でモノクロで1000円前後、カラー2000~5000円前後、同人誌の表紙(100冊)で5000~10000円前後ぐらいじゃないでしょうかね?というか、この値段で推移できるなら、ある程度実力ある絵師という感じがします。
 この辺は本当に人それぞれだし、環境にもよるので一概には言えませんが。何にせよ、自分がその値段と相手でやりたいか、やりたくないか、で考えてみればよいかと思います。

 参考になったかどうかわかりませんが、この辺で。逆に自分の周辺だとこんな感じだよー、という意見ありましたらぜひぜひ。


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