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親愛なる人間へ

私は「人間」が大好きだ。

まとまりとしてとらえても個としてとらえても面白い。地上で最も賢明であり、愚かでもある種。地球が様々な問題を抱えることを知っていて、なお変わらない日常生活を送る。緩やかに破滅に進んでいながらも、その一瞬一瞬が輝いている。

私にとって人間はそんな愛すべき愚か者である。


だから、私は人間を知りたい。頭のてっぺんからつま先まで、営業スマイルから胎の中まで。


特に、私に興味を持ち話しかけてくれる、手を差し伸べてくれるような人は面白いから進んで会話したくなる。私の周りに集まってくる人々は、いい意味で一般的な考え方とは外れていて、時に想像もしなかったような思想をぶつけられる。けれど、私はそれを絶対に否定しない。一旦はその言葉をなるべく真意と同じように飲み込み受容する。その後自分の言葉でもって「私はこう思う」を相手に渡すようにしている。

他人の言葉や思考は、彼らが生まれてからそれが私に伝えられた瞬間までの経験や知識などの彼らの全てが詰まったもので、私にとっては宝物だ。もらった宝物を壊したり、見ないようにすることができる訳が無い。どんな側面でも、私に見せてくれたこと自体がありがたく、嬉しいことだから。

そしてその宝物から、特に美しいものを纏うことで、私は「私」を作り上げる。自分のこの生き方は良くないのでは、と思ったこともあるけれど、今はそれなりに満足している。纏ったものの内側にある、私すらも知らない私のオリジナルな面を見つけて、認めてくれる人が増えたからだと思う。ありがたいことだ。

種としての人間はどういうものなのか。それを知りたくてこの春からは哲学を専攻する。実の所入学当時は哲学に行くつもりは毛頭なかったのだけれど、興味本位で取った授業で哲学と、当時検討していた心理学との違いの話を聞いて

「あれ、自分のやりたいのって哲学では……?」

となったわけである。予備知識はほとんどないし、私の本質は怠惰なので、かなり厳しい道になるとは思う。けれど、私は学んでいればある程度安泰な生活を送れることが分かっているので、頑張って少しでも人間を理解したいと思う。


大学生になってから、交友関係が広まって、今までは関わる機会の無かった属性の人とたくさん仲良くなれた。これからもっと彼らのことを知ることができるのがたまらなく楽しみだ。そしてこれから歩む人生のなかで、もっとたくさんの人と関われる予感がして、人生が楽しみに思えるようになった。

友達や恋人、家族をはじめとする全ての人間に感謝して、これからも人間を愛して生きていきたい。

気に入っていただけたらサポートもぜひ。私がめちゃくちゃ喜びます。いただいたお気持ちは自分の教養を広げるのに使わせていただきます。