見出し画像

鈴木寿永吉との出会い

ゆづ葉は今月(7月3日)で4周年を迎えた。
今まで様々なお客様やスタッフがいた。先ずは一人ひとりに感謝を申し上げたいと心から思う。

今年に入ってある一人の男と知り合う。それも当店の常連を通じて紹介を受けた男。名前は鈴木寿永吉という。元ハンダースで当時一世を風靡した男だ。彼の誕生日は奇しくも当店と同じ7月3日。ただ年輪は深く彼は今年で66歳。
紹介を受けたとき僕は鈴木寿永吉という名前を知らなかった。53歳の私が45年前に解散したハンダースを知らなくても不思議ではない。
紹介を受けてお会いした後に彼が当店を手伝いたいと言っていると聞く。
咄嗟に思ったことは、「いらないなぁ」

ただこの店が気に入った。という言葉を本人が本当に言ったか言わないか判らないが、その言葉に僕は弱くお手伝い頂くことが決定する。

日曜日の担当となるが、もともと日曜日は来店が多いわけではなく、人手は足りている。
お客様がくると人一番元気な声でいらっしゃいませをいう。それは合計客席が18席の店には大きすぎる声。
日曜日の売り上げは、もともとオマケ。オマケの日に人件費をかけて出勤をお願いするなんてことはオツムの良い経営者なら考えないどころか、本来は日曜日は定休日にするに決まってる。

ただ寿永吉には最初に伝えた。やりだしてすぐに辞めるは僕は嫌いだと。

彼は一生懸命だった。元々は六本木でカラオケショースナックを20年も経営していたいわば飲み屋経営のプロでもある。
ゆづ葉では皿洗いも含めた様々な補助業務ばかり。文句も言わず取り組んでいただいた。

徐々に当店の常連も鈴木寿永吉を好きになっていった。
決してエバらない。心からお客様を楽しませようとしている。

そんな時、当店の開店4周年の日と同じ日に寿永吉の66歳誕生日と芸能生活50周年のパーティーがあると聞いた。悩んだが、寿永吉との出会い。これを大切にしたいと店の開店時間を大幅に遅らせて出席させていただいた。
正直10,000円の会費(夫婦で20000円)は今の当店には大きな経費ではあるし、更には当日の売り上げを無くして行くことに躊躇しなかったといえば噓である。

参加して寿永吉の人間性が分かった。
とにかく来てくれた人を楽しませて笑顔で帰っていただきたい。という気持ちをヒシヒシと感じる素晴らしいパーティーだった。
帰りには、10,000円は安かった。と思えるほど楽しかった。

その後パーティーでは語られなかったが、彼はコロナの影響で人生が大きく変わった人の一人だと知る。店を閉めてから、お金がない時期が続き、1日1食も食えない。仕事の移動の交通費にも苦労する生活。
日雇いのバイトもやって生活をどうにか維持していたと自身の口で話すネット番組で見た。

そこで彼はこういう。
自分の仕事は夢を売る仕事。もし1日1食しか食えないような生活をしていても、1歩外に出たときはそんなことを感じさせないようにしなければならないと。

普段見ていて、常に明かるい。そしてその場の空気を「陽」にする力をもった人だ。
そして、その日の気分や体調を顔や態度に出さない。常に明るく場を盛り上げる。

今でこそ思う。
良い人を紹介してもらったと。僕は寿永吉から様々なことを学ばせてもらう機会を得ていると。
自分を自分で少しづつでも、できる事からでも改善できる機会を頂いていると。

感謝している。

早く日曜日に寿永吉に会いたくなってきた。

居食ダイニング ゆづ葉
たぬきオヤジより

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?