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【博物館】みんぱく・ウィークエンドサロン「ベトナム西北部のフィールドワーク」

2024/02/25
国立民俗学博物館が好きでよく行くのですが、ここでは週末に「研究者と話そう〜みんぱくウィークエンドサロン」という催し物があります。
所属の研究者の方が自身の研究について一般の方向けにスライドなどを交えながらお話ししてくれるものなんですが、これが毎回面白いのです。

フィールドワークに行かれた先でのエピソードなどが多いのですが、聞いたこともないような人々の想像を超える生活のお話で毎度毎度「世界は広い…いろんな人がいろんなことを考えて生活している…」と感動してしまいます。

今回は長年ベトナム西北部のラオスとの国境付近に住んでいる黒タイという民族の研究をされてる先生のお話で住居の話がメインでした。この地域では木造で高床式の住居を使ってきたんだけど、2010年以降ぐらいから木材の伐採に規制がかかり建築材を入手できなくなったため最近ではほとんどがコンクリート製になっているという…

家を建て替える際に廃棄される家の材料や家財道具などを研究者の先生が譲り受け、いまそれは博物館内で復元展示されています。
旧来の家では屋内に囲炉裏を構えて煮炊きをしていたんですが現在ではプロパンガスが導入されて囲炉裏も不要になってしまいました。この囲炉裏の中央には五徳がわりの石が三つありまして、この石がいわゆる「竈門の神様」だったそうなのです。本来は家を建て替えてもこの神様は継続して使うものなんだけどプロパンガスではもう使わない、でも神様なのでヒョイと持ってくるわけにも行かないのでこちらに持ってきてお祀りをしてから展示している、とのこと。

写真中央の囲炉裏にある石が「竈門の神様」

(お祀りをして、って日本で?お坊さんが?それとも神主さんが??)って思いますよね?ウィークエンドサロンのいいところは先生の講演が終わった後に気軽に先生を囲んで資料についてのお話を聞けたり貴重な時間をいただけるとこなのです。なので早速聞いてみたところ「これは正しい道具と方法・方角などで祝詞をあげれば専門職でなくても誰でも出来るものなのです。ですので僕がやりました」まさかの先生が自分で祀ってた!!そっかーそういうものなのか…謎が解けてスッキリです笑


ウイークエンドサロン、以前は講義室でやってたんだけど最近は展示場内のナビひろばでやっててフラッと立ち寄れる気軽な雰囲気なので(予約も不要)日曜日にみんぱくに行かれる方にはオススメです!

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