石田徹也展のヒストリー

noteに掲載された平林 勇様へ


初めまして、ギャラリーQの上田雄三と申します。

平林勇様のお名前は石田徹也さんのお兄様からのFacebookで情報を得ていました。私は多摩美のグラフィックデザインを1976年に卒業後、1983年に銀座でギャラリーQを開廊し、1998年に石田徹也さんと出会い、彼の個展を1999年にギャラリーQで企画展示しました。

その後、2005年に31歳の若さで石田徹也さんが亡くなった後にNHKの新日曜美術館に彼の作品を紹介したのも実は私で、静岡県立美術館のギャラリーで彼の追悼展を企画したのも私です。彼は焼津市の出身で、私は静岡市の出身だったので、石田徹也さんより22歳も年上でしたが弟のように思っていました。

平林勇様のnoteのレポートの中で少し訂正した方がいい箇所があったので誤解のないよう少しコメントさせて頂きます。

>石田くんはすでに、世界最強と言われているガゴシアン・ギャラリーで扱われている作家でもあります。ガゴシアン・ギャラリーで扱っている日本人作家は、村上隆さんと草間彌生さんと石田くんの3人だそうです。(平林勇様)

現在、石田徹也さんはガゴシアン・ギャラリーの専属アーティストではありません。香港支店のGagosian Gallery(ガゴシアン・ギャラリー)のコレクターのコレクションとして個展形式で1度だけ展示されました。その後に記録集として私と長谷川祐子さん(東京都現代美術館キュレーター)と二人でガゴシアン・ギャラリーのカタログに評論を書かせて頂きましたので、その評論は以下のギャラリーQのサイトで紹介しておりますので興味がありましたら是非読んで下さい。

ギャラリーQの石田徹也のサイト

http://galleryq.info/news/news_ishida.html

このガゴシアン・ギャラリーの「画集は3万円くらいしそうな」ではなく非売品です。
ガゴシアン・ギャラリーの顧客のみに無料で配布しているものなので売ってはいません。

また草間彌生はガゴシアン・ギャラリーからはすでに離れているのでガゴシアン・ギャラリーの専属アーティストでもありません。
なのでガゴシアン・ギャラリーの日本人アーティストは現在、村上隆だけになります。

今回、石田徹也さんの展示はレイナ・ソフィヤ美術館が主催のようですが、展覧会会場はレティロ公園のヴェラスケス館だそうです。
以前はマドリード市役所が管理・運営をしていた会場のようです。
なのでピカソのゲルニカが展示してある会場ではないようです。

もし間違っていたらお許しください。

いずれにしても石田徹也さんが今回のレイナ・ソフィヤ美術館主催の個展が決まったのは大変名誉なことであることは間違いはありません。

このヴェラスケス館の展覧会は2015年に石田徹也さんが招待された展示、「56th International Art Exhibition in Venezia(2015年5月9日ー
11月22日)/ヴェネツィア・ビエンナーレ」の Central Pavilion、メイン会場で開催された「All the World’s Futures」キュレーター:Okwui Enwezor(オクィ・エンゾー) によることが大きかったと思います。そしてオクィ・エンゾーはどうして石田徹也さんの作品を知ったかと言いますと2014年に韓国の光州市で開催された「光州ビエンナーレ」(2014年9月5日(金)-11月9日(日))の審査員としてオクィ・エンゾーは来韓されていて、その展示で石田徹也さんの絵を見てヴェネツィア・ビエンナーレにて展示したいと申し出がありました。この時に横浜美術館の逢坂恵理子館長が同じく審査員として招かれていてその席でオクィ・エンゾーから、逢坂恵理子館長に石田徹也の出品オファーがあり、逢坂恵理子館長から私に直接連絡がありました。私は以前より逢坂恵理子館長を良く知っていたこともあり、2011年に横浜美術館で開催された「横浜トリエンナーレ」に石田徹也さんの作品の展示の依頼を私に受けていたことからも、このヴェネツィア・ビエンナーレの招待に繋がったと思います。

ヴェネツィア・ビエンナーレ:

http://cinefil.tokyo/_ct/16858390

話はさらに、では何故、石田徹也さんが光州ビエンナーレに出品していたかと言えば、2014年の光州ビエンナーレのディレクターはJessica Morgan(ジェシカ・モルガン)というロンドンのテート・モダン美術館のキュレーターで、ジェシカ・モルガンは2013年に韓国に訪れる前に香港に立ち寄っていました。

ジェシカ・モルガンは香港で当時、建設中のM+美術館のLars Nittve(ラース・ニッティヴェ)館長を訪ねていますが、このラース・ニッティヴェ元館長はジェシカ・モルガンと同じテート・モダン美術館で初代テート・モダン美術館の館長だったこともあり、香港に立ち寄っているのです。そのジェシカ・モルガンが2013年に香港ののガゴシアン・ギャラリーで開催されていた石田徹也の個展に偶然に立ち寄り、石田徹也の作品に感銘を受けて、光州ビエンナーレに招待しました。ジェシカ・モルガンは光州ビエンナーレにて石田徹也の作品を展示したいと考えて、光州ビエンナーレの委員たちに相談しました。
その委員の一人Kim Sunjung(キム・ソンジョン)が実は石田徹也のコレクターで私との古い友人だったこともあり、その委員が私のメールアドレスを教えて、ジェシカ・モルガンから私に直接、石田徹也の作品の展示の依頼がありました。私は香港のガゴシアン・ギャラリーのディレクターとも連絡しあい、光州ビエンナーレにガゴシアン・ギャラリーのコレクターのコレクションを借りて展示しました。

話が大変長くなってしまいましたがやはり石田徹也さんが何故、レイナ・ソフィヤ美術館主催の個展が開かれるのかを誤解のないように正しく知ってもらえたらと思い書かせてもらいました。本人はもうすでに亡くなっているのでみんなで石田徹也さんを応援し、多くの人たちにこれからも彼の意思を伝えていきたいと思います。

しかし何故、ガゴシアン・ギャラリーのコレクターが石田徹也の作品をコレクションしていたか、、、、。そこにも理由があるのですが、次回何かの折に紹介します。

追伸:先日、武蔵野美術大学校友会の理事、並びに長澤忠徳学長にもお会いし、石田徹也さんの活躍を報告させて頂きました。

上田雄三

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ギャラリーQ/キュレーター 多摩美術大学卒業。「光州ビエンナーレ2000」、「日本におけるドイツ年2005」、「ヴェネチア・ビエンナーレ2015/石田徹也」、「釜山ビエンナーレ2016」、アドバイザー:「郭仁植生誕100年展 2019」韓国国立現代美術館、大邱美術館、
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