エターナルリターンの観戦に役立つ用語集

皆さんこんにちは。エターナルリターンの大会シーンのwikiとかを作ってる10pです。
本来今日ここでFinalsの注目選手やチームについて説明をしたかったところなんですが色々と追いつきませんでした。来シーズンは周到に準備をしたいと決意しつつ、代わりに日本語の実況解説で頻出する言葉について意味のおさらいをしたいと思います。折角の熱がこもった実況と解像度の高い解説も言葉の意味がわからなくては仕方ない……ということで、「MOBAやバトロワで一般的な言葉ではあるものの、エタリタだけを知っている人間にはわかりにくい」といったような言葉の説明を架空の実況による例などを交えてしていきたいと思います。そもそも実はこの記事もずっと連載(?)していた観よう、ERM!の一環だったんですが、別にこれはERMでなくても役に立つ話だなということで単発に。
但し、一つ注意点としてお話しておきたいのは、この記事が最初にリリースされたのは正式サービス前であるということです。1.0での大きな変化を経て全体的な見直しを行いましたが、一部の実況例などが現在の環境に即していないケースが存在します。用語集としては今の環境で参考にできるように適宜修正を行ったので、記事自体は有効なものです。
今回の記事の執筆に際して、"MOBA未経験でエタリタをプレイし、大会を観戦しているプレイヤー"として、個人でVtuberとしても活動している御子柴かきょうさんにご協力をして頂きました!
本当にありがとうございます。(記事の最後にソーシャルリンクを記載しています!)


ステータス系

エターナルリターンのキャラクターにはいろいろなステータスがありますが、他のMOBAでの慣例に倣って略語で説明されることがあります。
LoLなどのゲームを通ってきた人にとっては馴染み深いかもしれないですが「エタリタが初めてのMOBA」という人にとってはちょっとわかりにくいと思うので改めて解説していきましょう。

AP

AP = スキル増幅

LoLから転用された用語で、スキル増幅の値のことを示します。
実験体の各種スキルにはスキル増幅係数というものが設定されており、実験体のスキル増幅値をもとに40%や80%といった割合でダメージに反映されるという形式を取っています。
なので、スキル増幅値が高ければ高いほどスキルの威力が高くなる、という構図になっています。(ちなみにこの反映率のことをレシオと呼ぶことがあります。APレシオや後述のADと併せてのADレシオ等と言った感じです)
「Chlorideの装備状況が非常に順調ですね。2日目昼で既に女帝とカバナを所持しておりスキル増幅値が500超えてます。一体どこから持ってきたんだそのレア素材……」といった風に、スキルを主体に戦うキャラクター(この架空の実況例ではアディナ)ではスキル増幅値の高さが一つの強さの指針になっています。
例外的なパターンとして、アイザックといった一部のキャラにはスキルに増幅値の係数がない(0%を反映する)為、スキル増幅を増やしてもスキルの威力が上がらないといったことがあります。
元の由来としてはAbility Powerの略語で、現在のエタリタのスキル増幅値と全く同じ意味を持つ数値であることからスキル増幅値のことをAPと呼ぶケースが多いです。

AD

AD = 攻撃力

こちらもAP同様LoLから転用された言葉で、攻撃力の値のことを示します。
実験体のオートアタック(通常攻撃)の威力の元となる他、スキルには先程のスキル増幅値の係数以外に攻撃力の係数もあるため、攻撃力を上げることでスキルの威力も上がります。ルクなどの攻撃力を上げてオートアタックで殴るような実験体のスキルが痛いのはここの攻撃力の係数が影響しています。実際の実況では「GAMJATANGのダニエルは……スマートバンドやマベリックランナー、ホークアイといった純粋にADや防御貫通を積んでバーストに寄せたビルドですね。近頃のダニエルの主流といった感じの装備です。恐らく、素早く入ってまず一人落としてしまおう、といった感じでしょう」といった風にビルドの説明をする際に使われることが多いです。
例外として、ヴァーニャのような一部の実験体では攻撃力の反映がなくスキル増幅値でしかスキルの威力を伸ばせないということがあります。

元の由来としてはAttack Damageの略語で、現在のエタリタにおける攻撃力と同じ位置付のステータスということでそのまま転用されています。

AS

AS = 攻撃速度

AP,ADに並んでこちらもLoLからやってきた、MOBAとしては一般的な言葉の一つです。こちらは攻撃速度を示しており、この値が高ければ高いほどオートアタックの間隔とモーションが速くなります。
攻撃力を上げてオートアタックを主体に戦うキャラクターは高めのASが要求される他、近頃はバイクヘルメットやスポーツウォッチといったアイテムの登場(ステータスの変更)により、スキル増幅が影響するオートアタック関連のスキルを利用したスキル増幅+攻撃速度というパターンも登場しています。
こちらも実際の実況だと「こちらのバニスは……以前メジャーとされていた致命型のバニスではなく、純粋にADを高めるような形のビルドですね。ASも最低限確保しつつ、基本は火力に直結するステータスを優先しているようです」という風に、ADなどの言葉と並んでアイテムビルドの説明をするときに使われることが多いです。
ここで一つ覚えておきたいのが、攻撃速度は高ければ高いほどいいというわけではないということで、実際にはその実験体や戦い方に適した攻撃速度を目指してある程度調節するようなパターンが多いです。
こちらの由来はAttack Speedの略語で、基本的には攻撃速度の概念がないMOBAもない(はず)なので広く使われている言葉の一つです。

CD / CDR

CD = クールダウン / CDR = クールダウン減少

この二つの言葉はクールダウンに関連する言葉として頻繁に使われますが、それぞれ意味が近いところにあるためまとめて解説しちゃいます。
CDとはクールダウンのことを示しており、スキルを使用したあと次にスキルが使えるまでになるまでの待ち時間のことを示しています。

ヴァーニャのRスキルがクールダウンに入っている様子

通常スキルについてはもちろん、その場の戦況をひっくり返すようなパワーの有るRスキルや一部の武器スキルは、「それがクールダウン中かどうか」という点もまた戦況の鍵となっています。
「Physical Topは先程の戦闘でSoobakのアレックスがRを切ってしまった為今はあまり戦いたくないといったところ。クールダウンは残り40秒ほどですが、近くにはNaerreumとOld Boyの姿が見えています」
と言った風に、臨戦態勢かどうかの判断材料としてよく使われます。

実際の観戦画面では画面左上に選択されているキャラクターの状況が表示されている。
こちらはクロエのRがクールダウンに入っている状態。

そして、このクールダウンに関連するステータスとしてクールダウン減少というものがあります。スキルにはそれぞれ固有のクールダウン時間が設定されていますが、これを装備などについているクールダウン減少というステータスで、一定まで短くすることができます。
基本的に最大で30%まで積むことができ、それ以上は上限として切り捨てられる形に。但し、ティンダロスの大君主やクイーンオブハート、プロミネンスといった装備の固有効果でこの上限を35%や40%に引き上げてよりクールダウンを短くすることも出来ます。(これらは重複しないため、ルミア島では40%以上クールダウン減少を積むことはできません)
このクールダウン減少を示す際、CDと並んでCDRという言葉が使われます。
「Offenseのキアラ、これプロミネンスでCDRが40%あるのでスキルのクールダウンがすごいですね。さっき使ったのにもう審判のCD上がります。15秒くらいで上がってないかこれ」という風にCDRを積むことで継戦能力が上がってることを説明する際に使われやすい略語です。
元はCooldown、及びCooldown Reduction(Reduce)の略で、意味としてはそのままですね。

実験体の分類系

エターナルリータンには数多くの実験体がいますが、ほとんどのキャラクターはアイテムビルドなどによって戦い方などを概ね区別することができます。
実験体によっては、同じ実験体でも型によって戦い方が全然違ったりということもあるので、そういった部分について幾つか凡例のような形で用語を説明したいと思います。

メレー/レンジ

これは実験体そのものの区分で、原則的には全ての実験体はこの「メレー」か「レンジ」かのどちらかに分類されています。(イレムやアレックスなど、一部の実験体は両方の特長を持っています)
この分類は主に武器種を基準に、基本攻撃の範囲で区分されます
基本的に、近接攻撃であればメレー、遠隔攻撃であればレンジ、という形です。
武器種で区別をすると、
メレー:グローブ、トンファー、バット、金槌、斧、短剣、両手剣、双剣、槍、ヌンチャク、レイピア、VF義手
レンジ:鞭、投げ、暗器、弓、石弓、拳銃、突撃小銃、狙撃銃、ギター、カメラ、アルカナ
と言うかたちに。但し、一部の例外として「トンファー、両手剣、暗器、拳銃が使えて、条件付きで武器を変更してメレー/レンジが切り替わるアレックス」「人間状態とネコ状態を切り替えることが可能で、ネコ状態でのオートアタックがメレーになるイレム」「攻撃速度が固定である代わりにレイピア、バットでありながらオートアタックで遠隔攻撃が出来るアデラ」「デビー操作時はメレー、マーリン操作時はレンジになるデビー&マーリン」がいます。
この分類が何のためにあるかというと、意念(スキル使用後のオートアタックが強化される)や治癒阻害(食べ物以外の回復の量を減らすデバフ)の効果量の計算の基準にされます。基本的にメレーのほうが効果量が高くなるというのが一般的なパターン。
飽くまでも分類であって、メレーの実験体でも交戦距離が長かったりレンジの実験体でも交戦距離が短かったりというケースもあります。
基本的にはメレーのほうが交戦距離が短く耐久力が高い、レンジのほうが交戦距離が長く耐久力が低い、という認識で差し支えないと言った感じ。
「Altoの使うカーラは非常に引き撃ちが強い実験体ですからメレーでは近付くのも困難ですね。無理して飛び込んだら一瞬で身体が爆散するでしょう」
という風に、有利不利を語る際に使われるようなシーンが多めです。

致命○○/増幅○○

○○のところに実験体の名前を入れてみるとなんだか聞き覚えがある感じがしますね。○○型の△△みたいな言い方をすることもあります。
増幅アレックスとか、致命ヘジンとか、そういう感じです。
これは大雑把に言うと「アイテムビルドの傾向」を表しています
先程ASの項目で出たAPASビルドという言葉もこれらに近いもので、武器、胴体、頭、腕、足、装具と特性を加えた要素でその実験体がどのような戦い方をするかを示していることになります。
頻出するパターンで言うとAD(攻撃力)型、致命型といった、オートアタックの威力を引き上げたり致命打(クリティカルヒット)を出すことでダメージを出そうとするタイプと、一般的に増幅型として語られる、スキル増幅値やクールダウン減少を積むことでスキルの威力や回転率を高め、スキルを中心に戦うタイプがメジャーです。
1.0の正式サービスではいわゆる「全員が全部こなせる」といった方向性から役割がそれぞれはっきりしているような調整に変化し、AD型、致命型や増幅型に加えてタンク型といった、他のゲームジャンルでもよくある壁役のようなビルドも出現しています。
こういったビルドの説明の際、特性+キャラクター名といった形で説明をされることも非常に多いです。一つ一つの特性を説明しているとキリがないので大雑把にまとめると、「赤ければ攻撃的、青ければ防御的、緑なら搦め手」というくらいの認識をするのがいいでしょう。実際は青の中に攻撃的なもの(応報とか)があったり、緑には攻撃的なもの(増幅ドローンとか)や防御的なもの(献身とか)が混在していたりするのであんまり正しい認識ではないかもしれません。

戦略系

エターナルリターンでは直接の戦闘技術はもちろん、どういった形で戦闘を仕掛けるのか、ゲーム後半に向けてどうやって強くなっていくのか、といった戦略の要素も非常に強く、そういった「戦闘に至るまで」の部分も見逃せません。そういった要素について、詳しく戦略を語るよりは略語で大雑把な動きを説明することが多く見られます。その辺りの用語についても目を通しておきましょう。

ファーム

これはMOBA系のゲーム全般で使われている戦略のことで、エタリタにおいては「野生動物などを狩り、経験値や熟練度、クレジットを稼ぐ」ということを示しています。エタリタでは敵を攻撃することで武器熟練度を稼ぐことができますが、中にはちょっと殴りかかっただけでも怒りを買ってしまいそのまま返り討ちに遭ってしまうような差が開くことも。それを覆すために……或いは、優勢だったプレイヤーがその有利を着実に伸ばすために、野生動物を倒すことで少ないリスクで経験値などを稼ぐ動きをファームすると呼ぶことが多いです。
また、野生動物は一度倒してから次に復活するまでの時間が固定であることから、復活する時間を把握して定刻通りに帰ってくることで横取りされる前に野生動物を倒す「野生動物を管理する」というムーブも多く見られます。
例えば、「gworkは今回もしっかりと病院工場のオオカミを管理しているのでファームの量がすごいですね。現環境はファームメタとも言えるので、この二つの地域を管理出来ているのは非常に大きいです」みたいな形でエリアを制圧してファームをしっかりと取っている様子を称えたりすることがあったりといった具合です。
このような言葉に関連して最近頻出する言葉として先程の実況例にも出た「ファームメタ」という言葉があります。「○○メタ」という形で○○に入る行動や戦略が強く主流であることを示し、前述の「ファームメタ」であればファームをして着実に有利を積み上げることが強い環境だよ、ということを意味しています。

オブジェクト / レア素材

ファームでは野生動物を通してのスケーリング(強くなること)を説明しましたが、もちろんファーム以外にも直接の戦闘など他にも強くなる手段が色々とあります。そのうちの一つがこのオブジェクト
これは日付や昼夜が切り替わるタイミングで必ず出現するいろいろな要素を総称しており、大体がレア素材の獲得に直結している(=獲得することで装備を強くできる)ということになります。
オブジェクトに該当するのは、少々数が多いですが

2日目の昼、墓場、寺に出現する生命の樹
2日目の昼、ランダムな2つの地域に出現する隕石
2日目の夜、ランダムな地域に出現するアルファ
2日目の夜、3つの地域が指定される戦場
3日目の昼、森、川に出現する生命の樹
3日目の昼、ランダムな2つの地域に出現する隕石
3日目の夜、ランダムな地域に出現するオメガ
4日目の昼、ランダムな2つの地域に出現する隕石
4日目の夜、研究所(ルミア島中央)に出現するDr.ウィクライン

となっています。生命の樹隕石はそのまま手に入る他、アルファからはミスリルが確定で、オメガからはフォースコアが確定で、Dr.ウィクラインからはVF血液サンプル+フォースコア、血液を除くランダムなレア素材1種、更には敵を攻撃した際追加ダメージを与える、通称ウィクラインバフを獲得することが出来ます。
オブジェクトに関連して戦闘が起きることは非常に多く、実況でも「さて、3日目の昼に切り替わりオブジェクトの時間です。森の生命ではHaemyuとBeobeoがにらみ合いをしている。一方病院生命はADINAがフリーで獲得した模様です。」といった感じで、一つの重要な区切りのポイントとして説明をされます。
上記の生命の樹、隕石、ミスリル、VF血液サンプルは総称としてレア素材と呼ばれており、現環境において伝説装備(レア素材を用いて作成する金色の背景の装備)がが強さに直結していると言っても過言ではありません。
上記のオブジェクトを通してレア素材を手に入れられるほか、前項のファームを通してクレジットという通貨を貯め、様々な地域に置かれているKioskという設備を利用してレア素材や戦術スキルの強化用アイテムを購入することができます
ファームはもちろん、敵を戦闘してキルを取ったりすることで稼いだクレジットをKioskを通して装備のアップグレードに費やし、ゲーム終盤に向けてチームを強化していくのが現在の基本的な流れです。

ちなみに、現在のゲームを通しての流れはこの画像に示されているタイムラインのような感じ。復活の可否が変化する2日目、3日目、5日目などは大きな境目として扱われる印象です。

漁夫 / ABC

これはMOBAではなくバトロワ系ゲームからやってきた言葉で、もしエーペックスレジェンズなどのゲームをプレイしたことがある人ならば馴染み深い(そして恨みが深い)言葉だと思います。
これは漁夫の利という言葉の意味そのままで、何者かが争っているところに横から入ったプレイヤーやチームがお互い消耗しているところを一網打尽にする様子などを示します。エタリタでは基本的に1vs多であったりの人数差は露骨な不利になりやすく、各々のスキルのクールダウンなども考えると漁夫の脅威というものは非常に大きいです。
そして、そういった漁夫に襲われるケースを「AとBが争っているところにCがやってきて倒す」ということからABCの構図で示されることも多いです。
「下町ではSKSとoverlapによる戦闘がまだ続いていますがそこにGAMJATANGがバイクで漁夫しに走ってきた! お互い消耗していたところにバーストを叩き込みGAMJATANGが一気に2キル獲得です。A対BはCが勝つ!
ところで、この世の戦闘には秩序もなければ一騎打ちという誇り高い文化もないため、実際にはCでは留まらないこともあります。ウィクライン周りとかだとDくらいまで現れるのは割りとよくある話です。地獄絵図。
ちなみに、漁夫の利が日本語の言葉であることから当然のごとく海外に行っても漁夫という言葉は通じないし、𝐆𝐲𝐨𝐟𝐮という言葉があったりということももちろんありません。韓国語圏では代わる言葉としてハイエナ(ハイエナ行為)という風に呼ばれることが多いほか、ABCの表現については比較的世界共通の概念として通っています

検問 / 角待ち

すんませーんちょいと検問でーす

例えば禁止区域が増える時、閉まる地域が袋小路ならば限られた出口のうちの一つに張り込んで奇襲をするというのは非常に合理的な判断です。
他にも色々と「出待ち」といった形などで「敵がここを通るだろう」という読みをして「待機して奇襲をする」という戦略が用いられることが非常に多く、そのような待ちのことを「検問」と呼びます。
「Fresh manは研究所に入ってウィクラインを殴っていますが思ったより時間が掛かっている……これは検問されるんじゃないか?
という風に、実際に検問が行われる様子だけではなく「検問をされそう」という状況でも使われることがあります。
この検問に似たようなもので、角待ちという概念もあります。
これはVALORANTなどのタクティカルFPSで多いような考え方、戦法で「建物などの角の死角を利用して相手を待つ」という戦い方です。ある意味検問の一種とも言えるでしょう。
この角待ち、エターナルリータンの建造物は色々とあまりシンプルではない形をしている関係から「そこ見えないのか!?」といった感じのものすごい角待ちポジションがたくさんあります。そういった点について上手く警戒できるかという点もまた選手の技量が試されるところです。
また、ナタポンやマルティナは偽装カメラと言うアイテムを作ることができ、これは他の監視カメラ類と異なり「近づかないとカメラがあることがわからない」という特殊な仕様を持っています。
これを利用し、本来待ちのポジションとしては有効ではないポジションを一方的に視界を取ることで活用するというケースがあります。足を止めとおけば当然足音が出ないため、相手の警戒が全くないところを奇襲することが可能であり、主にナタポン職人の定番ムーブとして用いられています。

ブッシュ / ブッシュチェック

先程からMOBAというよりはシューター系ジャンルなどから来た言葉の説明が続いていましたが、ここで再びMOBAに帰ってくるような形になるのがこの「ブッシュ」という概念。いわば表記ゆれのような形で「茂み」と言われることもあります。むしろ茂みと言われたほうが直感的にわかるのではないでしょうか。エタリタの舞台となるルミア島にはいたるところに草むらがあり、そこに身を隠すことで相手の攻撃を避けたり奇襲したりということが出来ます。この草むらを「茂み」だったり「ブッシュ」だったりという呼び方をし、その草むらの中に敵がいないか、危険がないかということを確認する行為を「ブッシュチェック」というふうに呼ぶことが多いです。確認の手段は様々ですが、場合によっては「ブッシュチェックをして安全だと思ったら実はいた」という風に見落としのケースもあるので油断大敵といったところ。或いは急ぐあまりチェックをし損ねてしまうというケースもまたあり、何かと災難の原因になりがちです。

戦闘系

エタリタの戦闘の解説は戦略面ならともかく、直接のぶつかり合いでは一瞬の予断を許さないような緊張感があり中身の詰まった展開になることが多くてひとつひとつを丁寧に説明していると実況解説がどうしても追いつきません。そこで解説を圧縮するために使われている用語について幾つか学び、戦闘の解像度を上げてみましょう。

CC

CCという言葉は戦闘を語る上でかなり頻繁に使われる言葉ですが、ぱっと聞いた印象では何の略称かよくわからない言葉ではあります。
これは、気絶、束縛、固定、魅惑……等々、状態異常全般を示している言葉です
その中でも「CC」「ハードCC」という風に分類が分けられる言葉もあります。
これはどう区分されるかというと、相手の行動を中断させることが出来るかどうか、という点で判断するのが一番わかりやすく、「沈黙」や「スロウ」を受けても移動等は継続して行えるのに対し、「気絶」「魅惑」「エアボーン(打ち上げ)」等では使用中のスキルは中断されあらゆる操作を受け付けない時間を過ごすことになります。
デュオやスクアッドで蘇生を止めたり、生命の木や隕石などを取っているのを妨害するといったケースでは「ハードCC」でないと有効ではない、ということですね。
実況においては概ねハードCCを指してCCということが多く、相手を連続で行動不能状態にして動けない間に倒すような、いわゆる「CCで固める」という形で言及されることもあります。また、こういったCCを連鎖的に入れて相手を長時間拘束することを「CCチェイン」と呼ぶことも。

ブリンク

ブリンク、ひいては前ブリンクという言葉は実況においてよく耳にする言葉の一つです。
これは至ってシンプルな言葉で、移動系のスキルを示してブリンクと呼びます。前ブリンクなら、敵がいる前方に向かって移動スキルを使用することを表しています。単純ですね。
基本的には方向指定、地点指定などで好きな位置、好きな方向へ移動出来るスキルに関して語るときに取沙汰されやすい部分です。
実際の場面では「おっとここでBoBmalsaが強気の前ブリンクから仕掛けて行く」と言った風に、急に接近したりする際に実況で使われやすい言葉です。
基本的に移動スキルにはクールダウンがあり頻繁には使えないことから、攻めに使うか逃げに使うかなどといった部分において勝敗の分水嶺とも言える重要な要素です。

スキルショット/スキルドッジ

エタリタには様々なスキルがありますが、そのすべてが必中というわけではなく、方向であったり位置であったりを指定する形で「うまく当てる」「うまく避ける」というやり取りが発生することが非常に多いです。
そういったスキルによって放たれる投射物を総称してスキルショットと呼び、これが取り上げられる場面といえば「精度を褒め称える」というケースであったり、「回避の上手さを褒め称える」というケースが多め。
「最終安置は港ですね。gworkが既に下側の安置を陣取っています。港の下側の安置は非常に通路が狭いですからスキルショットを避けるのが非常に難しい。アデラにとっては絶好の地形です」という風に実験体のスキルが醸し出すプレッシャーについて解説する際にも使われます。
そしてこの、「スキルを回避する」という行為を、スキルを回避(=Dodge)するということからスキルドッジというふうに短縮して説明することがあります。
「さあオメガ前ではADINAとBeobeoがにらみ合いをしています。ADINAはパッシブの移動速度アップを利用してエマの攻撃をすべて避けている! 素晴らしいスキルドッジ精度ですね」など、スキル回避の上手さを語る時によく使われる言い回しの一つです。

おわりに

大体このあたりの言葉を把握すればエタリタの大会シーン、ひいてはプレイヤーによる個人の配信、カスタム対戦の配信などもより楽しめるのでは無いかな、と思います。
もちろんこの記事だけで全ての用語を網羅出来ているわけではないので、「これよく聞くんだけどわからん!」とかあったらTwitterとかで気軽に申し付けてください。なるべくわかりやすい説明を用意します。

最後に改めて今回の記事の執筆に際してMOBA未経験のエタリタプレイヤーとしていろいろな意見を提供してくださった御子柴かきょうさんにお礼を申し上げます。自分はLoLを経験してHotSも経験してという形でそこそこMOBAを多く通ってきた身なので、多くの言葉が「当たり前」の用語となっていたがゆえに、一人ではこの記事を書き上げることができませんでした。
ご協力本当にありがとうございました!

御子柴かきょうさん
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