AoS日記その61-2〜騙し合い〜

前回の続きです。


バトルプラン:喉を狙え

開戦

魂穢れし墓の主ソウルブライトグレイヴロードの陣地には弱みがある。
それが散々な目にあったスーキノックに、ラヴンチットが『お詫びに』と教えた情報だった。
手柄のチャンスだ。これを13評議会に議席を掴む架け橋に…。
もしもヴァンパイアロードを撃ち取れれば…!
愚かなるスーキノックはその奥底に隠された策謀に気を回すことなく、意気揚々と手勢を連れて出ていった。
こうも騙されやすいからこそ、彼はまだその命を繋いでいるというのは皮肉なことだった。

倒れ伏した骨たちが立ち上がる。

遠くに見える陣地には、何もいないように見えた。
「かかレ!」
スーキノックの号令の元、狼鼠ウルフラットが走り出す。
だがその時!前方に突如現れる兵士たち!
伏せていたスケルトンたちが立ち上がったのだ!
ウルフラット隊は勢いそのまま、目の前の骨へと齧り付いた!
慌てたスーキノックは続けてイチゴウも放つ。
醜悪な巨体を揺らしながら、イチゴウがもう1つのデスラトルスケルトンへとのしかかった!
当然スケルトンたちも槍を構えて突撃に備えるが、肉の塊たるヘルピット・アボミネイションを止められる道理はない!
圧倒的質量により、部隊丸ごと砕かれるスケルトン!
「見ロ、見タか、敵が死んダ、斃れたゾ!」
興奮したスーキノックが叫びながら、歪み石の短銃ワープロック・ピストルを乱射した。
一体あいつは何をやってるのか。ルトアーが後ろで呆れている間にも戦況は刻一刻と移り変わっていく。

混戦

ウルフラットたちが突撃する先にいたのは、墓の守り手グレイヴガードの名で知られるエリートたちである。
普通に戦えばウルフラット如きに叶う相手ではない。
だが…
「さっサと投げロ!投げたラ、にげロ!」
後ろから、ファランチットの金切り声が上がった!
ウルフラットを受け止めようと身構えていたグレイヴガードたちに毒ガス爆弾ポイズンウィンド・グローブが襲い掛かり、割れたガラス玉から吹き出したワープストーンの毒がその骨を溶かしていった。
そこにさらに突っ込む、ウルフラット!
だがソウルブライトもやられっぱなしではない。
ネクロマンサーが唱えた魔法が、逃げようとしていたアコライト達を襲いその足を止める!
そこに横から突撃したデスラトルスケルトン!
スケルトンを蹴散らしたイチゴウまでもが入り乱れるこの戦場ではウルフラットも、グレイヴガードもあっという間に散っていく。
さらに呼び出されるダイアウルフ!
戦場は混沌の様相を呈していた!
混沌ケイオスは誰にもコントロールできず肥大化していく。
ソウルブライトは斃れた兵士たちを蘇らせてスーキノック動物園メナジェリーを着実に削っていた。
スーキノックは気づいていないが、このままではいずれはジリ貧になり負けという未来がくるだろう。

転機

「今だ、突撃!」
戦場にスケイヴンにしては珍しく、聞き取りやすい声が響いた。
これまで戦場を眺めるばかりで状況を静観し続けていたルトアーだ。
目標を忘れて暴れ回るスーキノックとは対照的に、ルトアーは敵の動きを観察していた。
そして、自らの目標も忘れていなかった。
この戦場の行く末を決めたのは、そんな1匹のストームヴァーミンだった。
研ぎ澄まされた一撃は、瞬く間に蘇ったグレイヴガードを切り伏せた!
「奴ラの喉元を狙え!」
続き様にルトアーが叫び、右手に持った野蛮なる武器ティーンチ製の大斧を振り下ろした。
そこからの動きは迅速だった。
イチゴウを盾にしたストームヴァーミン隊は、スーキノックを無視して整然と狙っていた目標へと陣取ると、ソウルブライトたちを睨みつけた。
もはや、ソウルブライトの軍勢にルトアーを退ける術はなかった。

穏やかなる戦場

「奴はどこにイる?」
クレンキックは、途方に暮れていた。
探せど探せど、どこにも先駆者ハービンジャーがいないのだ。
もし見つけられずに帰ったら?
おそらくスーキノックの理不尽な制裁が下るだろう。
もっとも、スーキノックにそれをしてなお保てる威厳があるのかは不明だが。
ともかく、先駆者を求めてかじり穴を通りエイトポイントを彷徨っていたのだ。
まず探したのはガウルだった。
クレンキックにとってガウルはあまりにも厳しく、襲い来る怪物から逃げ回るのに精いっぱいだった。
だからクレンキックは、ガウルには先駆者はいないと結論づけた。
次に行ったのはシャイシュだった。
シャイシュではナイトホーントの大群に襲われ、エシンの手を借りて命からがら逃げだした。
だからクレンキックは、シャイシュには先駆者はいないと結論づけた。
そうしてたどり着いたのがグューランだった。
グューランは今や久遠の女王アラリエールの魔法により緑あふれる地となり、かつてここに巣喰っていたナーグル達の勢いは大きくそがれていた。
だが、それでもナーグルの連中がここを狙っているのは間違いなかった。
クレンキックは手勢のジャイアントラットを使い潰しながら、グューランを進んだ。
そして、奇跡的にそれに出会うことができたのだった。
先駆者ハービンジャーに。

バトル結果

あとで追記予定

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