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【モダン】続唱ティボルト デッキガイド

【速報】モダン、壊れる。

こんにちは、noteではお久しぶりとなります。ゆうやんです。

最近は様々な媒体でデッキ紹介記事などを書いていたこともあり、noteの更新はすっかりご無沙汰していました。

既に執筆しているストームやドレッジの記事についても、今後加筆予定ですので、noteでもどうぞよろしくお願いします。

閑話休題。
『カルドハイム』で生まれたただ1枚のカードによって、モダンは壊れてしまいました。

星界の騙し屋、ティボルト

《星界の騙し屋、ティボルト》によって。

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これは後手1ターン目に《星界の騙し屋、ティボルト》を出して即投了された時です。

今回は様々なフォーマットを震撼させている続唱ティボルトの、モダンバージョンについてのお話となります。

1.続唱ティボルトって?

続唱ティボルトとはその名の通り、続唱呪文から《星界の騙し屋、ティボルト》を唱えるデッキです。

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唱えた続唱呪文よりマナコストの低いカードがめくれるまでライブラリーの上から追放していき、そのカードをタダで唱えられるというのが続唱。ランダム性が強いものの、1枚のカードが2枚分になるため、モダンでもアドバンテージカードとして重宝されています。

血編み髪のエルフ

普通にデッキを構築すればランダム性が強い続唱というシステムですが、例えば3マナの続唱呪文を唱えた際に、デッキ内に2マナ以下のカードが1種類しかなければ、そのカードを確実に唱えることができます。

超起源

この続唱の悪用は《死せる生》や《超起源》とこれまでも数えきれないほど行われてきました。今回の続唱ティボルトも、これを活用しています。

デッキ内には続唱で捲れるカードは《嘘の神、ヴァルキー》しか入っていません。そしてこのめくれた《嘘の神、ヴァルキー》は…《星界の騙し屋、ティボルト》として唱えることができます。

嘘の神、ヴァルキー

これはモードを持つ両面カードが、「唱えた際に表面か裏面かを選ぶ」というルールだからです。続唱でめくれた《嘘の神、ヴァルキー》は、唱える際に表か裏を選べるため、わずか3マナで《星界の騙し屋、ティボルト》を戦場に出せるというわけです。

星界の騙し屋、ティボルト

続唱ティボルトは突如として現れ、先週末のモダンチャレンジを両日とも優勝し、両日のトップ8に3人ずつを送り込み、日曜日に至ってはトップ32に13人という驚異的な勝率を叩き出しました。

ここまで一人勝ち状態というのはモダンでも珍しく、これには「新しいコンボデッキに対してサイドボードを用意できなかった」という要因もあるものの、そもそもデッキ自体が恐ろしく強力なのです。

僕はこのデッキを回していて、在りし日のホガークヴァインを思い出したぐらいです。

甦る死滅都市、ホガーク

2.デッキリスト

これは僕がモダンチャレンジで準優勝を収めたリストです。

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2:《宝石の洞窟/Gemstone Caverns》
1:《マナの合流点/Mana Confluence》
1:《繁殖池/Breeding Pool》
1:《蒸気孔/Steam Vents》
1:《寺院の庭/Temple Garden》
1:《湿った墓/Watery Grave》
1:《神聖なる泉/Hallowed Fountain》
1:《ケトリアのトライオーム/Ketria Triome》
1:《ラウグリンのトライオーム/Raugrin Triome》
1:《サヴァイのトライオーム/Savai Triome》
4:《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
4:《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
2:《霧深い雨林/Misty Rainforest》
1:《森/Forest》
1:《平地/Plains》
1:《島/Island》

3:《砕骨の巨人/Bonecrusher Giant》
4:《厚かましい借り手/Brazen Borrower》
4:《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》
4:《嘘の神、ヴァルキー/Valki, God of Lies》

4:《至高の評決/Supreme Verdict》
3:《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》
2:《遠隔+不在/Far+Away》
4:《否定の力/Force of Negation》
4:《暴力的な突発/Violent Outburst》
4:《献身的な嘆願/Ardent Plea》


サイドボード
1:《宝石の洞窟/Gemstone Caverns》
4:《神聖の力線/Leyline of Sanctity》
4:《虚空の力線/Leyline of the Void》
4:《神秘の論争/Mystical Dispute》
2:《機を見た援軍/Timely Reinforcements》

3.各種カード解説

・《嘘の神、ヴァルキー》《星界の騙し屋、ティボルト》

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このデッキの主役です。このカードがなければ始まりません。

基本的に《星界の騙し屋、ティボルト》として戦場に出ますが、手札に来た場合でもまったく腐らないのが、このカードのすごいところ。

相手の《自然の怒りのタイタン、ウーロ》を奪いつつ、自身がその能力を身に着けることができますし、タイタンデッキに対しては《イリーシア木立のドライアド》や《原始のタイタン》を奪えます。

手札から唱えても強く、1枚目が対処された際に追加の続唱で《星界の騙し屋、ティボルト》をめくりたいため、4枚以外の選択肢がありません。


・《暴力的な突発》/《献身的な嘆願》

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《星界の騙し屋、ティボルト》を戦場に出すための続唱2種。このデッキが5色になっているのは、この2種の続唱呪文を入れている(+黒は《嘘の神、ヴァルキー》)からです。

色を増やすことを嫌い、《献身的な嘆願》を《悪魔の戦慄》にしてジャンドでまとめているリストも勝っていますが、2つの理由でオススメしません。

悪魔の戦慄

まず1つは、《悪魔の戦慄》は確実に唱えられる続唱呪文ではないからです。クリーチャーを対象に取らなければキャストできないため、戦場にクリーチャーがいなければなりません。

相手が1ターン目にクリーチャーを出してくれれば良いですが、そう都合よくはいきません。それに先手1ターン目に《星界の騙し屋、ティボルト》を出せなくなってしまいます。

そしてもう1つは、詳しくは後述しますが、続唱ティボルトは青を使うメリットが大きいデッキだからです。青を入れるのであれば、後1色増やして《献身的な嘆願》を採用する方が強いと考えています。


・《否定の力》

否定の力

青を入れるべき理由です。

《星界の騙し屋、ティボルト》は盤面への干渉能力を持つ一方、相手のコンボなどを阻害する力はありません。コンボデッキと相対した際には《否定の力》は重宝します。

また、《否定の力》によって手札を失うことがほとんどダメージになりません。

というのも、《星界の騙し屋、ティボルト》は唱えた際に2枚の手札を供給し、毎ターン追加で2ドロー相当の効果をもたらします。そのため、《否定の力》でカードを失うデメリットがほとんどないのです。


・《厚かましい借り手》/《砕骨の巨人》

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スタンダードでも大活躍の出来事カードは、3マナのクリーチャーながら、2マナの呪文としても唱えられます。ズルい。

続唱ティボルトは、確実に《嘘の神、ヴァルキー》を続唱でめくるために、デッキ内に他の2マナ以下のカードを入れることができません。しかし、これらの出来事クリーチャーで2ターン目から相手に干渉していくことができます。

《厚かましい借り手》は特に便利なカードです。とりあえず《星界の騙し屋、ティボルト》着地前に適当に何かを戻し、最終的にはフィニッシャーとなります。《献身的な嘆願》で賛美が付くと意外とクロックが早いかったり。

献身的な嘆願

《否定の力》と《厚かましい借り手》が非常に強力なので、僕は続唱ティボルトは青を入れるべきだと考えています。


・《至高の評決》

至高の評決

《星界の騙し屋、ティボルト》着地後に最も負けるパターンとしては、既に戦場に複数体のクロックがある状態です。

《星界の騙し屋、ティボルト》をマイナスから入ると、返しで落とされてしまい、手元には追放したクリーチャーしか残りません。

そしてこれは敗着手になります。《猿人の指導霊》や《宝石の洞窟》、《否定の力》でリソースを削るこのデッキでは、《星界の騙し屋、ティボルト》にはとにかく生きてもらう必要があるのです。

星界の騙し屋、ティボルト

そのため、全体除去である《至高の評決》はとにかく強力なカードだと感じました。《星界の騙し屋、ティボルト》でプラス→次のターンに《至高の評決》は勝ちパターンです。

《至高の評決》を必要としない相手には《否定の力》が効くので、そのコストにあてることも多かったです。赤青果敢のようなデッキにも安心して打てるで、色はキツいものの、《至高の評決》を採用すべきだと思います。


・《時を解す者、テフェリー》

時を解す者、テフェリー

青と白でコンボデッキとあれば、《時を解す者、テフェリー》が入らないことの方が少ないですね。

コントロール相手に打ち消し呪文を引き出させる役割もあり、アグロにはとりあえずバウンスで一時しのぎなど、非常に強力です。

《耳の痛い静寂》を貼られる可能性のあるサイド後も強く、入れておいて安心の1枚です。

耳の痛い静寂

《献身的な嘆願》を戻すことで続唱をもう一度使うこともできるので、覚えておきましょう。


・土地構成

ケトリアのトライオーム

《暴力的な突発》と《献身的な嘆願》を確実に唱えるためのマナベースを構築しています。

先手で《宝石の洞窟》がある場合などを考えると、2枚の土地で赤緑と青白のどちらも生み出せるようにしたいです。

そのため、以下の組み合わせで土地を持ってくる場合が多いと判断し、それを元に組みました。

《ケトリアのトライオーム》⇔《寺院の庭》
《サヴァイのトライオーム》⇔《繁殖池》
《寺院の庭》⇔《蒸気孔》

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これらのすべての土地をサーチできる《樹木茂る山麓》と《溢れかえる岸辺》がまず入りました。

《霧深い雨林》は《サヴァイのトライオーム》をサーチできませんが、その代わりに《寺院の庭》と《蒸気孔》のいずれもサーチできます。

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どういう状況でこのギルドランドの組み合わせをサーチするかというと、1ターン目に《神秘の論争》を構えて打った場合や、《暴力的な突発》をキャストするために最初のターンにアンタップインが必要な場合です。

《霧深い雨林》が初手にあって困るパターンは、《嘘の神、ヴァルキー》を2ターン目に出したい状況のみで、それならば《湿った墓》を持ってくることで一応は解決します。《湿った墓》を持ってきてしまうと続唱が全く使えない状態ならば、そもそも《嘘の神、ヴァルキー》を出すことを諦めて《ケトリアのトライオーム》を持ってくれば良いのです。


・《神聖の力線》/《虚空の力線》

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このデッキは力線をとても強く使えるデッキです。

《否定の力》の時にも話しましたが、続唱ティボルトはリソースを《星界の騙し屋、ティボルト》が稼ぎ出してくれるので、手札の枚数は重要ではありません。そのため、積極的な力線マリガンが容易に行えます。

《虚空の力線》、3枚の土地、《暴力的な突発》があるだけで勝てるので、厳しめに力線を探しにいけるのです。

《神聖の力線》はバーンやデスシャドウに、《虚空の力線》はドレッジなどにサイドインします。


・《神秘の論争》

神秘の論争

1マナで打てる可能性のある3マナのカード。続唱で引っかからない1マナのカードは素晴らしい。

主に《否定の力》を使う相手にサイドインすることになります。


・《機を見た援軍》

機を見た援軍

早いターンに《星界の騙し屋、ティボルト》を出して負ける可能性があるのがやはりバーン。除去は大量にあるものの、ライフ損失を補填する手段がないため、回復を採用しています。

このスロットは正直フリーです。バーン以外ではほとんどサイドインしないため、別に必要には感じませんでした。ちなみに採用していない時にも、バーンには普通に勝てました。

《秋の騎士》の方が強いかもしれません。そもそもバーンにスロットを割かずに、同型対策を入れるのもアリです。

秋の騎士

kanisterはサイドボードに《コーの火歩き》を入れ、《嘘の神、ヴァルキー》と入れ替えることで確定で《コーの火歩き》を続唱から出せるようにしています。非常に面白い構築だと思いました。


・《宝石の洞窟》

宝石の洞窟

後手時の全マッチでサイドインします。《ラウグリンのトライオーム》をアウトして入れることが多いですが、コントロール相手には《至高の評決》を抜きます。

4.マリガンについて

2ターン目に続唱が行えるハンドはすべてキープします。後手時の《宝石の洞窟》か《猿人の指導霊》、続唱カード、2枚の土地がそれに該当します。
1枚の土地しかない場合は残念ながらマリガンします。

1ターン遅れたら3ターン目の続唱になりますし、それならマリガンしても同じ手札は来ます。

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2ターン目に妨害を挟みつつ、3ターン目に続唱できる手札もキープできます。《厚かましい借り手》と続唱があればほとんどキープです。

しかし、土地がない手札はやはりマリガンです。初手だけで続唱が確実に打てるハンドを7枚では求めに行った方が良いです。

厚かましい借り手

続唱がない手札はすべてマリガンします。どれだけ妨害があろうと、相手が《夢の巣のルールス》を公開していてこちらの手札に除去と《至高の評決》があろうと、マリガンしてください。

夢の巣のルールス

重ねて言いますが、マリガンしてもほぼ3ターン目に《星界の騙し屋、ティボルト》を唱えることができるハンドが来ます。

8枚入っている続唱呪文を引くだけでいいのですから。だからこそ、オープニングハンドは厳しくいくことをオススメします。

星界の騙し屋、ティボルト

これはほぼすべてのマッチアップ、メイン・サイドともに共通です。

続唱がない手札をキープする相手は、同型や《否定の力》が入っている相手だけです。

否定の力

《否定の力》が入っている青いコントロールデッキは《霊気の疾風》もあるため、《星界の騙し屋、ティボルト》の定着がさほど安定しません。このマッチではこちらも《神秘の論争》を入れるため、ミッドレンジ対決のようになります。だから続唱を3ターン目に行う必要がないのです。

霊気の疾風

同型も似たようなものです。

《否定の力》があり、《厚かましい借り手》で《星界の騙し屋、ティボルト》を戻されてしまいます。このマッチは早いターンに《星界の騙し屋、ティボルト》を唱えた方が勝つわけではありません。妨害して最終的に《星界の騙し屋、ティボルト》が残った方が勝つのです。

5.デッキの回し方

このデッキはアドバンテージ獲得手段をすべて《星界の騙し屋、ティボルト》に委ねたコントロールデッキだと思ってください。コントロールデッキにおける《精神を刻む者、ジェイス》の役割が《星界の騙し屋、ティボルト》です。

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ここの意識をしっかり持つだけで、マリガン判断やプレイが上手くなるはずです。

《星界の騙し屋、ティボルト》定着後、しばらくプラスを続けることになりますが、大マイナスは気軽に行いましょう。このカードの大マイナスは、「互いの墓地のカードをすべてあなたの手札に加える。赤赤赤を加える」という能力です。

《星界の騙し屋、ティボルト》を唱えるために《暴力的な突発》を打っていれば、大マイナス後に新しい《星界の騙し屋、ティボルト》を、ちょうど生み出した3マナで唱えることができます。忠誠値の減少を気にする必要はありません。

星界の騙し屋、ティボルト

《星界の騙し屋、ティボルト》着地→除去や打ち消し→《星界の騙し屋、ティボルト》の大マイナスで除去や打ち消しの再利用、というのがこのデッキの主な勝ちパターンです。派手な見た目とは裏腹に地味なデッキだということを覚えておきましょう。

そしてこの地味な勝ちパターンの再現性の高さこそが、続唱ティボルトのウリでもあります。

簡単に言ってしまえば、続唱ティボルトは、除去か打ち消しと続唱呪文があれば勝利するデッキです。これ、既視感がありませんか?

そう、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》です。「除去と打ち消しと《自然の怒りのタイタン、ウーロ》さえあればゲームに勝てる」という言葉がありますが、その《自然の怒りのタイタン、ウーロ》が続唱呪文に変わっただけです。

自然の怒りのタイタン、ウーロ

しかも《自然の怒りのタイタン、ウーロ》よりも多くの枚数を供給し、自身も除去性能を持っているのが《星界の騙し屋、ティボルト》です。

《死者の原野》というフィニッシャーすら、続唱ティボルトは必要としていません。

死者の原野

余計な要素を排除し、妨害と続唱だけを詰め込み、そしてなによりロンドンマリガンによって、このデッキは運の要素を限りなく排除したコントロールデッキとなっているのです。

6.TIPS

・ミラーマッチの戦い方
互いに《星界の騙し屋、ティボルト》を出し合うミラーマッチは、相手の続唱を封じる《時を解す者、テフェリー》が最も重要となります。

時を解す者、テフェリー

もう一つキーとなるのは、《厚かましい借り手》です。

厚かましい借り手

《星界の騙し屋、ティボルト》をバウンスしながら、《時を解す者、テフェリー》にも攻撃にいけるため、続唱よりもこのカードの方が初手に来てほしいぐらいです。《星界の騙し屋、ティボルト》が戦場に出て、続唱呪文が解決する前にバウンスしないと能力を起動されるので、ご注意ください。

《嘘の神、ヴァルキー》で抜かれてしまうこともしばしば。同型は《嘘の神、ヴァルキー》を引いても結構活躍します。

嘘の神、ヴァルキー

お互いにカウンターよりも続唱の枚数の方が多いので、《星界の騙し屋、ティボルト》の着地を妨害するのは困難です。しかし、《星界の騙し屋、ティボルト》が生き残ると互いのライブラリーから《否定の力》と《厚かましい借り手》をめくる可能性があるので、どんどん相手の《星界の騙し屋、ティボルト》への妨害カードが増えていきます。

なので、《厚かましい借り手》による妨害はできるものの、やはり基本的には先に《星界の騙し屋、ティボルト》を出した方が有利になります。

星界の騙し屋、ティボルト

しかし、マリガンで早急な《星界の騙し屋、ティボルト》着地を目指すのはオススメしません。5枚の初手から1ターン目に出した《星界の騙し屋、ティボルト》が《否定の力》されるだけで敗北しますからね。

否定の力

結論として、《宝石の洞窟》を入れていることも考慮して、このマッチで僕は後手を取ることにしました。より多くの妨害札を持っている方が勝てるのです。


・マリガンで《嘘の神、ヴァルキー》を戻すべきか
言うまでもありませんが、《嘘の神、ヴァルキー》はデッキに4枚までしか入れることができません。そのため、続唱で《星界の騙し屋、ティボルト》をめくる回数は有限です。

《星界の騙し屋、ティボルト》はマイナスから入った場合には容易く対処されるため、続唱で2枚目、3枚目を出す展開もしばしばあります。

星界の騙し屋、ティボルト

そのため、マリガン後の初手に《嘘の神、ヴァルキー》が来た場合、まず戻したいカードではあります。

相手が《夢の巣のルールス》を公開している場合はまずマリガンで戻しますが、そうでない場合は、手札に2マナのアクションがないならば、手札にキープしておきましょう。

夢の巣のルールス

コントロールデッキの手札を見ることは重要ですし、《夢の巣のルールス》を使わないアグロは、ヘリオッドカンパニーなど、除去の乏しいデッキであることが多いため、《嘘の神、ヴァルキー》がしっかりと妨害札として活躍してくれるのです。


・土地のサーチパターン早見表
既に説明した内容ですが、もう一度記載。

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《ケトリアのトライオーム》⇔《寺院の庭》
《サヴァイのトライオーム》⇔《繁殖池》
《寺院の庭》⇔《蒸気孔》

これで2枚の土地から《暴力的な突発》と《献身的な嘆願》の色マナをいずれも確保できるので、最後の土地が無色でも問題ありません。

《至高の評決》を打つために、その後は2枚目の白マナの確保を優先的に行います。


・《遠隔》

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《遠隔+不在》の《遠隔》は自分のクリーチャーもバウンスできます。《遠隔+不在》で打ち、《不在》で除去しつつ、《遠隔》で自分の《厚かましい借り手》を戻すと美味しいので、《厚かましい借り手》は適当な時に出しておきましょう。


・《暴力的な突発》と《献身的な嘆願》

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カードとして強いのは《暴力的な突発》です。インスタントなので、相手のターンにキャストできるのが強力。

《否定の力》をケアして相手のターンに打つこともかなり多いです。先手1ターン目に仕掛けられるハンドが来た場合は、《夢の巣のルールス》が相棒でない相手には、相手ターンのアップキープに《星界の騙し屋、ティボルト》を着地させることをオススメします。

否定の力

《暴力的な突発》はそれ以外にも、《嘘の神、ヴァルキー》をインスタントタイミングで出して、クリーチャーを追放することもできて便利です。

実際にヘリオッドカンパニーに当たった際に、《イーオスのレインジャー長》を生け贄→スタックで《暴力的な突発》から《嘘の神、ヴァルキー》で《歩行バリスタ》を抜いてゲームに勝利したことがありました。

使う機会が限られる《献身的な嘆願》から使っていきましょう。


・《窒息》と《沸騰》のケア
緑と赤のデッキには、《窒息》と《沸騰》がよく入っています。4c原野対策ですね。

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大体の相手はこれらをサイドインしてきます。そしてノーケアで島を並べ続けると、まあまあ刺さります。

緑と赤の相手には、《サヴァイのトライオーム》→《繁殖池》で色マナを揃えていきましょう。これならばほとんど被害を受けずに済みます。

7.サイドボード後の戦い

いつもはサイドボーディングガイドを書くところですが、このデッキは8枚の力線に《神秘の論争》、《機を見た援軍》と、あまりにシンプルな構成なので、割愛します。

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《神聖の力線》はバーン、デスシャドウ、その他手札破壊デッキに対してサイドインします。

《虚空の力線》はドレッジが主で、《戦慄衆の秘儀術師》と《発掘》を採用しているような赤黒にも入れた方が良いでしょう。

このデッキはサイドボーディングよりも、相手のデッキがわかった状態のサイド後に、それに適したマリガンとゲームプランを実行できるかが重要となります。

青くない相手に対しては、《星界の騙し屋、ティボルト》の早期着地から盤面のコントロールというプランに変わりありません。どうやって勝つかは《星界の騙し屋、ティボルト》が何をめくるか次第ですが、除去→続唱→除去でほとんどのゲームに勝利できます。

原始のタイタン

アミュレットタイタンなど、除去で減速が難しく、速度が重要なマッチアップでは、マリガンをかなり厳しくしましょう。

2ターン目に《星界の騙し屋、ティボルト》が出せる初手をダブルマリガンまでは求めて良いです。6枚でキープするならば、《否定の力》が打てて、かつ3ターン目の続唱が確定、という手札のみキープに値します。

猿人の指導霊

一方、青いコントロール相手にはミッドレンジ対決を挑みましょう。

《霊気の疾風》や《天界の粛清》で《星界の騙し屋、ティボルト》が生き残り続けるのは難しいですが、場に出た《星界の騙し屋、ティボルト》がカードを追放してくれれば、アドバンテージ面では損をしません。

霊気の疾風

なので、この戦いでは相手がマナを立てている時に《星界の騙し屋、ティボルト》を出し、能力を使えないままに除去されてしまうという展開にならないようにゲームを進めるのが重要です。

こちらも大量のカウンターや《厚かましい借り手》で、相手への備えやエンド前の仕掛けがしっかりと用意されています。なのでじっくりとゲームを進めていきましょう。

厚かましい借り手

《霊気の疾風》は《星界の騙し屋、ティボルト》がデッキに戻るので、《天界の粛清》ほど悪くありません。食らっても何度も続唱で出し、そのたびに相手との手札の差を広げていけば良いのです。

青いデッキ相手にはとにかくミッドレンジ戦略です。早いターンの《星界の騙し屋、ティボルト》着地は考えません。

神秘の論争

もちろん、仕掛けられるタイミングがあれば行きましょう。たとえば《神秘の論争》を構えながら続唱が打てたり、相手のターンの後手1ターン目などは、仕掛け得です。

《否定の力》で打ち消されてしまうのはさほど問題ではなく、《天界の粛清》と《霊気の疾風》を打たれたときに、《星界の騙し屋、ティボルト》でアドバンテージが取れていないということが問題なのです。


8.おわりに

間違いなく、続唱ティボルトにはなんらかの規制が入ります。モードを持つ両面カードのルールに変更が加えられるかもしれませんし、《嘘の神、ヴァルキー》が禁止になるということもなくはないでしょう。

嘘の神、ヴァルキー

それぐらい、この続唱ティボルトというデッキは強力無比です。

コンボデッキに対しては打ち消しがあり、ミッドレンジには《星界の騙し屋、ティボルト》が無限にアドバンテージを稼ぎ、アグロにも大量の除去があります。

その上、1ターン目の《星界の騙し屋、ティボルト》という最高の回りも存在します。コントロールには本来備わっていない「強力なブン回り」が用意されているコントロール、それこそが続唱ティボルトなのです。

星界の騙し屋、ティボルト

このデッキが逆立ちしても勝てないと感じたのは、青黒ライブラリーアウトぐらいでした。ライブラリーアウトだけは絶対に無理だと思いました。2ゲームとも、《書庫の罠》→墓地に落ちた《嘘の神、ヴァルキー》に《外科的摘出》で1ターンキルされました(笑)

外科的摘出

続唱ティボルトが大流行している今、ライブラリーアウトがアツいかもしれませんね。

質問などがあれば、Twitter(@yuyan_mtg)で遠慮なくご連絡ください。
Twichには続唱ティボルトで配信したアーカイブが残っていますので、動きが気になる方はぜひそちらもご確認ください。(アーカイブはこちら

それではまた。

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