アートやスニーカーなど希少品に株式のように25ドル〜小口で投資できるアプリOtis調達。競合Rally Rd.との違い等【すたヲタ】
EVのムラカミ(@yu8muraka3)です。今週も海外スタートアップ2社調べました!
Otis - 希少品の投資アプリ
Otisは時計やバッグ、スニーカー、アートなどの希少品を株のようにし、小口で売買できるアプリです。
スニーカーやストリートウェアを株式のように売買するStockXというユニコーン企業がありますが、StockXと異なるのは「実物を売買しないこと」と「株式化されていること」です。
Otisのユーザーが売買するのは、実物ではなくあくまでその希少品の株式であり、その株式は会社と同じように10,000株のうちの25株のような取引ができます。
したがって、高すぎて買えないプレミア品の一部を所有するといったことが可能になります。(実際はスキーム的にユーザーがアセットを直接所有しているわけではない)
アセットの取得に関しては、Otisがデータを元に価値の上がりそうなものを選定して購入し、それを証券化して購入者を募ります。
アセットそのものの売却も投資家の意見は尊重するとしていますが、Otisが決定権を持っており、5-10年保有する方針とのこと。
また管理もすべてOtisが行い、保険や美術館などへの展示なども請け負います。
収益モデルとしては原則手数料で、Otisは対象のアセットに応じて0-10%の取引手数料を得る形で、もし展示することでキャッシュフローが発生した場合は、その都度持ち分に応じて分配されるようです。
今回シリーズAラウンドで、リードのMaveronやDreamers VCなどから1100万ドル調達しました。
設立:2018年
累計調達額:1430万ドル
出資者:Maveron, Union Square Ventures
競合
競合はRally Rd.というスタートアップです。
Rally Rd.も目指している未来はOtisと同様に、アートや記念品などの希少品を株式のように売買できるサービスを提供することです。
現在は、取っ掛かりとしてクラシックカーに特化して運営をしています。
収益モデルがOtisとは異なっています。
Robinhoodのように手数料は無料となっており、プレミアムなサービスを受けたい人向けのサブスクリプションを収益源にする予定です。
Rally Rd.も一年前にシリーズAの調達をし、進捗しているようです。
設立:2016年
累計調達額:990万ドル
出資者:Upfront Ventures
The Renewal Workshop - 廃棄アパレルの二次流通
The Renewal Workshop(以下、TRW)は、売れ残ったアパレル品や、汚れたり壊れてる不良品を引き取って、それを修理することで自社で再販しているECです。
H&Mのような大企業であれば古着回収リサイクルサービスを自社で持つことができますが、中小アパレルブランドが自社で持つのは容易ではありません。
そうしたエコ意識の強い中小アパレルブランドのリサイクルのアウトソーシングを担う存在として、TRWはチャンスを見出しています。ブランドとしても、廃棄になるものが収益を生むメリットがあります。
ただ再販の価格はそれほど下げるわけではないのが特徴。もともと小売価格79-89ドルの商品のパーカーはTRWでは69ドルで販売されています。
なので価格の優位性で勝負しているというより、海外では特に近年重視されるサステナビリティ、エシカルファッションの文脈で支持されています。
今回シリーズAで550万ドルを調達しました。
設立:2015年
累計調達額:860万ドル
出資者:VTF Capital, Social Impact Ventures NL
国内の市場環境
エシカルという文脈だとほぼ存在していなく、近しいところだとオフプライス市場になりますが、それも国内ではほとんどありません。
一方、米国ではブランドネームを付けたまま販売されているオフプライスストアがいくつもあり、市場全体で5兆円の規模があります。
日本に存在していないのは、正規の価格での流通が破綻、ブランド毀損することを恐れているのが理由とのこと。
ただ、ゼロではないのでいくつか日本の企業を取り上げておきます。
shoichi
こちらのshoichiという会社がアパレルの在庫処分ではシェア10%ほどを占めており、おそらく最大手です。ガイアの夜明けにも以前取り上げられていました。
彼らは売れ残った在庫を買取し、タグを切って安く販売するといったことをしています。アパレル以外も展開していますが、グループ全体で売上16億円ほどだそう。
アンドブリッジ
またちょうど先日、日経ビジネスにもこうしたアパレルの在庫処分に関するテーマで記事が上がっており、国内でも徐々に生まれてきています。
その中に取り上げられているこちらの「アンドブリッジ」という会社も、衣料品メーカーやセレクトショップから余剰在庫を仕入れ、値引きして販売しています。
shoichiと同様にブランド名を掲げず販売することで、ブランド毀損が起こらないようにしているのが特徴。ECもありますが、さいたまに300坪の実店舗も持っています。
スマセル
こちらはスタートアップの「スマセル」です。法人間で在庫の買取ができるB to Bのアパレルフリマサービスです。これまで安価で下取りしてもらうしかなかったところが、スマセルを利用することで30-99%の価格で買い取ってもらえるようです。
他にも近しい会社がいくつかありますが、まだ圧倒的なトップはいない市場です。
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今回も以上になります!
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