見出し画像

Y Combinator W2020 気になった15サービスまとめ&カンタン解説

East Venturesのムラカミです。
今回もYCの個人的に気になったサービスをメモ的にまとめました。

Twitter → @yu8muraka3

Glimpse - 2分だけビデオチャットを楽しむアプリ

画像1

Glimpseは、2分の時間制限で、1対1のビデオチャットを楽しむアプリです。

ルームを作って友だちとビデオチャットはもちろん、友だちが作ったルームにいる誰かとも話すこともできます。

「友だちが作ったルームにいる誰か」ということは、全くのアカの他人ではないので、丁度いいフィルタリングが効いて新しい友だちを作ることができます。

なにより、2分の時間制限がこのプロダクトのキモで、気軽に友人の近況が知れたり、ちょっとした暇つぶしのコミュニケーションに使えるというのがハマっているよう。

フォーマットは、初めに一方の人が30秒、次にもう一方の人が30秒話し、最後の1分でお互いに会話ができるという形式。

画像2

コロナウイルスの影響で学校が閉鎖された学生にニーズが高まっている背景もあってか、Product HuntやApp Storeのレビューに熱狂的なユーザーが多く、良さそうなプロダクトだなと思いました。

Stryve - 電話面接をリプレイスするショート面接動画

画像3

Stryveは、採用するときの電話面接や履歴書をショート面接動画でリプレイスしようとするサービスです。

具体的には、雇用したい会社があらかじめ質問をいくつか用意しておき、そこで働きたいユーザーは、その質問に回答しているショート動画をアップロードします。

画像4

わざわざ電話面接のスケジュールを調整したり、その日まで待つ必要がなく双方にとってメリットがあります。

さらに採用側は、スキマ時間に見ることができて効率的な上に、履歴書よりも判断材料が多くなります。

採用者は、通常年間65日面接に費やしていますが、それを削減できます。

Taiv - テレビCMを独自コンテンツに差し替えるサービス

画像5

Taivは、レストランなどにテレビが置いてありますが、あのテレビに流れるCMを独自コンテンツに差し替えられるサービスです。

通常はスポーツの試合やバラエティ番組の間に一般的なCMが流れますが、Taivのハードウェアを繋ぐと、そのCMを差し替えて、お店や商品のプロモーション、イベントの告知の動画を流すことができます。

画像6

技術的には、コマーシャルに入ったときにカラーバランスが突然変わることを検知して、CMを差し替えています。

テレビの25%がCMで構成されていて、ある店舗では売上が14%増加したところもあるそう。

ハードウェアや導入は無料で、差し替えたCMの数に応じて課金していくビジネスモデルで、大体月額数百ドルほどになります。

Eze - 中古スマホのB2B取引所

画像7

Ezeは、中古スマートフォンの卸売業者や携帯電話ショップ、再生業者のためのB2B取引所です。

通常、通信事業者に下取りされた中古のスマートフォンは、卸売業者にオークションで販売されていき、最終的に発展途上国の誰かの手に渡ることになります。

しかし現在は、中古スマートフォンの取引の多くがFacebookグループやチャットアプリで非公式に行われており、詐欺も横行している問題が存在。

そこでEzeが間に入りエスクローすることで、安全かつ透明性のある最適価格で取引できるようにします。

画像8

売りたい業者は、在庫・数量・価格などの条件で売り注文を出し、買いたい業者も数量や価格の条件を入力して買い注文を出し、合致すれば取引が成立します。

株式の取引みたいな感じです。

Karat - クリエイターのための銀行

画像9

Karatはクリエイターやインフルエンサーにお金を提供し、将来稼いだときにレベニューシェアで返済してもらうサービスです。

もし稼げなければ返済の必要はナシ。

クリエイターやインフルエンサーは、担保や資産、P/Lが必要な一般的な銀行からはお金を借りられません。

しかし、フォロワーがいれば収益化することは可能であり、そうした従来の金融サービスとのギャップを突いたのがKaratです。

フォロワーなどの人気から与信をしてお金を貸し出すと、平均45日で返済されるそう。

GuruHotel - ホテル版Shopify

画像10

GuruHotelは、ホテルの自社予約サイトを簡単に持てるサービスです。

小売業界においてAmazonに対して自社ECを簡単に持てるShopifyが台頭してきているように、ホテル業界におけるExpediaやBooking.comに対する選択肢がGuruHotelです。

ローンチから8か月で26のホテルが利用し、1か月で2万ドルの収益を上げています。

ビジネスモデルとしては、5%の予約手数料と引き換えに基本機能を提供するスタータープランと、手数料に加えて月額350〜499ドルでプロパティ管理ツールなどの他の機能が利用できるプレミアムプランがあります。

Duffl - 10分でデリバリーするサービス

画像11

Dufflは、お菓子や飲み物から歯ブラシまで、コンビニにあるような必需品を10分以内にデリバリーしてくれるサービスです。

大学生をターゲットにしていて、頻繁に購入された商品をキャンパスの近くに保管し、電動スクーターでそれらの商品をデリバリーします。

デリバリーする人は学生を雇っているみたいで、現在はUCLAとUSCの2大学で展開中。

収益は、配送料と仕入れるときに商品をまとめて購入することで安くなって発生した小売価格との差の利益によって稼いでいます。

ZeFi - 暗号通貨レンディング

画像12

ZeFiは、米ドルや暗号通貨を預け入れすると高利率の利子がつき、そのお金をZeFiカードで使えるというサービスです。

最大11.69%という金利を稼ぐことができるのですが、なぜ可能かというと裏側に理由があります。

画像13

Compoundのマーケット

ZeFiは、預け入れされた資産を米ドルに紐付いた暗号通貨(ステーブルコイン)に変換し、Compound(Ethereum上の分散型銀行)に預け入れします。

するとCompound上の借り手が借り、利子付きで返済されることで、預け入れしていた資産に利子が付きます。

その金利がCompound上では3-9%付くことで、最終的にユーザーにも高い利子で還元することが可能になります。(いまはUSDC(米ドルに紐付いた暗号通貨)の金利が0.43%とひどく低いですが、、)

つまりZeFi自体は貸し借りを行っていなく、Compoundプロトコルに乗ったインターフェースの役割です。

またCompound上の借り手は150%以上担保を預けているので、一定リスク対策もされているよう。預け入れした資産はいつでも引き出すことが可能。

Zelos - ゲームをプレイして賞品を獲得できるサービス

画像14

Zelosは、用意されたチャレンジ(1分間に3つのキルを記録するなど)をクリアするとポイントが稼げ、貯めたポイントと賞品を交換できるサービスです。

プレイするゲームは、Zelosが提携しているゲームになります。

ビジネスモデルは、特別な賞品を獲得できたりするプレミアムプランを5ドルで提供していて、現状はそれで収益を上げています。

クローズドβ版の間に、4万人のユーザー数を獲得し、毎週3万2千人のプレイヤーが使用するまでに成長したよう。

Pantheon - 学生向けコンテスト

画像15

BlitzBowlは、学生数学コンテストの「MathCounts」や学生科学コンテストの「Science Bowl」といった1年に1回しか開催されないコンテストをオンライン上で年中できるようにしようというサービスです。

仕組みとしては数学などのカテゴリーを選択して、出題される問題に誰が最も早く答えられるかをリアルタイムで競うというもの。

画像16

どう収益化するかなどは謎ですが、熱狂的なユーザーはいるようで、YCの多様性を感じられる面白いプロダクトです。

Adla - 無料で試着できるサービス

画像17

Adlaは、試着したい服が届いてその中から好きなものだけを購入できるサービスです。送料も返却も無料

まず、登録したらチャットで自分の好みやサイズを伝えたり、InstagramやGoogleで見つけた好きな服のURLを送ります。

すると好みからオススメの服をレコメンドしてくれ、その中で着たいと思ったものや送ったURLの服が届き、試着して気に入れば購入するという仕組み。

ビジネスモデルとしては、アイテムごとに7ドルのマークアップを請求するのと、顧客数を急成長させる必要があるブランドをレコメンドすることで、ブランド側から手数料を獲得しようという計画です。

Jamiphy - ミュージシャンのためのTikTok

画像18

Jamiphyは、ミュージシャンが短い音楽コンテンツを作成して投稿できるプラットフォームで、ミュージシャン向けTikTokです。

Jamiphyが提供するAIミュージシャンと一緒に音楽を作成することができるよう。

画像19

TikTokぽいインターフェースで、フィードもパーソナライズされます。

onetool - SaaSをまとめられるサービス

画像20

onetoolは、これだけ契約しておけばonetoolにあるSaaSをどれでも使えるサービスです。

いくつもSaaSを契約する必要がなく、毎月ツールを切り替えて試すこともできます。

SaaS事業者側は、コストをかけることなくユーザーと接点を持てるメリットがあり、ユーザー側は煩わしさから解放されるメリットがあります。

onetoolに課金する額に応じて毎月クレジットが付与され、それを消費してSaaSを使用します。

1人あたり月15ドル〜プランがあります。

Thunderpod - ソーシャルフィットネスアプリ

画像21

Thunderpodは、フィットネス版たまごっちと形容されるソーシャルフィットネスアプリです。

ユーザーは“Thunderpod”というアバターをアクティビティを達成していくことで育成します。

画像22

また、友だちが作ったチャレンジやユーザーが作ったチャレンジに参加して、競争してコインが獲得できる機能やダンスをしてエネルギースコアを競ったりします。

画像23

フィットネスにゲーミフィケーションを持ち込んでいる点がユニーク。

LegionFarm Group - プロeSportsプレイヤーと練習できるサービス

画像24

LegionFarmは、プロeSportsプレイヤーにコーチしてもらえるサービスです。

1時間単位で課金することができ、1時間1人のプロに教えてもらうと12ドルほどかかります。

FortniteやCoD: Modern Warfare 2019、League of Legendsなどのゲームに対応しており、プレイするゲームも選べます。

コーチはTwichなどでストリーミングはしていないが、実力のある人たちを集めており、7000人いる模様。

これまで30万回以上利用され、平均単価は1時間16ドル、収益の半分をLegionFarmが貰い、残り半分がコーチに渡すビジネスモデルです。

・・・

以上です!

ここに出てきた事業に近しいことしてるみたいな方いれば、お茶しましょう。

Twitter → @yu8muraka3

お茶しましょう〜 DM→@yu8muraka3