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今週の海外スタートアップ6社 - セルフストレージ市場をディスラプトする物置版Airbnb「Neighbor」等【すたヲタ】

East Venturesのムラカミ(@yu8muraka3)です。ひと月ぶりですが、すたヲタ再開します。

Neighbor - 物置版Airbnb

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物置版Airbnb『Neighbor』は、家の空いてるスペースを貸したいホストと、物を預けたい借り主をマッチングするマーケットプレイスです。

ホスト側としてはAirbnbやUberとは異なり、モノを置くスペースを提供するだけという手軽さでお金を稼ぐことができ、一部のホストは年間2.5万ドルを稼いでいます。

対して、借り手にとっては従来のセルフストレージに物を預けるよりも、平均して半額の低価格で利用することが出来るメリットがあります。

収益モデルは借り手から手数料15%を取る形で、今期の収益は前年比3倍に成長。

似たようなサービスのShareSpaceが最近クローズしたりと、屍も多い領域なだけにNeighborの行方が気になります。

今回シリーズAでAndreessen Horowitzをリードに1000万ドル調達しました。

累計調達額:1,270万ドル
出資者:Pelion Venture Partners, Andreessen Horowitz

国内の市場環境

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エリアリンク2018年12月期決算説明資料

日本のトランクルーム(ストレージ)の市場規模は、年10%のスピードで市場が拡大している成長市場で、トランクルーム特化型ファンド等が生まれています。

市場拡大の背景として、認知度が向上したことと、都心への人口流入が加速し、不動産価格が上昇&都心部への居住スペースが狭小化したことが考えられます。

また海外と比較すると、アメリカは1.76兆円の市場規模で普及率が10%であるのに対し、日本は1/40ほどの規模感で普及率も1%を切っており、まだまだ成長余地があります。

トップ企業

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キュラーズが業界トップですが、未上場で情報が少ないのでエリアリンクを参照します。

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エリアリンクのストレージ事業は毎年、売上高成長率10%近く、営業利益率も10%をキープしており安定的に成長しています。

2018年の業績も以下のようになっており、好調です。

2018年通期業績(ストレージ事業)
売上高:231億円(YoY+31.6%)
営業利益:28.3億円(YoY+10.2%)
営業利益率:12.2%

平均利用額は1.38万円〜1.52万円

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平均利用額も約1.5万円ほどとまずまずで、ユーザーの平均利用期間は3年3ヶ月と比較的長く利用されるサービスになっています。

日本にもNeighborに近いサービスの『モノオク』がありますが、月間GMVが前年比10倍と伸びているようです。

Spatial - AR版Zoom

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AR版Zoom『Spatial』はヘッドセットを付けることで、リモートの人とその場にいる臨場感で会話ができる3Dワークスペースサービスです。

AR上でドキュメントのシェアも直感的にできるようで、未来を感じるPVもワクワクします。

VR/ARのマーケットはMagic Leapが30億ドルを調達するなど加熱していますが、2019年のVRデバイスの販売台数は600万台と前年比で29%増とまだ爆発的な成長モードには入っていません。

今回Inovia Capital等をリードにシリーズAで1400万ドル調達しました。

累計調達額:2,230万ドル
出資者:Inovia Capital, Mark Pincus, Garret Camp

ProGuides - eSports学習プラットフォーム

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eSports学習プラットフォーム『ProGuides』は、プロeSportsプレイヤーによる動画レッスンが見れたり、プロのコーチと24時間いつでも対戦して個別指導を受けられるサービスです。

月額8ドルで利用でき、登録ユーザー数は100万人規模。

コーチ側も好きな時間にゲームを教えて月平均750ドル稼げるなど、従来のストリーミング配信以外の収益源として期待されています。

今回M13等をリードにシードで500万ドル調達しました。

累計調達額:690万ドル
出資者:Amplify.LA, M13

OpenPhone - 1台で複数電話番号を使えるアプリ

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Y Combinator出身の『OpenPhone』は、2台持ちや2つ目のSIMを使うことなく、1台で複数の電話番号を使えるアプリです。

主なターゲットとして従業員に仕事用の電話を配りたい中小企業や、プライベートと仕事を分けたいフリーランスを対象にしています。

特徴として
・モバイルファーストで使いやすいこと
・消費者向けのGoogle Voiceとは異なり、フリーダイヤルが使用可能
・電話を受け付ける営業時間を設定できる
等があります

1ユーザーあたり月額10ドル〜利用でき、同じ電話番号を他の会社のメンバーと共有し、代わりに電話対応してもらうことも出来るようです。

今回Slow Venturesをリードにシードで200万ドル調達しました。

累計調達額:210万ドル
出資者:Slow Ventures, Y Combinator

HeyMama - 働くママ向けのプレミアムSNS

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働くママ向けのプレミアムSNS『HeyMama』は、働く母親を対象にコミュニケーションや学びの場を提供する有料SNSサービスです。

2014年に設立された当初は、オンラインマガジン事業をやっていましたが、2017年に現在のプレミアムSNS事業にピボットしました。

会員の85%が口コミの紹介で流入しており、新規のユーザーが登録を申請すると、通過率85%の審査が人力で行われます。

月額35ドル、または年額349ドルで利用でき、数千人のユーザーを抱えています。

今回エンジェル投資家を中心にシードで200万ドル調達しました。

累計調達額:200万ドル

Legacy - 精子検査&凍結サービス

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精子検査&凍結サービス『Legacy』は、在宅でできるテストキットをユーザーの自宅へ送付し、採取された精子を検査・凍結して保存してくれるサービスです。

キットの初期費用は195ドルで、年間145ドルで精子を保存してくれます。

こうしたスタートアップが生まれている要因として、飲食物に入っている化学物質やライフスタイルの変化で、過去40年間で精子の数が4-50%減少したり質が低下し、妊娠を望むカップルの7組に1組が男性側の問題で不妊になっていることが挙げられます。

数でいうと、そうした問題に直面しているカップルは400万存在。

実際Legacyで発生する購入の半分はパートナーの女性によるものです。

またYC卒業生のネットワークを活かし、toBにも販売しています。

今回Y CombinatorとBain Capital Venturesをリードにした150万ドルのシード調達に加えて、同ラウンドで350万ドルを調達しました。

累計調達額:520万ドル
出資者:Y Combinator, Bain Capital Ventures

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以上です!

シード期の起業家、起業志望の方にお会いしたいので、DMください!
お茶しましょう。
DM→@yu8muraka3

お茶しましょう〜 DM→@yu8muraka3