2019/4/6 J1第6節 鹿島vs名古屋 レビュー

結果は2-1で勝利。スタメンはこちら。

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・鹿島の右サイドが破られた現象について
 まずビルドアップ時に数的優位を作り、鹿島の2トップ脇をCBの丸山(17)、中谷(20)、ボランチのシミッチ(8)らが狙ってきた。それによりハーフウェーラインを越えてきた。
 また長谷川(9)が中盤に降り、鹿島の2センタ―に対し、数的優位を作ろうとした。鹿島のボランチが人に食いついたことでスペース(ライン間)に顔を出し、中盤中でボールを保持することができていた。
 序盤から鹿島の右サイド(名古屋は左サイド深くから)からの侵入を許した。名古屋からすれば、鹿島の守備の特徴をついた攻撃だったと思う。
 左SHの和泉(29)が内側に入り、外のスペースを空ける。鹿島は「人」についていくので、右SB平戸が内に入った和泉につくので、高い位置をとった吉田(23)がフリーとなる。
レアンドロがついていき吉田に対応した場面もあったが、いつも戻れるわけでなく、平戸(SB)のところで2対1を作ってきたことが鹿島の右サイドを破られた理由だったと思う。
 18:14~では、左サイドでも似たような場面を作られており、右SHのシャビエル(10)が内に入り、安西がついていくが、安西の裏を宮原(6)に使われそうになった場面だった。

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・両チームのPT(守→攻)の狙い
 両チームともに両SBが高い位置をとる。守→攻の局面、カウンター時にはSBの空けたスペースを狙っているように見えた。
 鹿島は2トップの1枚がサイドに流れ、名古屋は特にシャビエルが残っていたときは、サイドからドリブルするシーンがあった。

・失点シーンについて
 この場面は、これも上記のように鹿島の特徴をついた名古屋の攻撃だったと思う。
FW-MF間で持ちボランチを引き付けた中谷(20)
→ライン間にはいった長谷川→中谷→シャビエルでゴール。
 このシーンも鹿島の守備上の問題であり、レオシルバが出ていったときにこのようにライン間、残ったボランチの脇を使われてしまう。この時土居は相手のSBを見ているが、土居もしくは永木が、レオシルバが出ていったのに対し、絞る、スペースをけすような守り方だったら防げた失点だったかもしれない。
 ただこれまで言ったように、鹿島は「人」を見るのが原則なので、「出ていった選手のところに絞る」守備と原則とは違うものであるので、現状の守り方の問題がでた失点だったといえる。

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・鹿島の攻撃の狙い、得点
 鹿島の攻撃時には狙い(おそらく)が感じられた。
名古屋のシャビエルだが、4-4-2のゾーン寄りの守備の1ピースを担っているというよりも、鹿島のSBを見る意識が強く、またあまり戻らずに前残りしているかサボっているシーンがあった。当然シャビエルほどの選手なら攻撃で力を出させたいのだが、その分シャビエルとシミッチ(前半途中から米本とポジションチェンジ)の間にスペースができていた。
前半にも、34:27~では、シミッチの外側で土居が受けている。この時もシャビエルはSBを見る立ち位置を取っており、間が空いていた。

 得点につながった、71:29~では、犬飼から、シミッチの裏でレオシルバが受け、ゴール前まで前進した。この場面ではシャビエルは前残りしているが、シャビエル側(鹿島の左サイド)からの侵入をしようという狙いがみえた。

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 またこの場面では、ビルドアップにおけるCBの立ち位置が良かったと思う。犬飼が三竿とのワンツーで、ライン間をとったが、CBが相手のFWの斜めにポジションをとっている。幅をとるので、リスクはあるが、パスコースをしっかり作る立ち位置でビルドアップできたことが得点につながったと思う。
 決勝点も、レオシルバが凄いのだが、これもシミッチの右外側を通過していったドリブルで、シャビエルのところをついたゴールだったと思う。シミッチの対人が強くないのもあったのかもしれない。

・おわりに
 読んでくださった方、ありがとうございました。
個人的には「いつもの鹿島のサッカー」+「名古屋対策」が見れたナイスゲームだったと思います。
 局面の分析が多かったですが、個人的に良かったのは、言及しましたが、選手のポジショニングです。頭に入っていたかわかりませんが、ビルドアップ時のCBだけでなく、全体として相手の斜めに立てていた印象です。
 攻撃では、崩すにはやはり、相手のファーストラインを越えるか、そこからの球出しが大事だと思います。要するにCBの能力がいかに大切かということ。
個人にフォーカスするのは得意ではないですが、犬飼は試合を重ねるにつれて余裕が感じられ、良さも出せるようになってきた。持っているものは高いと思っていて、これから化ける可能性がある選手だと、ひっそりと注目しています(もちろん他の選手も!)。

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