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キックボクシングを始めた頃の話③

この記事で僕のキックボクシングを始めた頃の話は完結です!

始めた頃の話どころか最後までこの記事で話してしまいました。笑

そしてキックボクシングを通して僕が学んだもの。得たものなどを書きました!
良かったら読んでくださいとは言いません。

※絶対最後まで読んでください。笑

家族からキックボクシングを続けるのは渋々許されたが試合に出るのは許されていなかった僕。

でも試合に出たい。
日頃の練習の成果をを試合で出してみたい。

初めての減量。

キックを始めて約2ヶ月が経った頃。
会長に『アマチュアの試合に出てみたら?』と勧められた。
正直、自分の中ではアマチュアと言えども試合に出るのは早いんじゃないかと思った。

少し悩みはしたが試合に出る事にした。
何故か、自分にめちゃくちゃ自信があった。
相手が誰でも絶対勝てるって。
あの頃は気持ち的に勢いがあったと思う。笑

ただ、家族には内緒でね🤫

試合出場を決め、すぐに初めての減量に入った。
減量への知識不足もあり、毎日ヘトヘト。
ひたすら食わずにひたすら動けばいいって考えでやっていたからだ。
そして最後はサウナで汗流して体重調整。
今考えればめちゃくちゃ下手くそな体重の落とし方だった。

普段よりご飯を食べなくなった僕を家族は怪しんでいたと思う。笑

そんな感じで、なんとか試合当日計量をクリアした。
そして、いよいよ初めてのアマチュア試合!

アマチュア試合初出場!

アマチュア試合はプロ試合の3分×3ラウンドに対し2分×2ラウンド。
それにヘッドギアや脛当てなど防具を付けての試合。グローブも大きい。

ドキドキしながら試合がくるのを待っていた。
なんでも初めては緊張する。と思っていた。
その緊張は毎試合味わう事になる。笑

やっと僕の試合の番が来た。
リングに上がり相手と向かい合う。その間で審判が何かを話してる。(ルール説明)
頭の中は殴り合う事ばかりでルール説明をよく聞いていない。笑

ルール説明が終わり各コーナーに一旦戻る。
試合のゴングが鳴らされた。
相手との距離を詰め試合開始。
試合はローキックでダウンを奪い僕の判定勝ち!
当たり前だが凄く嬉しかった!
何より勝った試合後はメチャクチャ気持ちがいい!

次のアマチュア試合も家族に内緒で出場した🤫その試合はパンチでダウンを奪い僕の判定勝ち!
これまた気持ちよくて嬉しかったぁ!

そして、またアマチュア試合出場に向け練習を開始した。

プロになるまでの話。

アマチュア3戦目に挑もうとしていた僕に会長からある話をされる。
次の試合はトーナメントに出場して、トーナメント優勝すればプロテストを受けずにプロになれるというものだった。
絶対に優勝してやると熱くなった!
この話を聞いたのがトーナメントの1ヶ月前のことだ。

トーナメント2週間前の練習ある日。
また、会長から話をされる。
トーナメント当日のプロ戦で怪我で出場できなくなった選手がいるらしく、その階級が僕と同じ階級。
その試合に代替え選手になってしまうがプロとして出ないか?

プロテストも受けてないのにこんなことあるのかと僕は思った。
話を聞くとアマチュアでの僕の試合を観てくれていたキック団体所属のいくつかのジムの会長や関係者の方々からの勧めでもあったらしい。

嬉しい話だが『プロテストは受けなくて大丈夫ですか?』と聞いた。
そしたら、『会長推薦してキック団体に認められればプロとして試合に出れる。』
そんな制度あったのかぁ🤭!!

僕はプロになった。笑

プロ選手としての初戦。

様々なことがあったがプロとしての初戦を迎える日が来た。
ただ、僕には少しだけ不安があった。
それは顎が痛く、口を開けるのも大変。
試合数日前の先輩プロ選手とのスパーリングで顎を痛めていた。
たぶんヒビが入ってそうと思っていた。

でも僕は試合に出た。
プロ初戦勝って、また気持ちよくリングを降りてやる。
不安よりもこの気持ちの方が大きかったからだ。

そして僕のプロ初めての試合が始まる。
相手は強豪ジムの選手で将来チャンピオンになる事を期待されている選手だ。
でも、そんな事は知らん。
リングに上がれば俺の方が強い。
と意気込んでいた。

試合開始とともに僕は相手に飛び込んでった。
1ラウンド終了時はこのラウンドは俺のラウンドだな。って心の中で思っていた。

問題は次のラウンドからだった。
痛めていた顎に右フックをもらってしまった。明らかに顎がおかしくなったのに気付いた。
ここから口の中が血だらけになり、呼吸するのも苦しくなった。
2ラウンド終了しインターバルへ。
次は最終ラウンド。

僕は試合続行した。
アドレナリンが出ていたせいか全く痛くないからだ。
今考えればそういう問題じゃないなとも思う。笑
最後まで戦い抜いて結果は判定へ。
判定は2-1の判定負け。
悔しかった。
キックで初めて負けた。
プロ初戦は白星で飾りたかった。
悔し過ぎて泣いてしまった。

リングドクターを嫌いになった話

試合に負け、リングを降りた。
泣いていた僕に皆んなは
『いい試合だったよ』
『観ているこっちが熱くなったよ』
『また次があるよ』
と声をかけてくれた。
それを聞いて更に泣く。

そんな僕のもとへリングドクターが寄ってきた。
さすがドクター。僕の顎の異変に気付いたのだろう。
『口を開けてみて。』と言われ出来る限り口を開けて中を見てもらった。
『歯が折れてるだけだね。』と言いリングドクターは去って行った。

僕は『そんな訳ねーだろっ!!』と思ったが言い返す気力もない。

顎を治す為に人生初の全身麻酔手術へ

観戦しに来てくれていた友達の車へ乗り込み、病院へ向かった。
口の中の血が止まらない。病院に着くまでコンビニのビニール袋に血を吐き続けていた。
病院に着く頃にはビニール袋の中は血でいっぱいだった。
病院に着きレントゲン検査を受けた。
結果は下顎骨二箇所骨折だった。
検査を終えて結果が出たと同時に病院から実家へ連絡。

僕はこの試合も家族に内緒で出ていた。
この日家族の誰もが僕が試合に出て顎を折ってるなんて思ってもいない。
突然、病院から『きくりん(本名)さんのお宅でしょうか?』と電話が来たとき家族は僕が死んだのかと思ったらしい。笑
今思えば笑える話だが当時の心境はそれどころじゃなかったと思う。

その後、家族にとんでもなく怒られると思ったがそんな事はなかった。お婆ちゃんは泣いていたが。

その日は針金のようなもので顎をガチガチに固定。その3日後に手術を受けた。
無事手術成功しその後は自宅安静の生活へ。

これでも懲りない僕は出来ることから始めキック生活へ戻る。
その1年半後に試合復帰し、連勝を飾る!
顎を折られたリングでも相手は違うが勝つことが出来た。
何よりも今度は僕に内緒で家族が試合に応援しに来てくれていた事が嬉しかった。

でも僕のキック生活はここまで。
大学卒業後は高校生の頃から目指していた消防へ道を進めた。

キックボクシングで得たもの

キックボクシングを通して僕は心身共に強く成長させることが出来た。
もうこれからの人生の中でこれ以上にきつい事はないだろう。
そう思えるほど、自分を追い込めた。

有難い事にキックボクシングを通して人脈も増えた。
会長や先輩プロの方々、後輩。そして家族に支えられてキックを続けることができた。

絶対に負けない気持ち。諦めない。
何度でも立ち上がってやる。
この気持ちが人生において1番大事だと思っている。

僕の場合は諦めが悪いだけかもしれないが。笑

人生において誰もが困難にぶち当たる。
その時、どう対応出来るか。
これで人生は変わってくる。

誰でも人生一回。
その一回をどう使うか。
どう使っても人生一回なら誇れる人生にしよう。