MHCID, User Experience

今年の1月2日からWinter Quarter(2学期目)の授業がはじまり、無事3月16日に終わりました。(ロサンゼルスでロックダウンが開始する数日前に学校が終わりました。)一言でWinter Quarterの感想を言うと「疲れ果てた」です。短期間でたくさんのプレゼンを作成しました。この記事では「User Experience」の授業について簡単にまとめたいと思っています。

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User Experienceの授業では、プロダクトやサービスのユーザビリティ(使い勝手)を様々な手法で評価しました。今回学んだ手法は1. Expert Evaluation、 2. Competitive Analysis、3. User Evaluation、でした。また、評価結果のレポートのまとめ方やプレゼン方法にも力を入れた授業でした。良いプレゼンやレポートを作成することに集中できたので、とてもよかったです。先生の密なフィードバックが私のスキルをぐんと伸びた気がします。

Expert Evaluation

Expert Evaluationではエキスパートとしてプロダクトやサービスの評価(デザインやユーザビリティを含む)の手法ふたつを学びました。ひとつはCognitive Walkthroughで、もうひとつはHeauristic Evaluationでした。

Cognitive Walkthrough

Cognitive Walkthroughとは評価するプロダクトやサービスのユーザー目線で、そのプロダクトやサービスのユーザーフローを一通り行って、デザインやユーザビリティの評価を行っていきます。メリットとしては、ユーザー目線でプロダクトやサービスを見直すことができるのでよりユーザーファーストに最適化できると感じました。ただ、自分たちが作成したプロダクトやサービスを自分たちでCognitive Walkthroughを行うと、慣れてしまっているので見落としてしまうことがありえます。なので、ターゲットユーザーに近い知人にWalkthroughを行ってもらわないといけないかもしれません。

Heuristic Evaluation

Heuristic Evaluationとは既存のheuristic(ヒューリスティック)principlesを使って、プロダクトやサービスの評価を行います。メインストリームなのは、Nielsen’sの10 Usability Heuristicsです。 10個のポイントでユーザビリティとデザインの評価を様々な角度から評価することができます。他のheuristicsと比べると、Nielsenの10個がよくバランスとれていると感じました。他には、Lund’s Usability MaximSchneiderman’s 8 Golden Rulesというのがあります。Lundは34のheuristicsは数が多い分具体的でいい評価ができると思うのですが、評価するのに時間がかかってしまうことがありえます。また、Schneidermanの8のheuristicsはユーザビリティにフォーカスされていて、デザイン観点の評価は衰えてしまいます。

私はGlassdoorのデスクトップページを新しいユーザー目線でheuristic evaluationを行いました。詳しいレポートはこちらから確認できます。

Competitive Analysis

Competitive Analysisとはプロダクトやサービスが似ている競合、ターゲットユーザーが似ているプロダクトやサービス、斬新なプロダクトやサービスなどと多数のプロダクトやサービスを評価して比較します。

私はUlta BeautyのeCommerceサイト目線のCompetitive Analysisを行いました。SephoraとMAC Cosmeticsが似ているサービスとターゲットユーザーとして評価しました。また、少し違うサービスだけどターゲットユーザーが似ているSoko GlamとKylie Cosmeticsも評価しました。一部のサービスが似ているサービスと一部のターゲットユーザーが似ているNordstromとCVS Pharmacyも評価しました。最後に、斬新なeCommerceサイトを提供しているHarry’sというプロダクトも評価しました。詳しいレポートはこちらから確認ができます。

User Evaluation

User Evaluationとはユーザビリティテストのことです。様々な方法でユーザビリティテストを行うことができるのですが、今回は1. Card Sort、 2. Quantitative Usability Testing、3. Qualitative Usability Testingの3つの手法でUlta BeautyのeCommerceサイトのユーザビリティテストを行いました。

Card Sort

Card SortとはプロダクトのInformation Architecture(情報アーキテクチャー)を設計や評価するために使われている手法です。ターゲットユーザーが重要としている情報は何か、カテゴリーはわかりやすいか、などを知ることができます。

今回のCard SortではOptimal Sortというサービスを使用して、遠隔でCard Sortのアクティビティをやっていただきました。被験者は私のSNSを使って、18人の被験者を集めることができました。オンラインで買い物をするときに、買い物する上でどういう情報が大事なのかという質問をしました。38個の項目を4つのグループ(1. とても重要、2. そこそこ重要、3. 重要ではない、4. 項目の意味がわからない)に分けてもらいました。38個の項目はUlta Beautyにすでにある情報とUlta Beautyにはないけど競合のサイトにあった情報で項目をピックアップしました。

Quantitative Usability Testing

Quantitative Usability Testing(定量的)とはユーザーが与えられたタスクをどのくらいの時間や何回のステップで成したか(成せないかった)を見ています。どういうところでつまずいているのか、何人のユーザーが同じ間違いを行ったのか、などを見ることもできます。

今回はLoop 11というサービスを使用して、遠隔でテストを行いました。被験者は私のSNSを使って、28人の被験者を集めることができました。3つのタスクを被験者にやっていただきました。商品をカートに入れるまでのユーザーフローのタスクを与えました。商品の検索と商品の情報収集についてのタスクでした。

オプションで被験者の画面や音声を録画・録音することができるのですが、テストを行ってくれるチャンスがぐんと減るので私は録画・録音せずに被験者が通ったページやクリックを見て分析しました。被験者にアンケートも答えていただける機能もあります。

Qualitative Usability Testing

Qualitative Usability Testing(定性的)とはユーザーが与えられたタスクをどういう気持ちや考えで成したか(成せなかった)を見ています。ユーザーが考えていることを言語化(声に出してもらったり、説明してもらったり)もらうことがQualitative Usability Testingで大事なポイントだと思っています。

今回はUserTesting.comというサービスを使用して、遠隔でテストを行いました。被験者はUserTesting.comを通して、3人の被験者を集めることができました。Quantitative Usability Testingで行った3つのタスクと追加でもうひとつのタスク(合計4つ)を被験者にやっていただきました。

Usertesting.comは被験者の画面と音声を録画・録音してくれて、タスクの上に質問もいくつでも聞くことができます。

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このようにUser Experienceの授業では、様々なリサーチ手法を使って既存のプロダクトを評価しました。とてもヘビーな授業でしたが、UXリサーチャーを目指している私としてはすべてのプロジェクトを楽しく分析することができました。


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