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ずたずたの大地に我ら去年今年( 長谷川 櫂)

 2021年から2022年へ—。
 世の中、というより日本、いや国際情勢はカオスの時代に入った。
 G7とは名ばかりの日本の立ち位置、皇室問題、デジタル時代。米中の対立、イデオロギーの衝突、コロナ…。
 表掲句は長谷川櫂さん(はせがわ・かい)の名句。去年今年(こぞことし)は新年の季語。大晦日が年を越し、一夜で年が改まること。
 長谷川さんは「激流に呑まるるごとく年は去る」と年末を詠み、年が改まると「ずたずたの大地に我ら去年今年」と「闘志」をみせた。
 長谷川さんの句は、厄介な局面の真っ直中にいる我々に「それでもどっこい生きようぜ」と檄を飛ばす。
 おつかれでした2021年、よろしくお願いします2022年。
 【長谷川櫂=はせがわ・かい】熊本県生まれ、東大法卒、読売新聞記者を経て俳句専業、平井照敏、飴山實に師事、「古志」創刊主宰、東海大特任教授、朝日俳壇選者、1954年(昭和29年)~。

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