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【第二夜】海と山の往復書簡 2022.10.08

怜生くんへ

海と山、どちらが大人でどちらが子どもか。
私たちの意見は今のところ違っていて、それが私にとってはとても興味深いことです。
人と意見を異にすることは、どちらかというと私が反射的に避けてしまうことではあるんだけど、
今回の違いはなんだかとても奥が深そうで面白く感じました。なんでだろうね。笑

ひとくちに「海」や「山」といっても、色々あるよね。
私は三国で育ったから、海といえば荒波が規則的な柱状節理に激しくぶつかって水飛沫をあげるものでしかありませんでした。
だから、初めて県外に出て神戸で暮らした時、波が穏やかで、点々とした島が常に向こう岸として見えていて水平線が一直線になることがない瀬戸内海を、大きい池か湖なんじゃないかと思ったくらい。笑
湘南の海に行って、ひたすらに引いていく薄い波がなす太平洋を見たときも、私が見ていた海は本当にごく一部だったことに気づきました。
山もそうかな? 私は秋の長野に何度か行って、初めて他の地域に恋に落ちた気分になったのだけど、秩父はどんな山なのかな。

先日、地元を同じくする友人と「いつか年をとったら山に住みたいと思うけど、山に住んでいる人はいつか海に住みたいと思うことがあるのかな」という話をしました。
私たちのイメージとしてはどうしても、海には開放的で賑やかな人種がたくさん住んでいる気がしてしまうので、静かに余生を過ごしたり自分の内面に深く向き合ったりという場面では、山を選びたくなってしまうんじゃないかなぁと思ってしまうのです。怜生くんはどう思う?

早く私もそちらに行って、自分の目や肌で秩父の山を感じてみたいな。

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