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本のこと|11ぴきのねこの 「人間らしさ」から学ぶ「今を生き抜く力」

「11ぴきのねこ」たちとの再会

馬場のぼるさんの絵本、11ぴきのねこシリーズをご存じでしょうか
私にとっては、子どものころ いつも近くにある大好きなシリーズでした

馬場のぼるさんの作品の中でも特に多くの人から長年にわたり愛され続けているこのシリーズ
「11ぴきのねこ」に始まり、11ぴきのねこを主人公にした6冊の本が制作されました

ねこたちと再会したのは、ここ 岩手に来てからです
岩手県と青森県の県境にほど近い、青森県三戸町で「道の駅さんのへ」に立ち寄った時のことでした

青森県三戸町は、馬場のぼるさんの出身地で「11ぴきのねこのまち」!

この道の駅では11ぴきのねこの絵本をはじめとして、11ぴきのねこグッズが豊富に取り揃えられています

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道の駅さんのへで思わず購入したねこのぬいぐるみポーチ
(白いはずの顔がちょっと汚れている...)


「人間くさい」 11ぴきのねこたち

このねこたち、本当に人間くさくて…

「花をとるな」という立札と見ては花を摘み
「橋をわたるな」という立札を見ては橋を渡り
ついには「入るな」と書いてある大きな袋に入って、ウヒアハという怪獣につかまってしまったり…(『11ぴきのねこ ふくろのなか』より)

「星のせかい」からきたへんなねこの「空とぶ ふね」を乗っ取ろうしたり…
でも、へんなねこの作戦にだまされて結局乗っ取れずに、魚まで持っていかれてしまう残念さ…(『11ぴきのねこと へんなねこ』より)

時にはちょっと意地悪だったり、ズルかったりするのに、なんだか憎めない11ぴきのねこたち
この魅力について『馬場のぼる 作品集』の中で、青森県立美術館学芸員の工藤健志さんが、ステキな表現をされていました

11ぴきのねこがそれぞれに様々な感情によって自由気ままに行動し、その集合体がまさに社会や集団の縮図となって、私たちに善と悪との二項対立では捉えることのできない世界の豊かなありようを伝えてくれます
現代は「よいこと」や「正しいこと」のみを尊重し、マイナス的な要素をすべて封じ込めてしまう、ちょっと息苦しい時代とも言えます。そんな時代だからこそ方々なねこたちの姿はより輝きを増し、「本来の人間らしさ」について考えさせてくれたり、「今を生き抜く力」を私たちに与えてくれるのではないでしょうか


漫画家としての馬場のぼる

馬場のぼるさんが戦後、人気漫画家として活躍していたことは現在ではあまり知られていません
わたしも前述の『馬場のぼる 作品集』を読んで初めて知りました
しかも、若かりし頃、同世代だった手塚治虫さんや他の若手漫画家と「東京児童漫画会」を結成していたそう…!

手塚治虫は『ぼくはマンガ家』(毎日ワンズ)の中で
「ぼくは、神田の集会場で馬場のぼる、福井英一両氏と初対面した。同年配の同業者で、東京と青森と大阪の人間が顔を合わせたのだ。運命のめぐり合わせがなければ、ぼくは医者で四国の無医村へ行き、馬場氏は青森の小学校で教頭にでもなり、福井氏は漫画映画の演出でもやっていたかもしれないのである。」と書いている。(『馬場のぼる 作品集』より)

大好きな作家さん同士に親交があったと知った時、なんだか感無量でした…

この本に掲載されているいくつかの漫画を読んで、気に入ったのが『鬼婆』という物語
一見物騒な題名ですが、ちょっと意地悪なおばあさん(鬼婆)と、おばあさんが食べようと(!)思って捕まえたイヌとの間に奇しくも絆がうまれてしまう、心温まるストーリーです

ここでも、いい面も悪い面も含めた「人間らしさ」を表現する馬場のぼるさん作品の魅力を感じます

青森の「11ぴきのねこ」愛がすごい…

ここで、青森の「11ぴきのねこ」愛を感じる情報を3つご紹介!

11ぴきのねこ仮装大会
三戸町商工会では11ぴきのねこ仮装大会を毎年開催しています
なかなか攻めている…

参加してみたい気もしつつ…
あのかわいさを出せる気が全然しないし…
やるなら全力でやりたいし…(でも恥ずかしいし)
どうせなら11ぴきでやりたいから、賛同してくれる「ねこ」があと10ぴき必要だし…🐈



青森県内郵便局 11ぴきのねこグッズ
三戸郵便局をはじめとした青森県内の郵便局では、これまで何度か11ぴきのねこグッズを販売しています

郵便物が減少する中、郵便局の役割(ビジネス)も変わってきているのだな…と感じます
なかなかステキな仕事するな…郵便局さん

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八戸郵便局で出会った 11ぴきのねこの皿(和食セット)
これで食事をするだけで、気持ちがほっこり


今年はOUTDOORとのコラボ商品が発売されていました!


え、郵便局長まで勤めてらっしゃる...かわいいな...



太子食品 11ぴきのねこ納豆
東北が誇る、大豆加工食品メーカー、11ぴきのねこ納豆を発売中
売り上げの一部は東北のこどもたちに寄付されるそうです

たまたま知り合った太子食品の方に教えていただいて、スーパーで探すも発見できず…
「私がいつも行くスーパーでは取り扱いが無いみたい…」と伝えたら、「あそこスーパーには置いてあるみたい!」と教えてもらったので早速行くと…

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無い…!売り切れてるやん…


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別の友人がスーパーで発見して写真を送ってくれました
かわいい…食べたい…きっとぜったいおいしい…

うまくビジネスにつなげている、という見方もあるのでしょうが、
青森県や三戸町の11ぴきのねこへの愛を感じます

子どものころから好きだった絵本と再会したことで、
子どものころには気づけなかった魅力に改めて気づくことができました


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