【特集】シンガーソングライター せりかな / Seri Kana

昨年、慶應義塾矢上キャンパスで行われた矢上祭に出演していただいたシンガーソングライターのせりかなさん。
青いギターがトレードマークの彼女。
幼い時から音楽をやっていたのかと思いきや、なんと3年前かららしい。
今回は、人生の選択というものを彼女からお聞きしてみたい。

-PROFILE-
せりかな(SERIKANA)
3月14日生 A型 福井県出身
青海色ギターがトレードマークのシンガーソングライター/アコギガール。キュートでキャッチーなポップスを歌う。
人間の幸せを再発見させる、ポジティブで聡明な歌詞が特徴的。筑波大学 人間学類 を卒業後、(株)リクルートを経て、
2013夏より音楽活動を始めるという、異例の経歴を持つ。
また、『島ガール』としての顔ももつ。第21代ミス椿の女王(伊豆大島観光大使)、
2代目東海汽船マスコットガール(伊豆諸島観光大使)としても活躍。
音楽以外にもCMやモデル、ラジオパーソナリティ、司会等でも活躍中(ディスコグラフィ参照)。

interview

ー去年(2015年)、矢上祭に出演していただきましたよね。いかがでしたか?その日のライブは?
天気予報には雨との予報が出ていまして、当日も雨だったんですよ。でも、私のステージの時はそんな天気が見事くもりに変わってくれまして無事に終えることができました!
結構天気には恵まれる方です笑 その日も絶対大丈夫だって思っていましたよ。
ー強運なんですね。
そうかもしれません。晴れ女です。
お客さんはいつもより天気の影響もあって、足数は少なかったことは間違いありませんが、それでも歌を聞いて立ち止まってくれた学生、家族連れの方の姿を見た時はとても嬉しかったです。
少しでも興味を持ってくれたことは非常にありがたいな~。

ーせりかなさんも大学生活を過ごされたと思うんですけれども、具体的に何をされていたのでしょう?
当時通っていた筑波大学人間学類では心理学や教育学を中心に勉強していました。
高校生の頃、夢がなくて、消去法で選んだ学部がこの学部だったんですよ。
ー中でもなぜ心理学や教育学を選んだ理由は?
テレビで放送されるニュースでいじめやストレス、鬱なんて言葉が話題になってた時でした。
そこで社会がギスギスしているような感じを受けたんですよね。
そんな社会、嫌じゃないですか。人の心を癒せるような人なりたいなと考えていたんだと思います。
ーその当時から歌は歌われていたんですか?
高校時代は美術を選択していた人なんです笑
音楽はまだ頭の片隅にもありませんでした。
そして通っていた高校が進学校だったので、まさかエンタテインメントの世界で生きて行く!なんて思いもしなかったし、考える時間さえなかったでしょうね。
当時は勉強するのが好きだったし、いい大学に入って、いい企業に入るのが普通だと思ってました。周りにそういった情報もなかったんですよ。
ーうちの大学に通う学生たちも同じような環境にいる人は少なくないと思います。
シンガーソングライターを目指すきっかけとはなんだったのですか?
2つあります。
1つは大学の時に入っていたバンドサークル。
もう1つは働いていた会社を辞めた後、お花屋さんで働いていた時、ふと感じる場面があったことです。
バンドサークルとは言っても私はオリジナル曲ではなく、コピーバンドで遊んでいた感じです。当時はサークルのボーカリストの中で一番、歌を歌うのが下手だったんです。
ーえっ!一番下手だったんですか?
はい笑
下手でした。上級生になっても。
下手なんですけど、音楽、歌を歌うことの楽しさみたいなのを知りました。今までの人生でやってきたことの中で、一番楽しかったんです。

ーこれは非常にいいきっかけですね。
ではもう一つのきっかけは?
大学を卒業して初めて入った会社がリクルートという企業なんですが、そこで広告商品の営業をしていた時。
その後退社してお花屋さんでアルバイトをしてた時の経験を通して、自分が商品にならないと100%の気持ちなんて伝えられないんだってわかったんです。
何かものを通すと、どうしても自分の想いが100%で届くなんてことはあり得ませんよね
ー勇気いりませんか?やっぱり会社を辞めるって。
来月からお給料もでませんし、福利厚生だってなくなるわけじゃないですか。
確かにそれは間違いありません。でも、企業勤務の安定や、ほぼ約束された出世…私にとって一見これらは安心をもたらしてくれるように見えるんですけど今ここに留まっていたら 何もせずに終わってしまうのか、
これを考えた時、留まる方がよっぽど怖かったんです
会社員の時に、手を抜かず一生懸命に取り組んだことが、その後の私の選択に生きているように思います。私の仕事は広告営業だったので、飲食店さんに営業をして広告を売ってくるというものでした。
広告は売れ、営業成績は部内トップクラスだったんですけど、飲食店に来店するお客さんはあまり増えなかったお店もあったんですよね。
入社2年目(2010年)に事業表彰も受賞したんですよ。
でも、お客さん(飲食店)はぜんぜん喜んでない。
この呵責がすごく嫌でした。
これ以上ないほど、仕事に対して取り組んでいたのに、その結果生まれた現実に全然納得できなかった。
ただ、この会社員時代に、多くのことを学び、この先何だってやっていけるという自信や大切な同志を得られました。
だからこそ、疑問や納得できないことを押し殺して生きる人生なんてもったいないし意味がないなと、そう考えられるようになり、退社、独立の道を選びました。
ーなるほど。仕事に一生懸命だからこそ、至った呵責かもしれませんね。
では歌はいつから歌われていたのですか?
2011年の夏まで会社員をしていたので、2012年の春ですね。
東京の音楽学校に入りまして作詞、作曲、ギターを始めました。
ーすごい!空白の半年間は何を?
花屋さんを中心にいろいろな仕事をしていました。結局辞めてしまったからとりあえず生計を立てなきゃいけないじゃないですか。まだそのときは芸術を仕事にするなんて頭になかったです。
ーここから急展開のようですね。
この期間に経験した仕事が全部しっくりこなかったんです。
悩んで悩んだ末に、吹っ切れました。
「生計が立つかどうかで仕事を選んでいてはダメだ。
人生一回だよ、なんとかなるでしょ。」って。
そのとき思い出したのが歌なんです。
大学時代にバンドを組んで歌ってたときはすごい楽しかったなって。
自分も楽しかったし、見てくれている人も楽しそうだったんですよ。
じゃあ、歌手やろうって思いました笑
ー自分がやりたいことに気づかれたんですね!
そうです。自分が商品になれば直接、みなさんに思いを100パーセント伝えることができるし、
影響力を持てたら、「この店いいじゃん。」って一言いってあげたほうが広告より何倍もいいんじゃないかって思いました笑。
ーそんなご経験があったのですね。

ー活動から2年と半年が過ぎましたね。今の心境を教えてください。
思ったより早く成長できています!
当初は歌もギターもできない状態だったのに、まさか2年後にCMのタイアップ、テレビ、学園祭に出ているし、有名な方とも一緒にライブをしたりするなんて。考えられません。
ーそれも多分意思の強さあってのことでしょう。
無茶苦茶な目標についていってはいますね笑
スタートが遅かったので30歳までにはブレイクしたい、そのためには29歳でメジャーデビューしなくちゃならない。。などと考えています。
不思議ですね。
本当に一生懸命になってやっていると想いが実現となっていくんです。
ー初めの頃はストリートライブもされていたんですよね。
2013年秋のことですね。
ー普段の道で通行人に向けて歌を歌うって、抵抗はありませんでしたか?
立っちゃえばなんとかなりますよ笑
私、すごい度胸だけはあるんです笑
もうほんと歌を始めたばかりの頃は何をしたらいいのか、何から始めたらいいのかわからない状態でした。
だから、思いつく限り、いろいろなことをしましたね。
その活動の一つが路上ライブだったと思います。今はもうしていませんが、この活動も非常に力をつけるのに役立ったし、いろいろな人に出会ってアドバイスもいただきました。
初めての音楽業界で、またフリーの活動と、わからないことだらけだったので、今に至るまで全部、人から教えていただきました。
頑張っている中で出会う人に助けられてきました!
ーせりかなさんが使用されている青いギターには何か思い入れがあるのでしょうか?
自然が好きで。海と空が好きなんで、青いギターいいかなと。
ギターを始める際に自分を表すのにぴったりだと思いまして!
青いギターの人って覚えられてくださればそれでも嬉しいですね。
ー心理学的には青色は真面目な方が多いみたいです。せりかなさんはいかがですか?
クソ真面目だと思います。笑
自分で決めたことに関してはそれを達成しなければ納得できない性格です。

ーここからはプライベートな部分をお聞きしていこうと思います。
夏が好きとのことですが、まだまだ寒い日は続きそうですね。
苦手な寒い冬はどう過ごしていますか?
一年の中で唯一、インドアになる時期です。
冬眠したいですね笑
室内で練習したり、本を読んだりする時間が増えます。
ーどんな本を読んだりすることが多いのですか?
詩集だったり、エッセイだったり。楽曲を発表するのに役立つ本が多いかもしれません。
最近は精神世界の本も多く読みます。友達に薦められたのがきっかけです。
今「神との対話」という本をちょうど読み終えたところです。
ーご兄弟っていらっしゃるんですか?
はい、私は長女です。弟と妹がいて小さい時からいつも一緒に遊んでいます!
特に弟がいるせいか男の子の遊びを知りました。
山や川で虫を採ったり、植物を見たり、自然の中を走り回っていましたね。
ーそういった環境で育ったことも、自然が好きな理由なのでしょうか?
間違いなくそうです!
小さい時の環境には感謝しているし、子どもを育てるなら緑の中で、地域の中でのびのび遊ばせてあげたいと思いますよ。
特に今、都会の生活をしているので、改めて意識することは多いですよね。
ー誕生日が3/14のホワイトデーなんですね!
いろいろなエピソードがありそうな予感。
これまでの人生の中で誕生日の甘酸っぱいエピソードを教えていただけますか?
小さい時はこの誕生日が嫌いでした笑
もうほんと誕生日プレゼントはお菓子ばっかりなんですよ。
友達の誕生日にはかわいい文房具を贈ったりしているのに、私のプレゼントは常に食べ物!
「私にも、かわいい文房具くれよ!」って思ってました笑
ーそうですよね。損しているような気が。
毎回なりますよ笑
今は人に覚えてもらえる誕生日なので良かったと思えるようになりました!

ー最後に、見ている学生にメッセージをお願いします!
私からは2つ話したいなと。
一つ目は将来、皆さんと一緒に良い社会をつくっていきたいと考えている、ということ。
歌手という今の仕事は小さいころからなりたいと思って始めたわけではなく、何かのために歌を歌いたいと思って始めました。
自分が今問題意識を強く持っている環境問題だったり、地域活性だったり、恵まれない子供たちの支援などに自分の活動が役立てばと考えています。
特に慶應の学生は日本の将来を担っていく方がたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
その中で何かご一緒に活動させていただきまして、音楽という側面から貢献できたらいいな、と思います。
私自身、皆さんを巻き込みたいし、また巻き込まれたい気持ちがあります。
二つ目は何を選ぶかというより、何を感じるかが大切だということ。
皆さんはこれからの人生において選択することが多くなっていくと思われます。
ぜひそこで、自分の本音、自分が心から喜ぶことに従ってみることをオススメします。
そこには地位とか、名声とか、お金とか関係ありません。
私もトップ営業をしていた頃を思い返すと充実していたのは間違いないですが、自分自身をマインドコントロールしてました。笑
私にとっては今の方が100倍楽しいですし、楽しくやっていると、周りが付いてきてくれます。
それがベストだと思うんです。
なんて私が話しても、自ら経験しないと実感として深く感じられないと思うので、、皆様がいろんなことを経験し、その時に感じることから目を背けず、表面的な良さにとらわれず、自分という道を心から楽しめる人生を歩いていけるよう応援しております。
迷う時は私の想いを込めた楽曲たちを聴いてみてね。
”いつだって、そばにいます❤️”
長いこと読んでくれてありがとう!

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是非このリンク先でライブスケジュールなどチェックして、遊びに来てもらえると嬉しいです☆

取材:編集 高橋祐貴

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