スティッフパーソン症候群とは①

スティッフパーソンシンドローム(stiff person syndrome)という難病をご存知でしょうか?
大変珍しい難病で、スティッフパーソン症候群は、脳と脊髄(中枢神経系)にまつわる病気であり、 脳から脊髄を通り筋肉へ命令がうまく働かないため、体の筋肉に力が入ったまま となり、歩行など日常の動作に支障を来すほか、けいれん、こわばり(強直)が 出ることもある病気です
先日担当してた患者様が30歳という若さで「スティッフパーソンシンドローム」になりました
その時の経緯と現在の状況をお伝えしたいと思います!なぜなら、この病気は症例が本当に少なく大変珍しい難病のため医師も大変困っているし患者様のための情報が少ないからです!
また、担当してる患者様(Tさんと呼びます)の意見も頂き今後ブログで同じ病気で苦しむ方の少しでも役立てる情報であればと思い発信させて頂きます

・ことの発端…
出会いは約3年前
訪問での鍼灸施術を希望で伺いました
電話で「歩行が困難なのできてもらえますか?」
大変辛そうな声だったので急いで向かいました
30歳男性1型糖尿病を患っており過去に腰椎椎間板ヘルニアの手術をしその後自宅へ帰宅
なかなかしびれや足のこわばりが取れず、大学病院とペインクリニックで診てもらったが原因が不明
自宅で仕事をしていたが日に日に痛みが増したり、筋肉の反射が強く出るし日常生活を送れるどころか徒歩5分ほどのコンビニへ行くのも歩行器が必要になるレベル
薬もあまり効果を望めなかったため、鍼灸施術を希望との事でした
これが一番初めのTさんとの出会いです


・パニック発作のような症状
スティッフパーソンシンドローム(SPS)は以下の症状が出るとのこと
①筋肉が急につるような痛み
②時間関係なくいつでもどこでも出る
③パニック発作の症状が出る
④不安型の症状(場所が広すぎて立てるか不安、1人になるのが怖い、手スリを探す、息苦しさ、冷や汗)
⑤全身の筋肉の硬直、体幹周りの筋肉硬直と肥大


・どのような人がSPSになりやすいか(以下MSDマニュアル引用)https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0/09-%E8%84%B3%E3%80%81%E8%84%8A%E9%AB%84%E3%80%81%E6%9C%AB%E6%A2%A2%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E6%9C%AB%E6%A2%A2%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E7%96%BE%E6%82%A3/%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%83%E3%83%95%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%BD%E3%83%B3%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4

スティッフパーソン症候群は女性に多くみられ、しばしば1型糖尿病、特定の自己免疫疾患( 甲状腺炎など)、または特定のがん(乳がん[最多]、肺がん、腎臓がん、甲状腺がん、結腸がん、 ホジキンリンパ腫など)がある人に起こります。
スティッフパーソン症候群の原因は、 自己免疫反応(体が自分の組織を攻撃する抗体を作る反応)であると考えられています。スティッフパーソン症候群では、筋肉の運動を制御する脊髄の神経細胞が、これらの抗体によって攻撃されます。スティッフパーソン症候群の人のほとんどに、グルタミン酸脱炭酸酵素という酵素を攻撃する抗体がみられます。この酵素は、神経が筋肉を過剰に刺激するのを防ぐ化学伝達物質(神経伝達物質)の生産に関与しています。この酵素の生産量が少なくなると、神経が筋肉を過剰に刺激するようになり、筋肉が硬くこわばります。
スティッフパーソン症候群はときに原因不明の場合もあります。

・治療方法は?
(以下MSDマニュアル引用)
ジアゼパム(鎮静薬)または筋肉を弛緩させるその他の薬
免疫グロブリン製剤
ときにコルチコステロイド
ときにリツキシマブまたは血漿交換
スティッフパーソン症候群の治療では、症状の緩和に重点が置かれます。鎮静薬のジアゼパムで、ほぼ確実に筋肉のこわばりを和らげることができます。ジアゼパムで効果がなければ、バクロフェン(筋弛緩薬)などその他の薬剤が試されることがあります。
免疫グロブリン製剤(複数のドナーから採取した多くの様々な抗体を含む溶液)が最大1年間にわたって症状の緩和に役立つことがあります。

・スティッフパーソンシンドローム発見までの経緯
僕が施術を担当して約2年半、ほぼ自宅を歩くのがやっとだったTさんは少しずつ体調を回復してました
歩行器は必須でしたが、痛みは減り筋肉の強張りと反射はかなり軽減していました
ここまでは、医師もまだ坐骨神経痛のひどいバージョンだと勘違いしてたようです
Tさんは、腰椎椎間板ヘルニアの術後経過があまり良くなかった、という経緯がありました
ここで考えられるのは、手術がミスだったのではないか!?という事…それくらい思いたくなりそうなほど当時は身体の状態がTさんは酷くよくなかったのです
寝返りがそもそも反動をつけないと出来ないほど状態は良くなかったです
初診は、1型糖尿病も患っていましたので痩せているのかなと思ってましたがかなり骨格と体型はしっかりしてました
そして、背部、腰部、腹部、大腿四頭筋、前脛骨筋を中心に筋肉がかなり硬さと筋肉の発達を強く感じました(恐らくこの頃にはすでにSPSになっていたのだと思います)
重度のギックリ腰の方を見てるような気持ちで最初の施術をさせて頂きました

特に目立ったのが腹部の筋肉緊張
恐らくSPSの方は特徴的な筋肉緊張をしていると思われます。(個人的見解です科学的根拠等ありません)
疲労などで使われた筋肉緊張や肩こりなどの慢性的筋肉緊張とは少し変わった印象があります

初回は症状が重かったので腹部の筋肉緊張を念入りにとることしかできませんでした。
ですので、次回にまた経過を見ることにしました
2回目施術させて頂けることになり、伺うと腹部の筋肉緊張が取れたのか「とても呼吸が楽になってよく寝られた、久しぶりに寝れました」と嬉しいお言葉を頂けました
恐らく、腹部の筋肉緊張が呼吸に関わる筋肉にまで緊張させていたのだと思います、それが取れたから呼吸が楽になりリラックスできたのかも知れません(ちなみに施術中も筋肉が突然硬直を起こすような筋肉反射は常にありました)

この時、かなりストレスを抱えていたようで顔色も大変良くなかった印象を持っています
しばらく週一回のペースで継続的に施術することになりました
※長くなるので次回続く

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