インフラ老朽化・徳島県の取り組み-3-

③徳島県の取り組み


那賀川に架かる出合橋は、1954年に完成した橋長137メートルのトラス橋。黄色い橋として親しまれてきたが、老朽化などの理由から使われなくなった。
県は、役割を終えた「リタイアインフラ」を活用し、さまざまな取り組みを行っている。

〇町のにぎわいづくりの場として
出合橋はダム湖にかかる橋で、橋からの眺めも美しい。
2021年には、紅葉を眺めながら特産品とコーヒーが楽しめる「橋上(きょうじょう)カフェ」や、アート作品が展示される「橋上美術館」が開かれた。

〇「実橋実験フィールド」として
徳島大学と、官学連携で活用を進めた。
南海トラフ巨大地震の発災時に、効率的な初動体制につながるよう、橋の被害状況を早期に推定できるシステムの開発を目指すというものである。
地震計・振動計を用いて、橋の振動を計測し、データを集めた。
このデータを用いて、地震時の挙動を再現するモデルを構築し、地震動による橋の応答について解析・シミュレーションを行うことにより、被害推定を行うことができるようになる。
交通や時間の制約を受けない実験フィールドとして、出合橋の価値は大きいと考えられる。
リタイアインフラを有効に活用して、技術開発に生かしたいものだ。

https://www.hido.or.jp/14gyousei_backnumber/2022data/2208/2208chiiki-tokushima_pref.pdf


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