『夜の帳』

夜の帳がおりる頃
その際(きわ)に絡みつくきみの吐息

しっとりと忍び込む
露を含んだ宵の匂い

宙(そら)を宿す眼差しが
熱を帯びて見つめている

紡がれた濃紺のビロード
薄く織られて波打つヴェール

それは絹の光沢を放ちながら
やわらかい素肌に纏う衣(きぬ)が如
夜の帳

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