『扉』

扉を開けば、そこには闇の粒

そのひと粒ひと粒が流れてこぼれ落ち
弾けた先に広がって行く様を見ていた

果てのない闇

生まれ落ちた闇は
しかし、闇の中では姿も見えず

かと言って、消えもせず
ただ、そこに佇む気配だけ

その気配の強さとは裏腹に
闇色は扉の奥へと消えた

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