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【マガジン】 ☆キミと自分 ① ② ③ ④ * ☆君と自分S ① ② ③ ④ …
〘 裏面 〙 コトコト走る列車の揺れが心地好い眠りを誘(いざな)い、数十年ぶりの友…
カタン──。 郵便物の音で、志藤は微睡みから連れ戻された。 「夢か……」 一人息子…
3月──。 ぼくを見つけた彼女が遠くから手を振った。待ち人来たる……と信じ…
ふたりで買い物をしてしばらく後の朝。 身支度を整えたイメミが桐吾(とうご)を…
まるで、これが合図であるかのようだった。 イメミの脳裏には、これまで不思議…
扉に背を預けて座り込んだイメミは、しばらく動けずにいた。 ふと、胸に抱えていた本の存在を思い出すと、今しがた見た光景が脳裏に甦って来る。 『今』が現実味を帯びるのを感じながら、表紙に目を落とし、そっと指先でなでた。 * 書庫の奥に、桐吾(とうご)は確かにいた。 出窓に腰かけ、脚の上に開いた分厚い本の世界に、まるで己を漂わせているかのような桐吾が。 逆光で縁取られた影は窓側の片膝を立てており、そこに肘をついてかき上げた髪ごと頭部を支えている
※注)四話完結ですが、一話が長いです。(予告注意w) 「夢を見ることが夢なんだ」…
いつか返そうと思っていた人が、いつかの内に、いつの間にか自分の傍からいなくな…
春、まだ淡き日。 私の心を根こそぎ奪って(とって)行った女(ひと)の残り香と遭…
彼女たちの後をつけ、ぼくは地下鉄に乗り込んだ。ストーカーも真っ青な行ないである…
(……生きてる……?) 薄っすらと目を開けた曽野木(そのぎ)は、見覚えのある天井…
「この世に生を受けたからには、致死率は100パーセント。例え長かろうと短かろうとも…
まるで、角砂糖のような恋だった。 そう──角砂糖のような、という表現が相応しい、と思っている。 思い浮かべるのは、甘さ、だからなのだろうか。 そのまま含めば、ただ甘く、水に溶かしても、なお甘い。溶け込むその姿は、揺らめく陽炎のようでしかなくとも、確かに存在していることを何より舌で感じる。 では、コーヒーなら? ほんの少しの姿さえ見えなくなる。けれど──。 そこに、いる。 水の中と違って、揺らめきほどにも見えない。 けれども、い