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壁の外。

「こいつには無理。これ以上任せられない。」

壁の中ではそこそこエースだと自負してた。

壁の外にはどんな強い奴らが居るのか?
その中で自分はどこまでやっていけるのか?

こんなことを考えていた1年前。

そして壁の外へ出た。

そこで初めて経験した。
ハシゴを外される経験。

よく転職理由を聞かれる。

そこでは成し遂げたいことや、当社への意思決定の理由をつらつらと説明する。

でも本音は違う。

壁の外を見たかっただけ。

壁の中で
壁の中しか知らない人になりたくなかっただけ。

若い、自分よりも可能性を高く感じるエース予備軍に負ける将来は嫌だった。


壁の外は楽園ではなく戦乱だった。

戦乱をくぐり抜けてき強い奴らがウジャウジャいた。

今の自分がどうあがいても勝てない強者たち。

「こいつには無理。これ以上任せられない。」



この言葉、一生忘れない。

そして、この言葉のあと、何も言い返せなかった自分、後世でも忘れない。


壁の中は誰かに与えられた環境だった。

壁の外は誰にも与えられない環境。
だから取りに行くしかない。

本当にシンプルな原理だが、
その環境に置かれなければ気づけなかった。

そしてそんなヤツらはこの業界に五万といる。

与えられない環境で生き抜くこと、
これがベンチャースピリッツ。

少年よ、大志を抱け、とはよく言ったもの。

Boys be ambitious.

少年よ、勇敢であれ。


この言葉の方が戦乱には合う。

今の自分がどうあがいても勝てない強者たちに、自分がなる想像をするとワクワクする。

そのとき壁の中から出てきたヤツらは言うだろう。
今の自分ではどうあがいても勝てないと。

こんな自分に1日でも早くなりたい。

第32節 戦乱のベンチャー記。


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