マリオメーカー2の公式ステージを分析してみた
井ドと申します。初めてこのようなものを書くので、見づらいなどありましたらご教授ください。
はじめに
本Noteでは『スーパーマリオメーカー2』に収録されている公式が作成したコース、「坂道こえてゴールを目指せ!」について自分なりに気づいたことをまとめていきます。拙い知識での解説になるため、コメントなどを反映して適宜追加・修正を行うつもりです。
文章量が多い上に(8000字くらい)とりとめのない文章ですので、適当に読み飛ばしながらがちょうどいいと思います。一応まとめの項も用意しましたがあまりアテにしない方がいいです。
解説
①スタート地点
このコースのすごさ、お分かりいただけたでしょうか…
本コースでスタート地点が果たしている役割は、
・坂すべりのチュートリアル
・プレイヤーの心を掴むこと
の2つです。動画ではプレイヤーが"自然と"、"気持ちよく"坂をすべり落ちていることが見て取れます。
クリボーをタンタンタン…と倒していって1UP、王道の楽しい展開です。
細かいところですがヒップドロップする位置の坂が急峻になっていって加速がつきやすいのも良いですね。
ではなぜ自然と坂をすべり落ちることができたのか。そこにはコインと矢印と、この野原にはあまりにも不釣り合いなキラー砲台が関わってきます。
コインと矢印による誘導は説明するまでもないですね。
キラー砲台の配置にはなんと3つも意味があって、マリオがクリボーを飛び越えないように壁になりつつ、キノコを完璧なタイミングで、かつ走りを止めさせないようにマリオに与えています。
1つめですが、コインでジャンプを誘導しているから、壁を置かないと飛び降りてしまう人がいるかもしれない、ということです。矢印はありますがあまり強制力がないので、飛び越えづらい壁を置いてマイルドに強制力を高めています。
2つめは動画を見ていただくとわかりますが、キノコを取った際のストップエフェクトとジャンプ踏切のタイミングを合わせています。右ダッシュ入れっぱなしのプレイヤーに思考猶予を与えているんですね。
あと、ここでキノコをあげておかないと、坂すべりができなかったプレイヤーが8体のクリボーに囲まれてしまうという問題もあります。ブロックからあげてもいいですが、そうすると最初のテンポの良さが失われてしまいます。
なんであえて坂すべりじゃなくてヒップドロップをさせているかですが、
・坂すべりよりヒップドロップの方が操作が直感的だから
・そっちの方が緩急があって気持ちがいいから
という2つの理由が思いつきました。
まず前者。「坂で下ボタンを押したらすべるよ!」より「空中で下ボタンを押したら急降下するよ!」の方が納得感がありませんか?どっちも同じようなもんじゃろまあこれに関してはあまり自信がありません。
次に後者。コースの掴みということもあってか、緩急に関しては強く意識してそうです。
緩:キノコを取って画面ストップ
急:ダッシュジャンプ!
緩:ヒップドロップで一瞬滞空
急:クリボーを掃討!
とキレイな波になっています。一般プレイヤーにもこれくらい華麗に作るのを期待しているのでしょうか。無理だが??
②最初のハテナブロック付近
ハテナブロックの間に怪しいすき間が…というお約束ですね。逆に隠しブロックがないのにすき間を空けて配置しすぎないように注意!
さて、隠しブロックがコインだけ、そんなわけがありません。周りを探索してみると…
…そう、コインが見えてきます。これ、ブロックの上で大ジャンプしないと見えない位置にあるんですね。プレイヤーがブロックの上でぴょこぴょこ跳ねるのを想定した作りになっているわけです。画面の使い方がおじょうず。
という隠し要素でした。匂わせがうまい。10コインが左にあるのも探索してる感があっていいですね。
そしてここでもヒップドロップしてねと言わんばかりのコイン配置。
さて、寄り道を先に紹介してしまいましたが、ふつうに進むにしてもちゃんと考えられています。
ご存知の方が多いと思いますが、でかクリボーは踏むと分裂してしまいます。でも坂すべりでは一撃!
さっきは言われるがままに坂をすべってクリボーを倒していたけれど、今回は自分の意思ですべって攻略したわけです。偉大なる一歩。
ちなみに、さっきの隠しエリアからヒップドロップするとでかクリボーの真上に落ちたりもします。でかクリボーが一度画面外に行く必要があるので上手くいかない場合もありますが、せっかくならそういう調整の方がいいですよね!
余談ですが、ツタを登った先の隠しエリアには他の方法で行くこともできます。
ということでキラー砲台がある3つめの理由でした。さっきのキラー砲台地形が"乗れない"じゃなくて"乗りにくい"だったのはこういうわけです。ちょっとしたズルがあるとワクワクしますよね!
③タワークリボーから中間地点まで
土管をジャンプすることで場面が切り替わることを暗に示すのも上手いですし、花のあたりでジャンプするとコインがいい感じに取れて土管が飛び越えられるのも配慮が行き届いてますね。これぞスタンダード。
そしてやってくるのは3段クリボー。しかし恐るるに足りません。
ちょうど空いてたブロックのすき間でヒップドロップ!爽快ですね。
言うまでもないかもしれませんが、ここでヒップドロップしたのもすべて計算ずくです。コインも使わずにブロックの配置だけで誘導をしています。
3段クリボーを倒すとき、皆さまはどうされるでしょうか。画像のようにヒップドロップ?それとも1体ずつ倒す?どちらもありえる選択肢ですね。
でも、この場面ではちょっと結果が変わってきます。なぜなら、1体ずつ踏むとクリボーがブロックの下に潜り込んでしまうからです。
他の倒し方ができないわけではありません。慎重にプレイする人はこのハテナブロックに入っているファイアフラワーで安全に倒すでしょう。手前の土管に誘導して1体ずつ踏む人もいると思います。でも一番気持ちのいいであろうプレイがしたくなるように導線が引いてある。匠すぎる。
さあ、クリボーを倒してファイアマリオになりました。せっかくならファイアで敵を倒したいですね。そんな気持ちを汲んだかのように土管からパックンフラワーが!そういえばこの土管、左右でなにか違うぞ?
マリオをそれなりにやってる人ならば、どれが入れる土管かお分かりでしょう。ちゃんと左右で対比できるように置いてありますしね。
地形を貫通している土管は地下に行けることを意味していることが多いです。また、ファイアフラワーの直後にパックンフラワー(踏んで倒せない敵)を出すことで新しく手に入れた能力を使えるようにしています。
ファイアフラワーのチュートリアルとシリーズのお約束を兼ねた地形配置というわけでした。パワーアップアイテムのあとには活用できる場所を作りましょう。
細かいですが、土管の右側にあるものが少ないのもポイント高いですね。叩いてすぐ戻れる位置にあるハテナブロック以外はコインすら置いてありません。
地下には大量…というわけではないですがコインが!ストーリーモードではコインが貴重なのでちょい渋めに作ってありますね。
出口はこんな感じ。左にはなにも見えず、右には中間地点とアイテム。戻らなくても大丈夫な配置になっています。
ということで、土管に入らないルートも見てみましょう。
マリオメーカー2で実装されたカキボーです。原作ではWiiUが初出の新参もの。2024年で12歳になるらしいです。それは流石に嘘だよ
このカキボー、赤ノコノコと同じように段差で折り返してくれます。痒いところに手が届く優秀な子。今回は下からブロックを叩いて敵を倒すチュートリアルのために用いられています。でも手前の土管と同じ高さにいるので踏んで倒すこともできますね。叩いたほうが安全だけど踏んで進むほうが早い、リスクとリターンってやつです。
ちなみに一番右のレンガブロックは連続コインブロックとなっています。これは私の推測なのですが、叩こうとしたブロックが"実は"連続コインブロックだったときが一番嬉しい気がします。ただ扱いが難しすぎてなにもわかりません。連続コインブロックガチ勢の方、ぜひコメントお願いします。
ブロックを叩いていると右上に矢印が見えます。これで入口と出口がどのような位置関係かわかるようになっていますね。
特に何もなさそうだし土管に入っても取り逃がしはないよね…?
巧みに隠されていました。このハテナブロックの配置、土管の出口からは見えず、音符ブロックの小ジャンプでも見えず、大ジャンプするか段差を登ったときにしか見えないんです。しかも一度大ジャンプするとずっと見えるようになるという。
段差をさっさと登った人は「あんなところにあったんだ!」と取りに戻り、音符ブロックで大ジャンプする人は「隠し要素発見!」みたいな、ちょっと異なる体験が得られるんですね。こんなところにも自由度の高さが…
ついでに、入口の土管に気づかなくてもここで出口の土管が見えるので、入口を見逃したことがわかるようになっています。
土管に入ったら1UPが取れないのはどうなの?と思う方もいると思いますが、原作の1-1なんかでも土管に入ったら1UPが取れないので、そういう方向性なんだと思います。ストーリーモードでは金のほうが重要ですし
中間地点を取るとスター状態になるのですが、これはあとからまとめて紹介します。
④中間地点
先ほどと同じような地形ででかクリボーが再登場。アイテムを取っていても余裕があるくらいゆっくり来てくれます。人によってはさきほどのでかクリボーをスルーしかねないので、再び実践の時間と言ったところでしょうか。
谷越え山越え、次のエリアではクリボーが坂の上から降りてきます。マリオのアクションの性質上、若干難しい配置となっていますね。この直前でファイアフラワーが手に入るようになっているので、ファイアで倒してね、という意図もありそうです。
こんどはブロックを叩いてカキボーを倒すギミック。今回は踏みづらい位置にいるためブロックを叩いて倒したくなるように仕向けています。
そして前からはカキボータワーが...!
このブロック配置、上手く叩けないとカキボーが倒せなくなりますね。カキボータワーで焦らせて考える時間を減らしてるのでしょうか。
先述した2つの配置は、前半のギミックをちょっと難しくして出している感じですね。難易度曲線がうんたらかんたらで、徐々に難しくしています。
書いてる途中で気づいたのですが、この2つのギミックは対称的に作られています。上からくるクリボーには急ぐとぶつかってしまうけど、カキボータワーは急ぐと坂すべりで気持ちよく突破できるっていう。
ぱっと2つくらい思いついた理由が、
・上りか下りかの違い
・パワーアップ状態の違い
です。
まず、上りは急がない、下りは急ぐで対応関係にありそう、というのがありそうです。上手い人だと上り坂もひょいひょいっ、とジャンプしていってしまうのですが、普通に歩くと減速しますからね。緩急の一つとしてデザインされていそうです。
次に、カキボー地点ではすでにファイアマリオな人がほとんど、という理由です。流れをまとめると
中間 → キノコ → でかクリボー → ファイア → クリボー → ファイア
と1つの敵を突破するごとにアイテムが置かれています。ド忖度ですね。それでもアイテムが連続していないのはすばらしい。
そんなわけで、ダメージをくらわなければアイテムをスルーできるんです。ファイアフラワーは取るのに手間がかかるので、もしダメージをくらっていたらカキボーを坂すべりで倒して1UPするのが難しくなりますが、そうでなければ爽快に進めると。多分そんな感じ。
ファイアフラワーはブロックを叩いてからブロックの上に乗ることでようやく取れます。その手間の時間まで考えられて作られているわけです。
逆にクリボー地点ではファイアを取るためにスピードを緩めるという想定で作られているというわけです。
⑤音符ブロックエリアからゴールまで
カキボーを蹴散らしたあと、段差から落ちるとちょうど青と黄色の土管が画面内に入ります。直前に10コインを見せて注目させてから入口と出口を同時に映す。テクすぎます。
中間地点から定期的に置かれていた橋はこの伏線だったんですね〜。デザインの統一感も出ますし、橋は上から下に降りることはできないことをこっそり説明していたわけです。
段差を降りるまで土管と地形が見えないのがまたいいですね。さっきまでと同じ配置の橋かと思いきや、みたいな意外性が。
またも画面調整。下の音符ブロックで大ジャンプするとコインの下半分が見え、上の音符ブロックで大ジャンプすると全貌が見えます。最初に全部見せるよりはこっちのほうが見栄えが良さそうですね。
当然といえば当然ですが、ちゃんと大ジャンプしないと乗れない高さに音符ブロックがあります。最初の音符ブロックでは大ジャンプする必要がなかったので、こちらもちょっと難しくなっています。
一応下からも行けますが、露骨に難しい配置です。コインももらえませんしね。
コインの誘導に従ってゴールです。矢印まで用意してるあたり相当親切ですね。
実は行動をコインで誘導したのって、隠しエリアを除くと3回なんですよね。コイン以外で誘導するのって難しいのでほんとうにすごい。
EX①ヒップドロップ集
さて、このコースでは結構な頻度でヒップドロップしてほしそうな配置がありました。
最初の方でも言いましたが、ヒップドロップで敵を倒すのは緩急があって気持ちいい!メリハリは大事って桜井政博さんも言ってた気がする!
2つの地下エリアを見比べると、コインエリアよりクリボーエリアの方が縦幅が広く見えますね。最初の地下エリアではヒップドロップをしなくてもよくて、2回目はヒップドロップした方がいい感じ、みたいな難易度の上昇があるのかもしれませんね。先に地下エリアを見せておくことで地形を想像しやすくなっているというのもあると思います。
話はそれますが、並べてみると地下エリアの地形が不揃いなのがわかりますね。自然物って雰囲気が出ますね〜。
EX②ファイアフラワー集
書いてる途中で気づいて長くなりそうだったので別項にしました。
まずここ、初めてのファイアフラワーです。ここではファイアフラワーを取りにブロックの上に乗って、そこからヒップドロップをするくらいのテンポでクリボーが配置されていそうです。
ファイアフラワーの特性、ブロックに乗らないと取れないというのが活かされていますね。
つぎに中間地点後のファイアフラワー。ブロックの上に乗ることで画面が上にスクロール、上から来るクリボーが見えやすくなっています。
最後のファイアフラワー。ファイアフラワーを取らないと坂すべりスペースに余裕がありますが、取っていると余裕がありません。ノーダメージボーナスみたいな感じですかね。露骨になりすぎていないのがすごいです。
EX③スターで駆け抜けると...?
中間地点でなぜかもらえるスター、一体なんだったのでしょうか…
スターで走り抜けると10コインがもらえる、まではよくあるのですが、なんとその後大ジャンプするとちょうどゴールポールの頂点を掴みます。これを見越してコースの距離が調整されていたんですね。アドリブではこれほど自然に作れないと思います。公式がマリオオタクすぎる…
まとめ
いろんな要素が詰まっていて上手くまとめられませんでしたが、おおむね以下の通りです。
・画面のスクロールに注意する
○ブロックの上で大ジャンプすると見える隠しエリアのコイン
○ファイアフラワーを取ることで画面がスクロール、敵が見えやすく
○コインをチラ見せ、からのもう一度大ジャンプで全貌が見える2段構造
・誘導は悟られないように
○コインは超強力な誘導。だからこそ他の方法を取れるかが腕の見せ所
○ギリギリ飛び越えられる壁で行動を制限、坂すべりに誘導
○ファイアフラワーをブロックに入れてブロックの上に誘導
・メリハリをつける
○ヒップドロップはメリハリの権化
○上り坂と下り坂でジェットコースターのような展開に
・隠しエリアにつながる土管に工夫を
○土管の入り口右側と出口左側に余計なアイテムが見えないようにする
○土管の出口が見えるようにして見逃しがあったことを伝える
○地形に土管を貫通、さらに貫通してない土管と対比できるように
・攻略法は複数あるとおもしろい
○実はギリギリ乗れる壁、そこから大ジャンプで隠しエリアへ
○ヒップドロップで倒してほしいけど、ファイアで安全に倒してもOK
○ダメージを受けた人はファイアを取って安全に
ダメージを受けていない人はファイアを取らずに爽快に
○スターで大ジャンプするとゴールのてっぺんを掴める
懐古
このコース、マリオメーカーならではの要素も盛り込まれています。
今となってはアタリマエとなっていますが、敵の積み上げや巨大化、砲台にアイテムを入れれることって初代マリオメーカーの売りでしたからね。積み上げた砲台からコインをばら撒くだけであの頃は楽しかった…
坂道パーツもマリオメーカー2の初報で出てきて超盛り上がりましたからね。それほど待望されたパーツだったんですよ!
積み上げた敵をすべって倒す、マリオメーカーとマリオメーカー2を体現するようなギミックだったわけです。
ON/OFFスイッチや太陽もストーリーモード序盤のステージで出てきますね。Miiverseでずっと言われてたやつです。Miiverseはもうない?そんなバカな。
あとがき
あとから加筆・修正しまくったのでかなりまとまりのない文章になってしまいました。非常に申し訳ない…
作るのにとっても時間がかかったので別コースをやる予定はないです。スクショを取ってケータイに送るのが超めんどくさかったです。書くのにかかる時間も膨大でした。物書きの人たちってすごい。
コメントにスタンダードコースのIDを貼ってくださったらアドバイスNoteを書くかもしれません。先述したようにすごーく時間がかかるのであまり期待しないで欲しいですが、少なくともプレイはさせていただきます。有料記事にしようかな
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?