アニメ屋さんから見たぱちんこ業界の実情
「韓国では全廃したのに何で日本で出来ないの?」と言うデマ
事の発端は若宮健と言う方が書いた「なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか(祥伝社新書226)」だと思われます。
正確にはメダルチギと言う韓国独自の「日本のぱちんこを不法に改造したもの」が撤廃されたと言う事を指しております。
この本はいかにも日本で言うぱちんこが韓国国内で禁止になったとの誤解をさせる書き方がされており、それがネットの噂として広まったのだと思います。
メダルチギに関しては日本で言うところの違法賭博にあたり、時の政権幹部が関与していたと言うスキャンダルに発展し社会問題化したと言う過去があります。
その点で「韓国に出来てなんで日本で出来ないの?」と言う論調には全く同意できません。
比較対象が「政権ぐるみの違法賭博が摘発された」に過ぎないのです。
「換金自体が違法でギャンブル」「三店方式摘発しろ」と言う論調について
ぱちんこ自体が風営法に「遊技機」と明記されている事からも分かる通り、完全に合法です。
三店方式はと言うと、私から見てもグレーですが、例えば
「ゲームセンターのUFOキャッチャーで獲ったフィギュアをメルカリに出品したら違法か?」
という事と繋がります。
過去を見ると同様な事(利ざや)が反社会勢力の「しのぎ」になっていたのを健全化するため、業界と大阪府警が共同で考案し今の方式になったと言う経緯があります。
最悪の事態を少しでも良くするために生まれた回避のための手法と言えます。
「某国のミサイルの資金源になっている」と言う論調について
昭和の時代ならいざ知らず、今時は無いでしょう。
あるとしたら朝〇〇連を通した流れになるのかも知れませんが、今時は業界でも一番お金が潤ってるのはホールではなくメーカーです。
1店舗当たり2週間に1回(月2回)、20台ずつ新台入れ替えをするとしたら、
(遊技台は30万円~50万円ぐらいだと思いますがここでは30万円とします)
30万円×20台×2=1200万円
これが1ホールからメーカーに入る金額です。
ホールが全国に8300店舗だそうですからかなりの金額がメーカーに入る事になります。
ただし全店舗が同一機種を導入する訳ではないので、メーカーにも勝ち組負け組はいます。
小さな店舗が消えていくのを見ても、ホールが儲かる時代ではない事が分かります。
そして大手遊技機メーカーは東証一部上場企業だったりするので、某国のミサイル資金なんかになっていたらとっくに大問題になっているはずです。
ぱちんこ業界と関連業界(アニメファン必見)
2019年のぱちんこ・パチスロ産業の市場規模は約20兆円と言われています。(レジャー白書2019)
遊技機の市場は約6700億円だそうです。
「ぱちんこなんか百害あって一利無しだから消えてしまえ」
の声に対して、
「ぱちんこ屋も従業員を抱えてるんだから」
とよく言われますが、実は支えられてるのは従業員だけでなく関連部品やコンテンツを作っている企業なども支えられています。
液晶を作っているナナオ、センサーを作っているオムロン、チップを作っているアクセル、電源を作っている加賀電子、音源チップを作っているヤマハ、ローランド、液晶コンテンツや制御部を作っているコナミ、ナムコ、CGを作っている白組、アニマ、デジタルフロンティア等々
それ以外にもプラスチック成型の会社やランプなどの部品メーカー。
遊技機メーカーは毎年何万台単位で新品を発注してくれる上得意様なのです。
そして今日一番言いたいのが「アニメ制作会社」です。
ガールズアンドパンツァー、魔法少女まどか☆マギカ、Re:ゼロから始める異世界生活、エウレカセブン、ヱヴァンゲリヲン、緋弾のアリア、マクロスフロンティア、地獄少女、烈火の炎等々
上記の版権は本来なら「イメージが悪化する遊技機」に何故版権許諾すると思いますか?
当たり前ですがお金になるからです。
中にはマクロスのように制作会社(サテライト)の親会社が遊技機メーカーと言うところもあります。
トムスエンタテインメントの親会社もセガサミーです。
余談ですがおそ松さんのプロデュースは大一商会です。
そもそも遊技機のために持っていた版権(おそ松くん)の派生持ち込み企画なので遊技機が無ければおそ松さんはこの世に存在していません。
奇しくもぱちんこ業界のアニメ版権乱発は疲弊したアニメ業界を支える一大資本となっているのです。
俗に言う円盤が売れなくても新作が作られるのです。
ぱちんこ批判する方たちにとって「全く縁のない」パチンカーたちがアニメ業界や電子部品産業の糧になってくれているのです。
アニメ版権によっては遊技機ありきで新作が作られたりします。
アニメファンはアニメ産業を支えると思って是非!パチンカーを応援してください!
アニメファンにとっては百利あって一害無しと私は思います。
ニコニコ動画やVOCALOID文化を憂う。