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阿部梨園にいってみた ~そして夕飯は梨の豚肉巻き~


『沸騰ワード10』の志麻さんのコーナーが好きだ。料理本はたくさんもっているけど、志麻さんのはもってない。でも、テレビに出ているやつは、子供がこまめに録画してくれるので、ちゃんとチェックしている。

今週のは、旬の味覚を使ったものとえのきを使った料理が中心。旬の味覚で見た目もたぶん味も「!」だと思われた一品が、梨の豚肉巻き。梨を輪切りにして、豚バラ肉をまいて、塩コショウをして、パン粉をつけて揚げ焼き。仕上げにケチャップとマヨネーズを混ぜたオーロラソースでいただく。めっちゃ美味しそう。週末はこれだ~っ!と思った。平日の揚げ物は厳しい。

コロナ禍でstay homeが始まった頃から、よく散歩をするようになった。今は車通勤で、ほば自転車感覚でどこに行くにも車だから、歩数がほんとに少ない。何もしないと、平日は1000歩台しか歩いていない。来春卒業式が2つ、入学式が2つなのに、あまりにヤバい状態。子供たちから「なんとかして。」と冷たくいい放たれて、真面目に散歩をするようになった。全く痩せないけれど。平日も朝、洗濯、弁当と朝ごはん、夕飯の仕込みほかドタバタしている中、30分時間を作ってできるだけ歩くようにしている。週末は長めにお散歩して1万歩を超える。

ネットで確認したら、もう「あきづき」が完売して販売終了となっていたので、もうないだろうなとは思いつつ、今日のお散歩コースはいつものコースをちょっと外れて阿部梨園経由でぐるっと回ってみようと思った。まあダメ元なんだけど。

朝7時に家をでた。朝顔がまだ咲いている庭先の家もあれば、どこからともなく金木犀のいい香り。夏と秋が混在してるけれど、半そでで散歩するには肌寒い日曜日の朝。ぶらぶらすること15~20分。阿部梨園そばを通る。田んぼ、梨畑、東北道が見えて、田舎の田園地帯そのもののエリア。彼岸花の赤が映える。画像ないけど。阿部梨園の門構えから中をチラと覗くと、若い男子が2人くらいいた。「販売終了です」の文字が見えて一度は通り過ぎたけれど、せっかくだし、園主の阿部さんに挨拶くらいしよ~と思った。

というのも、こんなだらっと書いたnoteを阿部さんも読んでくれたことを知り、かなりうれしかったからだ。もっと阿部さんのことを書こうと思ったのに、ほとんど書かなかった。正直なところ、佐川さんを雇って、経営改善の提案を受け入れて、一緒にやっていった懐の深い園主ご本人はどんな人なのかすごーい興味があり、もしいたらちょこっとだけ立ち話ができたらいいなあと思った。ずかずか敷地内に入る。2人の男子は制服姿で、どうやら阿部さんちのお子さんらしい。

「おはようございます。お父さんいますか?」といって園主の阿部さんを呼んでいただいた。いきなり朝からすんません。変なおばはん登場で。でも阿部さんはいやな顔もせず、丁寧にお相手をしてくれた。ちょうど息子さんたちを部活に送っていくところだった。今日は梨は買えなかったけれど、もうちょっとするとにっこりの予約販売が再開する予定なので、そうしたら電話して買いに来ることにした。たった5分くらいしかお話ししなかったけれど、ほんとに温厚で「いい人」そのものだった。5分でそんなのわかるんかい?と思うかもしれなけれど、ただのデブなオバハンだが、それなりに仕事をした年数はあって、かなり幅広い職種の、いろんな年齢層のいろんなキャラクターの人と楽しくお話したり、時にははったりをかましたり、はたまた時にはガチンコ勝負になったりという経験はあり、むちゃくちゃ多いというほどではないとは思うけれど、1000人以上の人と何らかのやり取りはしてきたはずなので、最初のつかみでだいたいどんな人なのかは8割方当たる。阿部梨園の直売率99%にははるかに及ばないけれど(笑)。

また半月後くらいだなあと思って阿部梨園を出て、てくてく歩いていたら、後ろから車できた阿部さんが窓をあけて「ど~も~」といって去っていった。

梨は子供のころから慣れ親しんだ近所の梨やさんで購入。にっこり。にっこりという品種は10月中旬くらいから収穫されて、日持ちがするので、お正月まで持つ。歳暮の贈答用にも使われる。とにかくでかい。上の画像を見てもわかるように大きい。上の画像のものは小ぶり。家で食べるならちょっと小さめのほうがいいよねといって、3つ購入したが、おまけでちょっと傷がある大きいのを1個おまけでつけてくれた。奥さん、いつもすみません。4個で800円。スーパーより断然安い。

にっこりは肉質は緻密で甘味が強くて酸味はあまりなくてみずみずしい。平均果重は800g超になるとか。「新高」という品種と「豊水」を掛け合わせたもの。名前の由来は、栃木県の有名な観光地の「日光」と「梨」の音読みの「り」を合わせて「にっこう り」→「にっこり」になったとか。食べて「にっこり」だよ!

果物ナビ https://www.kudamononavi.com/zukan/jpnpear/nikkori

夕飯にさっそく、梨の豚肉肉巻きをつくる。芯をくりぬくとき、大きめにくりぬいたほうが豚バラ薄切りを巻きやすい。それから、にっこりはでかいので、かなりのボリュームになったけれど、普通の大きさの梨だったら、輪切りにすると4枚くらいなのかなあ。

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にっこり、でかいです。

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巻き巻きしました。肉のドーナツって感じ。

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作っている人の役得で揚げたてをほおばる。

まな板がべたべたにならないように、アルミホイルをしいて、包丁をいれると、サクッといういい音がして、ほわ~っと湯気があがって、切った断面からじゅわって感じで肉汁と果汁があふれる。絶対おいしい。間違いないと思って頬張ると、

「うはぁ~」

という声しか上がらなかった。自画自賛ですが、おいしいです。子供たちはマヨネーズが嫌いなのでオーロラソースではなく、普通の中濃ソースで食べていた。今日は非常にもったいなかったのだけれど、どーしても肉巻きを食べたくて、揚げちゃった。新鮮な梨は冷やして生で食べるのが一番おいしい。当然のことながら、作りながらにっこりを1切れつまみ食いしている私。これ、しらっと食卓に出したら、「おかーさんやるね!」といわれること間違いないです。志麻さんすごい。たぶん、これ食べてまた体重計もすごい数字だろう。

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今日のはすごーくおいしかったけれど、これは梨がおいしくないと、うまくないです。梨の甘味、触感と豚肉のうま味と脂、揚げたてのハフハフ感とかそういうのが一体になってさらにおいしくなります。梨と豚肉のマリアージュってやつなんだろうか。2つがあわさってできあがるおいしさ。

そう、それって、1冊の本になっちゃった『東大卒、農家の右腕になる』の「阿部梨園の園主の阿部さんと右腕の佐川さん」にもいえることなんじゃないかと。口の中でハフハフしながら気がついた。佐川さんが復調して、元気を取り戻して、経営改善を提案して、それをまとめて、オープン化して知恵袋つくって、大絶賛で本ができたのは、なんといっても阿部さんがいたから。阿部さんのところで、インターンを募集していなかったら?佐川さんがどんなに提案しても、阿部さんが、「んな農家なんかやったことねーやつがなにいってんだいこの~(栃木弁のイントネーションで表せないのが残念)」だったら?経営改善でうまくいったことを、公にするなんて、だめだってなっていたら?この1冊は出来上がらなかったってことだ。

1冊の梨園をめぐる本と梨の豚肉巻きが重なった夜でした。ごちそう様でした。



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