見出し画像

写真という作品、ラジオという作品

https://www.pscp.tv/w/1MYxNVPgknLxw

きょう、一時間プラスαで話したこの"ラジオ"が僕の直近の自己紹介として一番好きです。これはその要約(と、その追記のお話)。

写真とラジオと北海道と

札幌をベースに写真作家をやっています。基本年1回ペースの個展と、いくつかのグループ展で作品を発表。他にも紙媒体を中心にデザインの仕事をしています。
仕事場であるアトリエ兼スタジオは自宅。なので、気が散るのもなんだしテレビを5年ほど前に処分しています。そのずーっと前から聴いてきたのが、ラジオ。中学生の頃、日本海側の街から夜になると北海道や東京、大阪の番組を聴いたり、大陸から外国語の声と音楽が雑音に混じって聴こえてきたのが自分にとってのラジオとの出会い。その頃、今住む北海道からのラジオも聴いていたのです。STVラジオの「サッポロ2130 夜は金時」とそれに続いての「会員制ラジオ番組 うまいっしょクラブ」や「アタックヤング」(この頃はSTVラジオが破竹の勢いだった)。
それから約30年(!!!)、縁あって札幌で暮らし始めてから17年。札幌のラジオDJと、電波とちょっと違ったフィールドでこうして自己(他己)紹介、自分の歴史を話すことになるとは。

「#今話したい100人」

そう題されたTwitter上の"ラジオ"。
AIR-G'(FM北海道)のパーソナリティとして全道の特に中高生たちから絶大な人気を持つ森本優さん、通称「もっちょり」。

https://note.com/mocchori


僕も彼のラジオはよく聴かせてもらっています。なんといっても、学生時分からのラジオ好きがラジオのしゃべり手になったというこの上ない"天職"。そんな彼が、いつものマイクの前を離れ、ひとりの人間として純粋に"今話してみたい人"に自ら声をかけ、一年間で100人とのサシのトークを展開するセルフプロジェクトなのです。
彼とは2017年の「札幌国際芸術祭」で初めてお会いしました。僕が札幌の路面電車の車内を会場としたプロジェクト「都市と市電」の企画者の一人としてかかわらせてもらっていて、そこから生配信するネットラジオのゲストに来ていただいたのです。それから折々に電波とSNSを通じてご縁があったのですが、ここまでじっくりと話したのは初めてです。
彼も僕も無類のラジオフリーク。楽しみで仕方がなかったのです。

あの頃の、自分が好きじゃなかった自分へ

僕が"写真作家"の道に進むきっかけや、旅というものに特別な意味を感じたきっかけ、そしてラジオとの繋がり……。
詳しいことはぜひ音声で聴いて欲しいのですが、これらすべての出発点だった子ども~学生時代、僕は自分のことが決して好きではありませんでした。
今思い出しても壮絶ないじめを受け続けていた中、その日常を少し忘れられるのが深夜のラジオであり、その毎日から少し離れられるのが夏と冬の親戚の家への旅であり、その現実と違う世界があることを感じられたのが写真。
「一つでも興味のあるものに気づけた、出会えたことは大きいですよね」。彼はそう言いました。どれだけそれにまた救われたか。
あの頃ラジオに投稿とかは全くしなかったけれど、DJの声、そして音楽を聴いているだけでも僕は救われました。今でもラジオは僕の生活の中に密着していて、そこから感じ取ることは毎日たくさんあります。かつて彼のようなDJに出会っていたら、もう少しだけ僕の毎日も変わっていたのかもなぁ、なんて思うのです。

好きなことはとことんやり続けたい、これからも

自分自身が好きではなかった自分が、自分が好きであればこその生業である表現者という仕事に、なんだかんだで今ついている。それは、好きなことをとことん追求したいし、伝えたいからなのかもしれません。ラジオはテレビ以上に、そしてウェブメディアやSNSと互角かつずっと前から専門的で、マニアックでニッチなものごとに親和性があり、そのひとつひとつの愛、いわば"好き"を認めてくれているように思います。
誰かたった一人でも、自分の表現を、好きでやっていることを認めてくれる。それだけで、好きでい続けることができる。
決してわかりやすい表現ではないと自分では思っている僕の写真であっても、それに自分の見て来たものや見ていることを重ね合わせてくださっている方がどこかにいると信じて、その一心でとことん追求できています。
わずか1時間とちょっとの、たった二人きりのトークで、僕のこれまでと今とこれからの輪郭が浮かび、繋がって感じられました。誰かに聴いてもらうというよりも(もちろんリスナーあってですが)、そこにいる二人が今話したいことを互いに聞き合う。僕も仕事でインタビュアーをすることがあるのですが、今日のこの時間はとても濃く、そして、とても楽しかった。さすがラジオのしゃべり手だと思いました。そして写真もラジオも、ともに「作品」なのだと。

今も、この先も、途上の景色を形に

僕はなりたかった仕事が3つあります。写真家(カメラマン)、新聞記者、そして、ラジオのしゃべり手。
形は違っても、それに近いことを折々に叶えています。サイズに大小はあっても、近くと遠い先にいくつもの夢とかやりたいことを置いておいて、その途上をこれからも楽しんでいきます。幼い頃の帰省の旅で何気なく見ていた車窓に楽しさのようなものを感じた原体験が、時を超えて僕の近年の作品シリーズになり、車窓という旅の途上のほんの一瞬の、途切れることのない連続を形にしているように。

僕の活動や作品がここにまとまっています。
最新の活動のお知らせもありますので、ぜひのぞいてみてください。

直近では、こういう活動をしています。
どこかにてぜひお目にかかれますように。

写真作家、またデザインや執筆も行う人として"旅の途上の景色"を作り出すことが私のテーマです。 心に触れるものがありましたら、ぜひ応援をいただければ幸いです。次なる旅と、拠点を構える札幌だけでなく全国、海外も視野に入れた制作と展示等、私の創作活動に生かさせていただきたいと存じます。