【シジョウノセカイ】《男と家》

 DECO*27さんの『ヒバナ』という曲を聞いていて、「あぁ、あのキャラたちの心境や物語に似てるなぁ」と思って、頭の中整理する為に書き起こしました。
 上手く書けているかは自信ありません。本当、頭の中に溜まったものを外に出しておきたくて書きました。
 ちらりとでも読んでもらえると嬉しいです。

少年は家を探していた
何日も何日もずっと探し続け、
見つけた頃には少年は大人の男になっていた
しかし、
見つけた家はいつも扉が固く閉ざされており、
どんなに扉を叩いても
その扉が開くことはなかった
男はいつも
扉の前でその扉が開くのを待っていた
ある時、
扉の鍵がガチャリとかけられた
男は扉を叩いた
いつもより強く、
いつもよりたくさん
しかし、
家は扉を開けようとしない
男はそれでも扉を叩き続けた
何日も何日も叩き続けた
ようやく観念したのか、
家の扉がほんの少しだけ開いた
男はすかさずその隙間に手を入れ、
扉を開け放った
中はぐちゃぐちゃで
お世辞にも片付いているとは言えなかった
それでも男は満足気に
家の中に足を踏み入れた

               裕己

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