「ブランドエクイティ」とは

ブランドエクイティ。それはすなわち、「そのブランドの持つ資産価値、社会的価値」のことを指す。

そもそも、「ブランドとは何なのか」を簡潔に述べたい。

企業の持つ6つの資産は、①ヒト②モノ(設備)③金④情報⑤時間⑥知的財産、だと言われているが、この6つ目の知的財産こそが、企業努力によってこれまで築き上げてきた「ブランド」である。

今日のマーケティングにおいて、ブランドを強化すること。すなわち「ブランディング」は、非常に重要なテーマとされている。

では、冒頭で述べたブランドエクイティ。言い換えると企業の持つ資産価値、社会的価値だが、当然このブランドエクイティが強い企業が、現代のマーケティングコンセプト中心の競争を勝ち抜くことができる。

そのブランドエクイティには、4つの構成要素があるため、例を用いながら解説していきたい。

構成要素①ブランド認知

まず、「ブランドを消費者に知ってもらう」ということが、強いブランドの構築の第一歩となる。当たり前の話だが、「ブランドを強化する」ということは、消費者に自社ブランドが認知されてからの話であり、そもそも自社ブランドが知られてすらない状況では強化も何もない。
ここで大切なのが、「ブランド宣伝」である。ブランドを消費者に知ってもらう最も有効な手段には「広告」がある。当然TVCMやパブリシティという方法もあるが、これらを行うにはある程度の企業利益を確保できている会社である必要があるため、最も安価で、極端な話どの企業でも実現可能な宣伝方法ということで、広告を紹介した。
読書の皆さんも、街を歩いていると、実に沢山の広告に触れ合っているだろう。具体的な数字にすると、1日に5000〜6000もの広告に触れ合っているそうだ。しかしそのうち、私たちが「認知」する広告はそのうちの僅か5%〜6%ほどだという。これを「情報の選択性」と呼ぶが、広告を出したからといって、全ての消費者に認知してもらえるかはわからない。そのために、広告の色や大きさ、デザインに工夫を凝らす必要があるのだ。

構成要素②知覚品質

ブランドエクイティの構成要素の2つ目は、「知覚品質」である。
近く品質を簡単に解説するならば、「消費者が抱く、そのブランド(商品)の品質」である。
ここで注意しなくてはならないのが、決して「自社が消費者に抱いてもらいたい品質のことを知覚品質と呼んでいるのではない」ということだ。以前の記事にも書いたが、現代マーケティングのコンセプトは、マーケティングコンセプトであり、すなわち「顧客ニーズを起点としたマーケティング」のことである。そのため、自社ブランドが、消費者側からどのように見えているか。という視点を持つことが重要である。

構成要素③ブランドロイヤルティ

ブランドロイヤルティを簡単に説明するならば、「消費者がそのブランドに抱く愛着の度合い」である。
この「愛着の度合い」を高めるために、企業は消費者に対してマーケティング戦略を練っていく必要があり、具体的な方法を3つ紹介したい。

一つ目はそのブランドの「強み」に「重要性」があるかどうかということである。
二つ目はそのブランドの強みに「独自性」があるかどうかということである。
そして三つ目は、そのブランドの強みに「優越性」があるかどうかということである。これは「風邪薬」に例えるとわかりやすいが、競合企業が「30分で効き目が現れます」と謳っているところに、自社が「60分で効き目が現れます」と打ち出したところで消費者からは選ばれないだろう。

このブランドロイヤルティが強いと、「ブランド信者」のような存在の消費者を持つことができ、このような消費者はブランドスイッチ(ブランドを変えること)をしにくいという特徴を持つため、自社ブランドの寿命を長続きさせるという意味でも、ブランドロイヤルティは重要な意味を持っている。

構成要素④ブランド連想

最後は「ブランド連想」である。
ブランド連想を簡単に解説すると、「消費者がそのブランドネームを聞いたときに連想するイメージ」である。

例えば、「スターバックスコーヒー」というカフェブランドの名前を聞いた時、読者の皆さんはどんなイメージを抱いただろうか。「オシャレ」「居心地のいい空間」「〇〇フラペチーノ」「駅から近い」など様々だろう。

さらに、「吉野家」という牛丼屋のブランドネームを聞いて何を想像するだろうか。「安い」「提供時間が早い」「牛丼以外のメニューも美味しい」といったところだろうか。

このように、ブランドネームを目にした瞬間に何を想像するのか。その結びつきがブランド連想であり、連想される「量と質」が高ければ高いほど、そのブランドは強いブランドだということができる。

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