「ポジショニング」の2つの留意点

マーケティングにおける重要なフレームワークであるSTP。

Sはセグメンテーションを表し、簡単にいうと「市場の細分化」である。

Tはターゲティングを表し、セグメンテーションで細分化した市場のうち、自社の経営資源をどこのセグメントに集中投下するのかを決める過程である。

そしてPはポジショニングであり、競合他社との差別化であったり、消費者の頭の中に、抱いてもらいたい自社の「位置」を植え付ける作業である。

そこで、ポジショニングの留意点を2つ紹介したい。

まず一つ目は、「消費者に伝えたい自社ブランドの価値を、シンプルかつエッジを効かせて伝える」である。
そもそも、自社ブランドが消費者に伝えたい、知ってもらいたい「価値」を明確にする必要がある。そしてその価値をいかにエッジを効かせて伝えるか。要は、伝えたいことを出来るだけ最大限消費者の頭の中に植え付けるためには、強力なキャッチコピーが必要だということである。
大手化粧品メーカーである「資生堂」は、「一瞬も一生も、美しく。」という企業キャッチコピーを掲げており、これはまさに、自社ブランドの強みを、シンプルかつエッジを効かせて消費者に伝えている良い例である。

二つ目は、「自社の弱みを克服するよりも、すでに消費者から評価されている自社の強みを強化する方が良い」ということである。
ブランドを消費者に伝える際、最も恐れるべきことは、「確かにブランド名は知っているが、何の印象にも残っていない」という状態になってしまうことだ。これではブランドロイヤルティやブランド連想などという問題ではない。いかに消費者の頭の中に強い印象を残せるかというのが重要なのである。
これらを踏まえると、自社のマイナスな弱みを克服してゼロ地点に戻すよりも、すでに消費者から、「このブランドはここが良い」というようにプラス評価されている部分がそのブランドの「武器」、「強み」になるように強化する方が、消費者の印象に残りやすいということである。

以上が、ポジショニング戦略の二つの留意点だ。

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