(仮称)山川農園建築計画 その1 敷地について

沖縄県那覇市首里山川町にある住宅計画。周囲は斜面地を順に造成した統一感のない擁壁と蛇行する道が折り重なり、その中に生活が編み込まれているような風景である。

首里のはずれにあるこの地域は、もともとは辺り一面ウージ畑(サトウキビ畑)の斜面地だったようであるが、首里の沖縄方言で門中(むんちゅう)と呼ばれる親戚どうしで大きな畑地を宅地に転用し、共有名義で所有し、集まって住まわれ始めたのが戦後のこの地域の起こりのようである。首里といえば、ええきんちゅ(沖縄方言でお金持ち)の地域であるが、この辺りの人にそういうと、そんなことはない、お金がなかったから、みんなで分けあってここに住んだんだよ。と言っていた。
敷地がなだらかに傾斜しているのも、元々斜面地の名残である。

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