「ナノリ ヲ アゲロ!」アーセナル×ヴォルスクラ マッチレポート

 皆さんこんにちは、TDKです。
 さて、今回はUEFAヨーロッパリーグ第5節・ヴォルスクラとの対戦をお届けします。まずはいつものようにスタメンの確認から!

◎スタメン確認

 こちらが予想フォーメーション。わ~~~若い。おじさんテンション上がっちゃいます。ちなみに数えたところ、スタメンに歳下が11人中5人いました。ベンチ含めると18人中10人が歳下という、私も段々大人になったのだなぁと気付かされるフレッシュさでした。私が19歳の頃とか何してましたかね。確か授業サボりまくってスマブラに酒にサッカーにって感じでした。来世は確実に人間にはなれませんね。再来世に期待だ!
 ヴォルスクラについては分かりません。とりあえず、せめてピッチ内での治安は保たれてほしいと願っています。(ウクライナはバンバン戒厳令が出ているような現況なのです。)

◎試合開始~15分「あれは…デブライネ!?」

 試合開始です。アーセナルは予想通りの3センターで、メンツもそのまま。経験組とも言えるこの3人を中心に主導権を握ります。この時間帯のゲームメイクは、メンツが変われどいつも通り左からが多め。ナイルズ・スミスロウにラムジーやゲンドゥージが絡むというイメージ。怖かった点としてはやはりセットプレーですね。セットプレーの神様が平等だという話は再三しているのですが、このメンバーではどうしても体躯の強さというのは劣ってしまいます。ただ、怖いのは今のところその点だけでした。ある程度は致し方ないものなのかもしれませんね。
 また、ヴォルスクラの陣形はお世辞にも整っているとは言えず、乱れて空いたところを各々が狙っているという感じでした。比較すると、普段リーグで対戦しているチームのレベルの高さを実感します。
 そんなこんなで試合を支配していたアーセナル、10分にスミスロウのゴールで先制に成功します。ラムジーとエンケティアが縦のワンツーを絡めてエンケティアが突破、足元で巧みに収め、ゴチャってこぼれたところにスミスロウが詰めました。公式戦初ゴール記念に作った紹介動画もついでに置いておきます。ナイス展開でした。

 ついでと言ってはアレですが、ここでスミスロウについての感想を改めて書いてみようと思います。

 まだまだ試合の全てに絡んで支配するという域には達していないものの、局所で見せるプレーは才能にあふれています。相手の間で浮くような立ち位置は、イウォビが見せるそれと近いものがあります。この試合は左アウトサイドでの起用でしたが、ナイルズと入れ替わり立ち替わり相手守備陣を脅かしていました。得点感覚が鋭いのは非常に好印象ですね。中盤寄りの能力でありながら、致命的な場面に顔を出せます。ポジション感覚が優れていることが、ゴール前にも活きているのかなという印象です。

◎15分~30分「エンケティア?ヌケティア?ンケシャー?」

  幸先良く先制したアーセナル、支配の構図は変わらないです。目立った形としては「中盤が1枚下りて両SBを押し上げるパターン」でしょうか。エルネニーが真ん中に降りることが多く、ゲンドゥージがサイド深くに位置することもありました。その恩恵を受け、特にナイルズが高い位置で攻撃に絡みます。先にも書いた通り、スミスロウとは息が合っていたのではないでしょうか。
 前線の若武者三人衆は、それぞれが相手が嫌がる位置に立てているという印象を受けました。ボールを持たない時でも相手4バックの間を嫌らしく突き、効果的な攻撃に寄与していました。その中でも中心となって攻撃を支えていたのがエンケティア。エンケティアの感想も書いてみましょうか。先発出場を果たした若武者三人衆への祝福のつもりです(笑)

 見てきた試合は少ないものの、これまではそれほどボールに絡めない選手という見立てでした。それが、この試合を見ると大きく成長していたことが伝わりました。流麗なパス回しというレベルはまだ先ですが、ボールを持った時に出来ることが増えていました。しなやかな体躯を活かしたキープ・強引にでも前を向ける推進力・止まったところから相手を抜き去れる瞬発力など、選手としての総合力を感じました。テクニック面も一定水準は備えていますし、ウェルベックを欠いた今こそ大きな飛躍のチャンスかもしれませんね。

 と、ひとしきりエンケティアを褒めちぎったところでアーセナルに追加点が入ります。ラムジーがぬるっと倒されて得たPKを自ら決めて2-0のリードを奪います。このPKは正直怪しいというか取らなくても良かったと思います。というのも、この判定に不服なヴォルスクラの面々が心なしか荒いプレーを見せたからです。ヒヤヒヤしました。もう負傷は嫌ですからね。結果として、大きな怪我もなく試合を終えられたのでよかったですが。

◎30分~前半終了「We Will WILLOCK YOU !!!!!」

 着々とリードを重ねるアーセナル、やや前から来るようになったヴォルスクラをしっかりと受け止めます。機会そのものが少なかったですが、撤退守備の際にはラムジーが前に出た4-4-2のように構えていました。ラムジーを起用する際には、このように前からの守備を意識して2トップの一角に配置することはこれまでもありましたね。ただ、持たされた際の守備強度は少し不安要素でした。強さという面は妥協しているメンバーではあるので、ある程度は致し方ないのですが。
 そして、40分過ぎにウィロックに待望のトップチーム初ゴールが生まれます。エルネニーがリヒトシュタイナーとの共闘(めっちゃ声掛け合ってました。よろしければ各自で確認してみてください。)でインターセプトに成功、そのままスペースに縦パスを配球します。上手くそのボールを引き出したウィロックが持ち出し、エリア手前からソフトなミドルシュートを沈めました。アンリを想起させるような巧みなシュートに胸が高鳴った方は多いのではないでしょうか。ウィロックについても書いていきます。

 これまでは中盤での起用しか見ていませんでしたが、正直特徴や長所が見えにくい選手でした。しかし、前目に出たこともあってか才能あふれる若手選手という認識に代わりました。ボールの持ち方が独特で、キープ力もあり、想像していなかったような突破力もありました。そして何より落ち着いたシュート。トップチーム初スタメンで力んでもおかしくないシーンで、アンリを彷彿とさせるようなセクシーショットを披露してくれました。適性ポジションはまだ探り探りでしょうが、運べる選手になってもらいたいですね。

◎後半開始~60分「平穏無事」

 後半が始まりました。最初の15分はいよいよ書くことが無くて焦っています。流れや構図は前半とほとんど変わらず。アーセナルは左サイドを中心に攻撃を組み立て、ヴォルスクラはセットプレーとミドルシュートで得点機会を伺います。アーセナルのセットプレーは残念ながらチャンスという感じが全くしませんでした。ご愛敬。エンケティアが相変わらず頑張っていて、サポートが薄い状態でも独力で前を向いてしまいます。もう少し上のレベルを相手にした際にどれほどの動きを見せるのかが楽しみです。どこかでそんなシーンは訪れるはずですし。
 はい、以上です。60分にホールディングを早めに下げ、これまた若武者メドレーを投入しました。初めまして。どんなプレーを見せてくれるのでしょうか。

◎60分~75分「定時退社する主力たち」

 さて、投入されたばかりのメドレーですが、これはまた面白い若手が出てきたなという印象です。大柄な左利きCBという時点でまずロマンの塊ですし、足元の技術がしっかりしているのが素晴らしいです。臆せず縦パスを入れるシーンもいくつかあり、対面する敵をいなすドリブルも披露していました。一足先にデビューしたプレゲスエロ、負傷離脱が続くマヴロパノスと共に成長が楽しみな若手CBです。
 また、この時間帯になってくるとさすがに間延びが目立つようになりました。70分にチェフが救ったピンチでは、まさに最終ラインと中盤の間を使われたシーンでした。まぁ再三言っていますが、ある程度は仕方ないですね。前線の若手も出ずっぱりですし、トップチームの試合ということで疲労は普段よりも大きいでしょうし。
 時は少し遡り、68分にはラムジーも退勤。これまたデビュー戦となるサカが入ります。彼も面白いですねぇ。左利きの快速サイドプレイヤーというこれまた希少価値が高い選手。21世紀生まれながらU23のカテゴリーでプレイする期待の若手です。突破力と左脚の威力には自信がありそうです。一瞬のキレとパンチ力は目を見張るものがありました。このまま成長すれば1~2年後が楽しみです。

◎75分~試合終了「円満」

 75分にはゲンドゥージに代わってギルモアを投入。多くのファンが望んでいたであろう選手交代をしてくれるあたり、エメリさんは本当に素晴らしい監督です(単純)。ギルモアに関してはオン・オフザボール共に関わるシーンが少なく、あまり書くことがありません。恐らく第6節では更なる若手大放出が期待されるので、是非その時にもう一度見てみたいです。
 さすがに間延びが目立つようになったアーセナルは、ヴォルスクラが中盤を省略して長いボールを蹴ってくると少々苦労していました。いくつかピンチの芽もありましたし。ただ、結論から言ってしまうと無失点で試合を締められたので、それは良かったです。
 この時間帯は、エンケティアとウィロックが最後まで頑張っていたのが印象的でした。特にエンケティアは随所に気の強さを見せていて、ストライカー向きのメンタルだなと思いました。スミスロウとウィロックが点を取っていたということもあったのでしょう、貪欲に得点を求める姿勢は好印象です。
 そうして4分あった追加タイムが終わり、アーセナルはグループステージ首位通過を決定しました。若手主体で難しいアウェイゲームで完勝したというのは素直にポジティブでしょう。最終節のターンオーバーもこれで躊躇なく行えますし。やはり若手たちの煌きは、眩しく美しい。さらに次節が楽しみになりました。

 今回の記事は以上になります。ここまで読んでくださった皆さん、本当にありがとうございました。それではまた!

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