「アチアチのエチエチ」アーセナル×レスター マッチレポート

 皆さんこんにちは、TDKです。
 さてさて、長らく続いた禁欲生活もついに終わりを告げました。日常にアーセナルが戻ってきました。なのに、この試合は早朝4:00から。皆さんの嘆きが聞こえるのが分かりました。私のような半ニート状態の人間ならまだしも、社会で頑張る皆さんにとってはきっと過酷なスケジュールであったかと思います。ちなみにCLとELも戻ってきます。いつ寝るの!?

 本編にいきましょうか。まずはスタメンの確認から。ドン!!!

 なるほど、レスターは3バックで来ましたか。俗に言うハーフスペースを封鎖するのに適した3バック。アーセナルの長所で積極的に使いたい所を消したいという意図が感じられます。あ、キーパーにレノって書き忘れてるわ。すまん!
 方やアーセナルは、どういうわけか左SBが3枚とも散りました。皆さんもよろしければ各チームの左SBで4番手を思い浮かべてみてください。そんなもん普通いねぇよ!!!!!!!!!!大抵の場合は右から無理やり回すかボランチ辺りの選手に土下座をすることになります。3枚揃ってる時点で立派ですし、本来一番潤沢なポジションなのに。ぼくさっかーわからない(棒)

◎試合開始~15分「酸素を求めて」

 速攻で圧力を掛けてくるレスター。2トップがアーセナルCBを牽制、トップ下のマディソンも加わって中央で3枚がビルドアップ疎外を狙う形。アーセナルはやはり左のリヒトシュタイナーへフォローを割き、右ではベジェリンが孤立した位置を取ります。諸々1枚にまとめるとこんな感じ。

 アーセナルとしては単純な「ボランチ落とし疑似3バック」だとマディソンに捕捉されてしまうため、ジャカとトレイラの2枚ともがCBと近い位置に下がっていました。両サイドではアーセナルSBとレスターWBがマッチアップ。メンディとエンディディはエジルと中に入りがちなムヒタリアンをチェック。左に多くの人員を割くアーセナルはそこを活かしたかったのですが、これが中々上手くいきませんでした。こればかりはリヒトばかりを責めても仕方ないのですが、やはり本職不在が響いていました。人がいるのに進まず、窒息気味でした。
 ちなみに、この時間帯には後の伏線となるシーンがありました。

①食い付くレスターの中盤。背後がガラ空きだぜ。
②左へのサポートに苦心するジャカ。その時、エメリさんに電流が走る。

 なんとか序盤の猛攻は事なきを得たアーセナル、少しずつ保持率を高めていきます。が、有効な攻撃には中々繋げられません。やはり5バック化によるレーン封鎖がいやらしいのか、本来突きたいスペースがそこにはありません。さて、どうしましょうか。

◎15分~30分「次はパンと水を」

 何とか酸素は見つけたアーセナル。しかし、決定的な崩しを見せられません。ちなみに色んな意味で気になるリヒト、不慣れなポジションながら精力的な上がりを見せます。しかし、不慣れ故にそれほど攻撃に貢献出来ていなかったという印象です。上がりの代償としてCBがイヘアナチョとヴァーディと走力勝負になるシーンが生まれ、攻守の収支はマイナスだったかなぁと思います。
 17分。ホールディングのホールディング・・・ではなくハンド。がっつりハンド。私の中のヴェンゲルさんがこう囁いています。「私の位置からは何も見えなかった」と。お誕生日おめでとうございました。

 さて、この辺りの時間からイウォビが目立ち始めます。チーム全体が中々乗り切れない中、最初にエンジンが温まってきたのは彼でした。走って背負っていなして、守備にも労を割きます。攻撃大好きぺレイラとの主導権争いは見ものでした。
 19分。マグワイア。レノ。あっぶな。
 ひやっとさせられながらも何とか攻撃の糸口を探ろうとするアーセナル。ハーフスペース周りに執拗に配給しますが、中々自由を得られない展開が続きます。24分15秒頃、早い展開からベジェリンが駆け上がります。この時左CBのエヴァンスが釣れていて、ようやくハーフスペースの蓋が剥がれました。そして、その場所にきちんと顔を出したラカゼット。やはり頭が良い選手。結局ベジェリンの平凡なクロスで攻撃が終わりましたが、兆しは見えました。この後も徐々に釣り出しに成功するようになるのですが、その後どうする?というのがまだイマイチ。最悪ではないけど別段良くもないという一番コメントしにくい感じでした。

◎30分~前半終了「均衡、崩れる」

 レスターのプレッシングは緩急があったと言いますか、ハーフウェイライン付近を始点にするものもあれば、がっつり前からハメにくるシーンもありました。31分の失点シーンは前からハメられました。下ネタではないです。

 ざっくりとこんな感じ。ホールディングが蹴らされたシーンです。ショートパスの出し所を封じられ、縦に放るしかありませんでした。それを読んでいたマグワイアが機敏な動き出しでカット。ここから始まりました。

 マグワイアがイウォビのプレスを掻い潜ってエンディディに配給、そこから大きく空いたベジェリンのサイドでチルウェルが勝負に出ます。赤く示したエリアでは、3トップと化したレスター中央がアーセナルの最終ラインを牽制しています。これは俗に言う「ピン止め」というもので、相手が迂闊に動けない状況を強いることになります。ベジェリンの位置取りも、こうして見れば致し方ないものであったことが分かります。ラカゼットも頑張って戻っていたのですが、トップスピードからプレー精度を保ったチルウェルの勝ちでした。
 さて、先制点を許したのは第3節のウエストハム戦以来だそうです。思えば開幕強豪2連敗した次の試合で先制を許したこの瞬間が、ここまでのシーズンで最悪の時だったかもしれません(笑) 今シーズンのアーセナル、特にここ最近は失点しても浮足立つシーンがほとんどなくなりました。この試合も全体的にエンジンが掛かり始めたのはこの時間くらいからでした。実際、失点直後に2回良い位置でフリーキックを得ています。41分20秒頃の華麗な展開に、復調を確信した私なのでした。
 とは言え、本当に前半のうちに追いつけたのは素晴らしかったです。終了間際の45分。中盤の混戦をラカゼットのレイオフ経由で抜けます。そしてジャカからフリーの右サイドへ届けられます。先ほどはチルウェルに使われたエリアでエジルとベジェリンがやり返すという構図はアツいのではないでしょうか。こうしてエジル→ベジェリン→エジルであっさりと点を奪って見せました。コースを作ったムヒタリアンのランも褒めてあげたいシーンでした。もちろん、難しいシュートを涼しい顔で沈めたエジルはとんでもない化物でした。

◎後半開始~60分「嵐の前の・・・」

 さて、後半開始。個人的には再びレスターがギアを上げて襲い掛かると予想していました。恐らくアーセナル側も同じ考えだったのか、やや低い位置で様子を確認するように後半に入ったように思えました。
 開始早々なぜか激しく倒れ込んだマディソン。ジャカの手が入ったと言いたいようですが、映像を見るに撫でる程度の接触でした。恐らく感度が3,000倍になる薬でも盛られていたのでしょう。だとしたら納得です。
 そんなことは置いておいて、意外とレスターは激しく来なかったです。ということで積極的になったアーセナル、リスクを掛けて保持攻撃に出ます。実際良くボールは回っていました。レスターも触れません。うんうん、イケそうや。こういう時に落とし穴があるんだなって・・・。
 レスターのコーナーキック。唐突に響き渡るバーの音。止まる心臓。いや、驚きました。セットプレーって本当に怖い、とW杯を経てさらに強く思う私なのでした。
 ところで、ゲンドゥージと仲良くアップしているところが映し出されたオーバメヤン。
  散 髪 ミ ス っ た や ん な ? 
結構不自然だよ。もしかしたら不調になっちゃうんじゃないかと一瞬本気で心配しました。

◎60分~75分「絶頂」

 ここでオーバメヤンとゲンドゥージを投入。加えてジャカを左SBに回す「奇策」に出ます。ここで伏線②が回収されました。この試合を通してリヒトのフォローに回っていたジャカ。それならば最初からジャカにやらせるのもありじゃね?というコペルニクス的発想の転換。押し込めるようになったのもあって、これが思いの外悪くなかったんです。どちらかと言うと3バックの左CBのような振る舞いで、前方の押し上げに寄与します。ジャカが降りたポジションにはゲンドゥージが入り、さらにボール回しがスムーズになります。
 そして迎えた63分。投入直後のオーバメヤンが火を噴きます。得意の右ハーフスペースでボールを受けたエジルが大外を上がってきたベジェリンに惚れ惚れするよなスルーパスを通します。そのボールをベジェリンが綺麗に折り返してオーバメヤンが仕留めました。一瞬でレスター守備陣を置き去りにしたエジルのパスとベジェリンのランニングが結実しました。
 アーセナルの勢いは止まりません。66分。絶頂が訪れます。

 Nothing to say. 

 ちなみにこの3点目で伏線①が回収されました。敢えて低めから組み立てを開始したアーセナル側にレスターが食い付き、前のめりになっていました。その背後を素早いパス回しで侵攻したアーセナルの勝ちとなりました。

 その後も円滑にボールを回すアーセナル。レスターが4-4-2に移行したこともあってチャンスの芽がポコポコと生えてきます。こう考えると、今後は3バックとの対戦も増えてくるかもしれませんね。そう考えると苦労した前半も大きな糧となりそうです。エメリさんとアーセナルならこの経験を決して無駄にしないでしょう。

◎75分~試合終了「安寧と心地よい疲労」

 依然としてアーセナルが主導権を握る終盤。危なげなく時間が進んでいきます。4-4-2でガッチリ噛み合ったような配置になったので、事故が起きる可能性は低かったかと思います。そして、最後まで攻撃の手を緩めないアーセナル。チーム全体がラカゼットに取らせてあげたいという想いで動いている様子は微笑ましかったです。ある意味ラカゼットのおかげで緊張が保たれていたとも言えるかも?(笑) と、そうこうしているうちに試合終了。素晴らしい創造性と不屈の精神で劣勢を跳ね除けたチームに拍手を送りたいです。

 今回の記事はこれで以上になります。ありがとうございました!

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