大人の春休み日記 20190412

会社から5月から復帰するなら、来週産業医との面談をしましょう、と連絡がきた。休職に入る前は4月いっぱい休めば充分と思っていたけど、今の正直な心境は5月からの復帰は非常に不安で、それを考えるとちょっと動悸が始まる。
会社はもちろん延長もできますよ、と言ってくれているので、とりあえず月曜日に主治医の先生と相談する。復帰を考えて不安になる状態なら、まだその時期ではないのかなと思ったり。
そんなことをウダウダ考えていたら夕方に、なっていた。

夕方から芳林堂高田馬場店に向かう。大好きなライターの本橋信宏さんの新刊発売トークイベント&サイン会に参加するため。
大学生の時(20年前!)に『悪人志願』という本橋さんの著書を読んで、初めて文章に惚れるという経験をした。本橋さんは文章がうまい。でも、何よりも魅力的なのは書く対象について根底に愛情と優しさを感じるからだ。決して過剰な表現を使うわけではないのに、書く対象への優しい眼差しを感じる。そして、時に自分のダメさや後悔を曝け出してくれる。だから、本橋さんの文章を読むととても心が揺さぶられる。
『依存したがる人々』なんかは、読み返しすぎてカバーがボロボロに破れてしまった。
以来、新刊が出る度にほとんど購入してきた。だが、なかなかイベントに行く機会がなく、やっと20年の時を経てその機会に恵まれた。今回の新刊『高田馬場アンダーグラウンド』に掲載できなかった貴重な写真や裏話を聞けて大満足なイベントだった。サイン会の時もとても気さくに話してくれて、文章どおりの魅力溢れる方だった。

その後、友人と合流し新宿バルト9で『マローボーン家の掟』を観た。これが、予想していたストーリーとは良い方に違っていてホラーやスリラーというより上質なサスペンスのような内容だった。
細々としたシーンが、観ていた時は「?」と思っていたのに、後から「あっ!あっ!」とつながっていき、見終わった後にも「あのシーンはそういうことか!」と思い返したり。
とにかく面白かった。
11月の体調の悪い時に映画館で不安な気持ちが止まらなくなって以来、映画館に行けていなかった。今回、友人が誘ってくれて、しかも良い作品を観ることができたので、これからまた映画館に行けそうだ。一歩ずつ、回復に向かっているかな。

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