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そのケンタッキー、どうする!?

 2020年から、それまでバラバラに伝えていたことをまとめて、主役力という言葉を使い始めた。ずっと生きづらさを感じていた自分自身が、生きやすくなったと感じた力。

その方法を他の人に伝えていると
「私ってこんなに時間があったんだ。もっといろんなことができそう」
などと言われる。これはどうやら他の人にも有効だぞ?そう思ったことで、ちゃんと言語化したいと考え始める。言語化しながら、今しんどい誰か、高校生や独身時代の私のように、諦めの下で、それでも何かないかともがいている誰かに伝わるようにとばかり考えていた。

主役力とは

主役力と聞いてどんな印象を持つだろうか。自分を中心に世界が回っているような態度だろうか。テレビドラマや映画で輝くメインの俳優さんだろうか。
私が考える主役力は、そんなものではない。
自分に対してカメラを向けて、密着取材をしつつドラマを作るように明日を作る力のことを「主役力」と定義づけた。ジブリ映画“猫の恩返し”のバロンの言葉「自分の時間を生きる」から思いついた表現だった。誰かの物差しじゃなく、自分の物差しで選び、決める。自分の人生においては誰もが主役である、そんな意味だ。

誰かの物差しじゃなく、自分の物差しで決める

自分の物差しで選んで決めるなんて、当たり前じゃないかと思うだろう。でも、今日のあなたの選択は自分の物差しで選んだことだろうか。
以前、ある女性の行動と言葉に感銘を受けた。
彼女のパートナーは、甘いものと油っこいものを控えるように医師から指導を受けていた。にもかかわらず、ケンタッキー・フライド・チキンを買ってきてしまうそうだ。そんな時、彼女は食べてしまって「ごめんね。食べちゃった」と謝るという。当然、パートナーはがっかりし「だから太るんだ」と非難もしてくる。それを笑顔でスルーするのだそう。
当時結婚してまだ3年ほどだった私は、なんていい奥さんなんだろう!と感動。自分ならどうするだろう。“良い妻”だと思われたくて、反対意見を口にできなかった。きっと、心の中では止めた方がいいと分かっていながら、止めなかっただろうと簡単に想像できた。
彼女は相手を責めるのではなく、わざわざ自分が人のものを食べてしまうという行為で責められることを受け入れたうえで、パートナーの体にとって良くないものを諦めさせているのだ。なんて慈愛に満ちた行為だろう!
あの日「主婦の鑑やと思う!」と家で話していたら、私のパートナーは「それはわざわざ食べる必要あるの?」と冷めた目だったけれど。
何はともあれ、私はこの時“良い妻”と思われたいという気持ちが、遠慮につながっていることに気づいた。同時に“良い妻”に思われたいという自分の思いを優先させるのは、パートナーの体に良くないとわかっているものでも食べさせる、自己中心的な行為なのだと自覚した。

これは、私が持っていた“良い妻”の物差しがまず、間違っていたこと。そして、一般的に良いとは思われない行為をも“良い妻”になるということを伝えたくて書いたエピソードだ。誰だって自分の物差しは持っている。でも、それは生きてきた中で形成されていくものなのだ。「一般的に」良いとされることを物差しにしてしまっていることも少なくない。
主役力を上げる、というのは自分の中の物差しに気づく必要がある。そして、本当にその物差しで決めている自分で在りたいか、と自問自答することから始める。
なんたって明日をつくるのだ。もともと使いたくない物差しを使って作る明日が、自分にシンデレラフィットするわけがない。
逆に、自分の物差しはこれなのだと納得して決めたことは、自分の気持ちにフィットしているはずだ。その先に起こることは、コントロールできない。結果として、うまくいかないこともあるだろう。それでも、心にフィットしていたことだからこそ、後悔しにくいのではないだろうか。

さて、前述のエピソード。今の私ならばどうするか。
「先生に言われてるよね」と正面から諦めさせる方法を取るだろう。リマインドが大事だと思うから。それでも、パートナーが食べてしまう時には、仕方がない。食べてしまえばいいと思う。大の大人が理性が働かなくなるほど食べたいなら、きっと身体が欲しているのだ。心も身体も食べ過ぎない程度に満たしてくれればいい。そしてその後、何も言わず数日のおかずを野菜中心にする。食生活は1週間単位でバランスが取れればそれでいいと思う。
それが私の今の物差しでは最適な行動だ。
①パートナーの身体はいといたい
②何度も伝えるのは面倒
③バランスのいい食生活を家族と共有したい
少しでもクリアできる方法があるなら、そのルートを選ぶようにしている。










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