くぼしたに迫られてるこの状況は夢ですか? #1
それは小さなきっかけと少しの勘違いから始まった
2017年
△△中学校
「なあ、〇〇。〇〇って乃木坂知ってる?」
〇:乃木坂?名前は聞いたことあるよ。アイドルでしょ?
「そうそう!最近ハマっちゃったんだよね〜」
〇:へぇ〜
「興味無さそうだな!1回聴いてみてよ!新曲の逃げ水めっちゃ良いから!よだももが可愛いんだよ!」
〇:逃げ水…?よだもも…?
「とにかく!1回聴いてみて!明日感想教えろよ〜!!」
そう言って友達が去って行く
〇:まあ、1回だけ聴いてみるか…
家に帰宅すると早速スマホを手に取りYouTubeを開く
〇:あれ、新曲何て言ってたっけ?まあ、調べれば出てくるか
乃木坂46と検索するといろんな動画がヒットした
〇:ど、どれだ…?
〇:分かんないけど…これ見てみよ
ある動画をタップすると映像が流れ始める
〇:え…可愛い……
〇〇の視線はある2人のメンバーに釘付けだった
翌日
「〇〇!乃木坂聴いたか?」
〇:聴いたよ
「おっ!どうだった?」
〇:名前は分かんないけど真ん中の2人が可愛かった
「えっ!?よだもも!?」
〇:よだももって何?
「その2人の愛称!この2人だろ?」
友達が見せてきた画像の2人はまた別のメンバーだった
〇:いや、違うわ
「え?何て曲聴いたの?」
〇:確か…未来の答えだったかな?
「じゃあくぼしたか!この2人!」
〇:そう!この2人!めっちゃ可愛かった
「フルネームは久保史緒里と山下美月だよ」
〇:久保史緒里…山下美月…か……
これが俺とくぼしたとの出会いだった
___________
2021年
〇:今日から一人暮らしだ〜!!
大学生になった〇〇は上京し、一人暮らしをすることになった
〇:うん、グッズも良い感じだね
あの出会いから〇〇はみるみるくぼした沼にハマってしまっていた
〇:今年からはライブとかミーグリとか参加したいな
地方出身の〇〇はライブや握手会など参加したことがなく、大学生になったらイベントに行ってみたいと思っていた
〇:バイトでお金稼いでたくさんイベント参加するぞ!!
その後、〇〇は多くのイベントに参加し、くぼした両方に認知されるまでになった
〇:美月さんやっほ〜!
美:あ!〇〇〜!来てくれたんだ!!
〇:勿論!推しですから!!
美:嬉しいっ!これからもずっと推してくれないとダメだからねっ!!
〇:推し変なんてしないですよ!美月さんが1番ですから!!
美:ありがと!ねね、〇〇来週のライブ来る?
〇:行きますよ!
美:本当!じゃあ頑張って見つけるね!!
〇:お願いしますね!楽しみにしてますから!
美:うん!またね〜
〇:史緒里さんこんにちは!
史:〇〇君っ!こんにちは!!
〇:覚えててくれたんですね!
史:当たり前じゃん!〇〇君たくさん来てくれるし、顔も……
〇:え?何ですか?
史:な、何でもないっ!!そ、そうだ!〇〇君来週ライブ来る?
〇:行きますよ!
史:やった!じゃあ私頑張って〇〇君見つけるねっ!!
〇:本当ですか!俺も全力で史緒里さんのタオルアピールしますね!
史:よろしくねっ!またねっ!!
〇:今日も2人とも可愛かったなぁ…
2人とも探してくれるって言ってたし、来週のライブ楽しみ!!
そして、待ちに待ったライブ当日
〇:アリーナ席っ!ステージ近すぎる!
2人のタオルを首にかけ、待っているとライブが始まった
〇:あ、美月さんこっち来た!美月さ〜ん!!気づいて〜!!
美:っ!!
どうやら気づいてくれたようで笑顔で手を振ってくれる
〇:可愛いっ…!!
美:!?
しかし突然美月さんの表情は険しくなり頬を膨らませこちらを睨みつけている
〇:え?な、なに??
何がなんだが分からないまま美月さんは去って行ってしまった
〇:あ!史緒里さ〜ん!!
続いて史緒里さんが近づいてくる
史:!!!
〇:あ、気づいた!
笑顔で指ハートを作ってくれる
〇:ヤバっ…可愛すぎる……
史:っ!?
美月さんの時と同じように史緒里さんも突然こちらを睨みつけて去って行く
〇:マジでなに…!?怖いんだけど…
その後は何もなくライブは終了した
〇:最高だったなぁ…
ライブの余韻に浸りながら荷物をまとめていると
「あの、すみません。〇〇さんでしょうか?」
スタッフの人に話しかけられる
〇:は、はい…
「少しお時間よろしいでしょうか」
〇:大丈夫ですよ
「ありがとうございます。では私についてきてください」
〇:分かりました
スタッフの人に連れられて何もない部屋に入り、そこで待機するようにと言われる
〇:(俺なんか悪いことしちゃったかな…)
不安な気持ちに駆られていると
ガチャ
美:やっほ〜!
史:来てくれてありがとね!
〇:美月さんに史緒里さん!?
推しメンの2人が入ってきた
美:私たちがスタッフさんに〇〇を連れてきてってお願いしたの
史:うん!ちょっと話したかったからさ
〇:そ、そうなんですね…
美:ねえ緊張しすぎ!いつもミーグリで喋ってるでしょ?
史:え…
〇:そうですけど実際に面と向かって喋るのは緊張しますよ!!
美:ふ〜ん…
史: ………
〇:し、史緒里さん大丈夫ですか?
史:えっ!?あ、うん!大丈夫!!
美:じゃあ〇〇、そろそろ本題に入ろっか
〇:本題?
史:〇〇君は何でここに呼ばれたのか分かる?
〇:いや…さっぱり…
美:じゃあ、今日何で私たちが〇〇のこと睨んだかは分かる?
〇:それも分かりません…
史:〇〇君、私たちに隠し事してたでしょ
〇:え!?隠し事なんてそんな…
美:私、〇〇は私単推しなんだって思って嬉しかったのになぁ…
史:私だって、〇〇君が単推しで応援してくれてるから頑張ろうって思えてたのに…
〇:あ……
(そういえばくぼした推しって言ってなかった…!!)
美:今日私のタオルと一緒に久保のタオルも持っててショックだった
史:私も何でやまのタオルもって思ったよ!
しかもミーグリもいっぱい行ってて認知されてるみたいだし!!
美:こっちのセリフよ!私だけの〇〇だと思ってたのに!!
史:私の〇〇君だから!!
〇:ふ、2人とも落ち着いてください!それに何ですか私の〇〇って…
美:〇〇さ、ミーグリいっぱい来てるから認知されたと思ってるでしょ
〇:はい…
史:それもあるんだけどね、〇〇君の顔カッコいいからすぐ覚えたんだよ?
〇: ……え………え??
推しからのカッコいいとの言葉に理解が追いつかない
美:うん、今見ても整った顔だもん
美月さんが顔をジロジロと見つめてくる
〇:ち、近い…//
史:やま!抜け駆けはダメ!!
そう言って美月さんを引き剥がす
美:ちょっと!良いところだったのに!
史:うるさい!ここは平等に〇〇君に決めてもらお!!
〇:え?何をですか?
美:どっちが1番好きなのかだよ!
〇:えぇ!?
美:勿論私だよね??
〇:え、えっと…
美:私の方が可愛いよね…?
史:わ、私の方が…か、可愛いでしょ…?
〇:っ…//
(あざとい美月さんも顔真っ赤にしてる史緒里さんも可愛いっ…!!)
「早く選んでっ!!」
〇:選べないよぉぉぉ!!
くぼした推しの〇〇にとってこれは天国なのか地獄なのか…
こうしてくぼしたの〇〇争奪戦は幕を開けた
to be continued.
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?