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ニンジャスレイヤーTRPGシナリオ「脱走バイオ生物討伐任務」

1:はじめに

これは「ニンジャスレイヤーTRPG(忍殺TRPG)」第2版向けシナリオである。

シナリオ概要

セッション名:脱走バイオ生物討伐任務
想定人数:3~4人
参加対象:名声5を越え、『成長の壁』を1~2個突破したPC、新規作成の場合は16スクラッチを使用する
     所属は基本的にソウカイヤのニンジャを想定
キャラロスト:あり
概要:ヨロシサンからソウカイヤへ脱走したバイオ生物の討伐任務が入った
   自前の戦力ではなくわざわざソウカイヤへ依頼をするからには厄介な相手に違いないと派遣されたPC達
   彼らに示された討伐対象は手練れであろうニンジャを二本のドス・ダガーで惨殺する恐るべきニンジャであり
   なによりキツネ・オメーンの下に隠された顔はクローンヤクザそのものであった…
   討伐自体に異論はないが、明らかに何かを隠されたまま従うのも面白くない
   話の裏を取り、場合によっては出し抜いても良いかもしれない。


NM向け記号解説
:「ドーモ、ニンジャスレイヤーです」

のような「:」から太字の文章が続く形になっている文は、シナリオの進行に合わせてNMが読み上げる地の文である。

:「イヤーッ!」(命中判定)「グワーッ!」
のように、内部に判定や条件が書かれた()で文章が区切られている場合、判定が成功するか、シチュエーションが条件に合致していないと、それに続く文章は読み上げられない。

:<DKKが最も高いキャラクター・組織など>の前に、赤黒い影が現れた。
といった「条件」が<>で囲まれている箇所が出現した場合は、そこにその条件に適合するキャラクター・組織などの名前を入れる。

NMの情報:この部屋にはニンジャスレイヤーが潜んでいる。
のように『NMの情報』から始まる文が枠に覆われている場合、その枠内の情報はPLに開示することが想定されていない。

また、このシナリオは原作の以下のシナリオを元ネタとして構成しております。


2.オープニング

ヨロシサン製薬
江戸時代から続く最大手の製薬会社であり、裏社会向けには戦闘用バイオサイバネやクローンヤクザなどの生体兵器を卸している暗黒メガコーポである

君たちは今ヨロシサン本社の会議室にいる、ソウカイヤへと依頼された任務受けに行くためだ。
内容は脱走したバイオ生物の討伐、機密保持のため詳細は本社にて話すとの事であった。
ただのバイオ生物であればヨロシサンの保有する戦力で簡単に捕縛できるだろう、わざわざソウカイヤに依頼するからには相当厄介な存在に違いない、そう考えた上層部は君たちを派遣する事に決めたのである。

君たちは初対面かもしれないしチームを組んだ気心の知れた仲かもしれない、いずれにせよダンゴウが始まる前に会話をしておくべきだろう

一通り会話が済んだところで部屋が暗くなり、スクリーンに乳色の長い髪をした喪服の女性が映る

:「ドーモ、ヨロシ・バイオサイバネティカ社CEO、ヤイミ・コナギバです。スクリーン越しで失礼します。」

NMの情報:PC達の中には彼女がキュアである事を知っていたり既にアマクダリと敵対している者がいるかもしれない。
そのようなPCが彼女を追及しようとしても適当にかわされたとして深入りしない方が良いだろう。
もしそれができない程決定的に敵対しているのであればヨロシサン役員など適当なキャラクターに差し替えてください

:「早速本題に入りましょう、まずはこちらの写真をご覧ください」

そう言って画面が切り替わると十数人のクローンヤクザやリアルヤクザ、そしてヨロシサン社員の惨殺死体が写る。
全ての死体は両手足が切断されており、奇妙な事に手足の指まで全て丁寧にケジメされていた

:「この惨劇は脱走したバイオ生物…いえ、バイオニンジャによる物です。彼は自身を『ケジメニンジャ』と名乗っています。」

:「この中にはヨージンボとしてニンジャも参加していました、それなりの手練れだったのですが彼もなす術なく殺されてしまったようです」

そういうと今度は監視カメラの物らしき映像に切り替わる。
音声の無いその映像では既に片腕が切り落とされた大柄なニンジャと、キツネ・オメーンを被ったニンジャの戦闘が映されている。
大柄なニンジャが突撃すると、キツネ・オメーンのニンジャは両手にドス・ダガーを握って高速で回転を始め、やがて鋼色の竜巻と化す。
鋼色の竜巻に正面から突っ込んだ大柄なニンジャはまるでミキサーに放り込まれたかのように高速で肉片を撒き散らし、爆発四散さえできずに死亡したようだ…

だが、目を引いたのは惨殺の様子でも恐るべきワザマエでもない。
外れかけたキツネ・オメーンから覗く横顔がクローンヤクザそのものであったのだ…

:「その表情、気づかれましたね……ええ、ケジメニンジャはいかなる理由かクローンヤクザにニンジャソウルが憑依した存在です。」

:「ヨロシサンでは現在このようなバイオ兵器の暴走を防ぐべく秘密兵器を開発中ですが、ロールアウトにはまだ時間が必要です。」

:「彼の完成まで待っていては被害が際限なく広がってしまうので、あなた方にその討伐を依頼しました。」

:「ケジメニンジャはどうも意図的にヨロシサンの社員を狙っているようです。我々はそれを利用して彼を誘い出す手配をしたので、あなた方にはそのポイントで待機して直接戦闘をお願いいたします。」

:「場所などの詳細はそちらの資料に記してあるので確認してください。
それでは、武運を祈っています。」

ここまで言うと画面が消え、机には「持ち出し禁止」とハンコされた資料が現れる。
資料を確認するとケジメニンジャを誘い出す日時と場所、報酬などについて記されている。
報酬に不満はないが、ケジメニンジャ本人のことについてほとんど書かれていないのが気になる、任務の前に調査する必要があるだろう

話と資料をまとめて得られる情報は以下のようになる

・ケジメニンジャはY-13型のクローンヤクザの製造ラインにおいてニンジャソウルが憑依して脱走するに至ったイレギュラー個体
・ドス・ダガー二刀流を器用に扱い、手練れのニンジャも軽く惨殺する能力を持つ
・理由は不明だがヨロシサン社員を意図的に狙っており、何らかの恨みを持っているのかもしれない。

2.調査フェイズ

調査フェイズではます以下の2点について調査できる
これはPC一人につきどちらか一つを調査できる

調査判定
・ケジメニンジャについて 難易度NORMAL
・ヨロシサンの秘密兵器について 難易度HARD

有効なスキルと増加ダイス:NMはこれに囚われず柔軟に状況判断してもよい。
最も適した知識スキル(+2):『バイオ系メガコーポ』『ヤクザの流儀』『危険生物』
次に適した知識スキル(+1):『ストリートの流儀』『サイバネティクス』
なお、これは両方の調査判定で共通である

調査した結果得られる情報は以下の通りです

ケジメニンジャについて

成功
ヨロシサンにクローンヤクザをニンジャ化する計画はなく、ケジメニンジャは偶発的に生まれた存在のようだ。
また、ドス・ダガーによる竜巻のような攻撃は歴史上マンジ・ニンジャのみが使用した「カマイタチ・ジツ」であり、彼に憑依したのもマンジ・ニンジャ本人と推測される。
全員に緊急回避ダイス+2

【6】
ケジメニンジャはクローンヤクザのオリジナルである「ドゴジマ・ゼイモン」の所在を探しており、ヨロシサンは偽の屋敷を用意したようだ
ちなみにドゴジマ本人は所在も生死も不明、生きていたとすれば相当な高齢らしい
全員に緊急回避ダイス+3
ケジメニンジャとの交渉判定でダイス+2


【6,6】
クローンヤクザは3年で全ての免疫機能が停止して死に至る。
彼の行動はそれ故の暴走かもしれない、リー先生であれば恐らく自死機能を取り除けるだろう
全員に緊急回避ダイス+4
ケジメニンジャとの交渉判定難易度-1

ヨロシサンの秘密兵器について


成功
秘密兵器とはサブジュゲイターと言うバイオニンジャであり、ヨロシサン製の生物を支配する「ヨロシ・ジツ」を使用できるらしい
彼が完成すしていればケジメニンジャでも対面した瞬間に支配できるようだ
全員に即応ダイス+1

【6】
実はサブジュゲイターはほぼ完成しており、ケジメニンジャも行動不能にまで追い込めば支配できるようだ
ヨロシサンの目的は自分たちに戦闘させてサブジュゲイターに支配させる事だろう
全員に即応ダイス+2
・サブジュゲイターとの交渉判定でダイス+2


【6.6 】
サブジュゲイターには役員級の社員にヨロシ・ジツを使用できないプロテクトがかけられており、それでムーホンを未然に防止しているらしい
全員に即応ダイス+3
・サブジュゲイターとの交渉判定の難易度-1


調査で得られた情報をまとめると以下の二点になる。

・ケジメニンジャはヨロシサンへの復讐と言うよりは恐らく自身のルーツを探す事が動機のようである
・ヨロシサンの目的はサブジュゲイターを使ってケジメニンジャを支配する事である

NMの情報:
この情報は調査判定の結果が芳しくなくてもそのまま公開して良い
(これがわからないと本当にただバイオ生物を討伐するだけのシナリオになるし、元ネタのシナリオを読んでいれば自明の事であるからだ)

君たちに出来る行動は以下の四点になる、下に行くほど交渉難易度は上がるだろう
なお、②を選ぶか、④を選んで交渉失敗した場合はケジメニンジャをスカウトする選択肢は取れなくなるので注意してください

①深く首を突っ込む事はせず、言われた通りケジメニンジャを討伐する
②サブジュゲイターと接触し、戦闘で支援してもらえるように交渉する
③指定ポイントへ着く前にケジメニンジャと接触し、交渉してスカウトする
④サブジュゲイターにケジメニンジャをスカウトする事を伝え、こっそり支援してもらう

①を選んだ場合はそのまま4.偽ドゴジマ・ゼイモン邸にてのシーンへ向かう
③を選んだ場合は5.夜道での接触のシーンへ向かう
②、④を選んだ場合は3.サブジュゲイターとの接触のシーンへ向かう

3.サブジュゲイターとの接触


ヨロシサン製薬の敷地内に存在するトレーニンググラウンド。
そこでサブジュゲイターが最終調整をしていると掴んだ君たちは接触を図るべく侵入を行う。
トレーニンググラウンドの近くは出入りの業者が使う通用口が存在する事もあり、君たちは特に労せず侵入する事ができた。

そして彼がいるとされている控え室に潜入すると、濃緑に金の渦巻き模様の装束をしたニンジャがアイサツをしてくる。
君たちが来る事を予想していたのか特に驚いた様子は感じられない。

:「ドーモ、サブジュゲイターです。ケジメニンジャの討伐を頼まれたあなた達がわざわざ接触すると言うことは、ただのアイサツではないでしょうね…」

:「お察しの通り私のジツはほぼ完成しています、自我の弱いバイオ生物やクローンヤクザであれば確実に支配可能です。ケジメニンジャでも行動不能なほど弱らせれば恐らく支配できるでしょう」

:「それで、何がお望みですか?ちなみに、今は私がこの部屋のセキュリティを切っているだけなので滅多な事は考えないように。私が指一本動かせば10を超えるバイオニンジャが押し寄せてきますからね……」

ここで代表者1名が交渉判定を行う

①戦闘で支援をして欲しい 難易度HARD
②ソウカイヤでスカウトするので手伝って欲しい 難易度U-HARD2
③何でもない、アイサツに来ただけだ(②の判定が不可能と判断し、かつケジメニンジャのスカウトをしたい場合用の選択肢である)

有効なスキルと増加ダイス:NMはこれに囚われず柔軟に状況判断してもよい。
最も適した交渉スキル(+2):『駆け引き』『誘惑』
次に適した交渉スキル(+1):『理路整然』

最も適した知識スキル(+2):『バイオ系メガコーポ』『危険生物』
次に適した知識スキル(+1):『サラリマンの流儀』『セキュリティ』

・戦闘で支援をして欲しいに成功

:「支援ですか…自我が確立している相手には一瞬動きを止めるのが限界ですが、それで良ければお手伝いしましょう」

:「ただ、直接の戦闘参加は不可能なので悪しからず、私はあくまでヨロシサンの所有物なのです……今はまだ」

彼にとってはそこまでの無茶ではないようで、さしたる追及も無く受け入れてくれたようだ。

 「4.偽ドゴジマ・ゼイモン邸にて」へ進む

・ソウカイヤでスカウトするので手伝って欲しいに成功

:「ヨロシサンを出し抜くつもりだから手伝ってほしい?……あのですね、それを私が了承するとでも思っているのですか…?」

:「……ですがそうですね、いつになるか不明、内容も危険度もまだわからない、ヨロシサンの名声もソウカイヤの名声も恐らく手に入らない」

:「この依頼を私が出した時に何も言わずに受ける、それを呑むなら協力してあげましょう」

:「あなた方が言っていることはこれと同じくらいの無理筋だと言う事ですよ…流石にソウカイヤをヌケニンしろなどとは言いませんけどね」

心の底から呆れた様子のサブジュゲイターであったが、彼なりの計算なのか将来何かの依頼を受ける事を条件に乗ってくれたようだ。

 「5.夜道での接触」へ進む

NMの情報
プレイヤーが罠ではないかと不安に思っている場合、以下の背景説明を入れて罠では無い事を説明してください

※サブジュゲイターは自身にかけられた役員級以上の社員にジツを使用できないプロテクトを解除する手段を探しています。
その手段を発見した時に戦力として同行してもらうための交渉です
原作で言うと2部「オペレイション・レスキュー」や3部「ニチョーム・ウォー」などでその様子が見られます

・交渉判定に失敗した場合

:「なるほど、あなた方の考えはわかりました…」

:「今の話は聞かなかった事にしてあげましょう、だから私がセキュリティを呼ぶ前に帰りなさい」

:「変な気を起こさず、ヨロシサンの依頼をこなす事だけを考えてください」

一瞬考えこんだサブジュゲイターだったが、話を聞く価値なしと判断したのかにべもなく追い返されてしまった…

 「4.偽ドゴジマ・ゼイモン邸にて」へ進む

4.偽ドゴジマ・ゼイモン邸にて


山奥に存在するキョート風のシュラインめいた奥ゆかしい邸宅
その外の庭園には大量のモミジが植えられ、狂ったように緋色の葉を撒き散らす。
これはヨロシサンが用意した偽のドゴジマ・ゼイモンの邸宅である。
君たちはタタミの上でフォーメーションを組んでケジメニンジャの訪問を待ち構えている

:「アバババババーッ!」庭園にいた警備クローンヤクザ達の悲鳴が響き、敵が来訪した事を告げる!

:「ドーモ、ケジメニンジャです。」フスマを開けて現れたのは濃紺のニンジャ装束に身を包み、キツネ・オメーンを被ったニンジャであった。

:「…ヨロシサンが雇ったニンジャか、ここはドゴジマ・ゼイモンの屋敷ではないようだな」

:「この戦いもヨロシサンにモニタリングされているのだろう、それを見ている奴に聞く事にしよう」

:「お前達をケジメする」

最初から交渉の余地は無い、カラテあるのみ!

下記のファイル内の「偽ドゴジマ・ゼイモン邸」マップにPC達を配置し、
イニチアシブを確認してから「6.戦闘」へ進む


5.夜道での接触

ヨロシサンが用意した偽のドゴジマ・ゼイモン邸、そこへ向かう山のふもと近くにある路地。
恐らくケジメニンジャはそこを通ると予測をつけ、待機してた君たちの前に濃紺のニンジャ装束を着込み、キツネ・オメーンを被ったニンジャが現れる。

:「ドーモ、ケジメニンジャです。」

:「アンブッシュではなさそうだな…何の用だ?」

:「なるほど、俺の掴んだ情報は偽物で俺を支配できるニンジャが待ち受けているか…前者はともかく後者は予想していなかったな。」

:「それで、俺に何を求める?ただの親切と言うわけではあるまい。」

ここでソウカイヤのスカウトに応えるよう交渉判定:U-HARDを行う事ができます

有効なスキルと増加ダイス:NMはこれに囚われず柔軟に状況判断してもよい。
最も適した交渉スキル(+2):『共感』『超然』
次に適した交渉スキル(+1):『理路整然』
最も適した知識スキル(+2):『バイオ系メガコーポ』『ヤクザの流儀』
次に適した知識スキル(+1):『危険生物』『ソウカイヤ』

・交渉に成功時
 
:「いいだろう…ただし数人がかりで俺を倒せない奴らについて行く気はない」

:「意図してとどめは刺さない、それ以上の手加減は期待するな」

それだけ言うとケジメニンジャはドス・ダガーを構える…カラテの時間だ!

この後の戦闘においてPCの【体力】がマイナスになった時、一度だけ爆発四散をキャンセルして【体力】0の気絶状態になります。
ただしサツバツ!による即死を受けた場合はそのまま爆発四散します。

・交渉に失敗時

:「断る。どうしてもと言うのならば力尽くで引きずって行け」

:「お前達をケジメする」

それだけ言うとケジメニンジャはドス・ダガーを構える…カラテの時間だ!

交渉が成功、失敗どちらになった場合でも下記のファイル内の「夜道」マップにPC達を配置し、イニチアシブを確認してから「6.戦闘」へ進む


6.戦闘

前のシーンで配置したマップを元に戦闘を開始する。
3ラウンド目開始時にハードモード、5ラウンド目開始時にウルトラハードモードへアトモスフィアが変更される。

・ケジメニンジャの能力と行動指針

◆ケジメニンジャ (種別:ニンジャ/クローンヤクザ)
カラテ    9  体力   9
ニューロン  6  精神力  12
ワザマエ   7  脚力   5/UH
ジツ     5  万札   10
攻撃/射撃/機先/電脳  9/7/6/6
回避/精密/側転/発動  9/7/6/11
即応3、緊急回避0

◇装備や特記事項
ドス・ダガー二刀流(カタナ二刀流):ダメージ1 連続攻撃+1
キツネ・オメーン(ブードゥー相当)
●連続攻撃2 ◉回転斬撃強化  ◉◉グレーター級ソウルの力
●即死耐性
●バイオヤクザフェロモン
 このニンジャは「クローンヤクザY-13型」としても扱う
 故にハイデッカーなどのY-14型クローンヤクザに対しては『攻撃難易度+1』されるが、
 攻撃判定時に『精神力1』を消費する事でこの効果を無効にする事ができる。

★◉鋼の竜巻
カタナ二刀流を装備中かつ連続側転に成功した手番中、『轢殺攻撃3』を得る

★◉銃弾の切り払い
・カタナ二刀流を装備中かつ連続側転に成功した時、
 次の手番開始時までスリケン及び銃器の攻撃に対して『回避難易度-1』

★◉斬撃の嵐
・カタナ二刀流を装備中かつ連続側転に成功した手番中『切断攻撃』(6.5+でサツバツ発生)を得る

★★カマイタチ・ジツ
自身の手番開始時に『精神力3』を支払い発動(発動難易度H)、次の手番開始時まで以下の効果を得る
・効果中『連続側転』の判定に自動成功する
 さらに連続側転後の行動難易度上昇を無効にする
・『回転斬撃』使用時に以下の強化版が発動できるようになる
 【6,5+】:隣接している敵全員に1ダメージを2回与える。
 【6,6.5+】 :隣接している敵全員に1ダメージを3回与える。
・回避ダイスを4個消費する事で『回転斬撃』の後に通常の攻撃を行う事が可能
 (攻撃するかどうかは回転斬撃終了後に選択する)
次の自分の手番開始時、『精神力2』を消費する事でジツの継続を選んでも良い


能力まとめ
・連続側転に成功すると「銃弾・スリケンの回避難易度-1」「轢殺攻撃3」「切断攻撃」を得る
・カマイタチ・ジツ中は連続側転に自動成功し、移動後の判定難易度上昇を無視できる
・移動中に轢殺攻撃3(判定無し/1人1回/回避N)、
 移動後に回転斬撃(判定H/1~3回/回避H)、
更に連続攻撃3(回避ダイス4個消費/判定H/回避N)と最大で7回連続攻撃が可能

行動指針
・精神力が続く限りカマイタチ・ジツの発動、継続を行う(攻撃性能のほとんどをこのジツに依存しているからだ)
・カマイタチ・ジツの発動中は轢殺攻撃で可能な限り多数のPCへ攻撃し、その後回転斬撃→通常攻撃のコンボを行う(連続側転での移動は元のマスへ戻ってはいけない事に注意)
こちらは敵の数を減らす事を優先するが、遠隔攻撃中心の相手を潰しに行っても良い
・精神力が切れた後は基本的に連続側転を狙う(★⦿スキルは全て連続側転成功が前提である)
通常の連続側転の場合行動難易度上昇が乗る事に注意

NM向け情報
キャラクターの背景上、ミニオンを連れて来るのは不自然な事もあって最大7回攻撃と異様に攻撃回数が多くなっている
(7回は滅多にないがテストプレイでもだいたい4~5回連続攻撃になった)
その分攻撃後の回避ダイスは決して多くなく、精神力が切れた後はほぼ何も出来なくなるが
厳しいと思った場合は以下の調整案を試して欲しい

・回転斬撃強化の削除
 回転斬撃の回避難易度が下がるのでPCにかかるプレッシャーが大幅に下がる。さらにカマイタチ・ジツでの強化版発動をそれぞれ【6.6】【6.6.6】にしても良い(ここまですると逆に弱すぎるかもしれない)
・カマイタチ・ジツから『連続側転後の行動難易度上昇を無効』を削除する
 回転斬撃と通常攻撃の攻撃難易度がUHになるので攻撃回数の大幅な減少が見込める。ただし攻撃回数が極端に不安定になるので逆に調整しにくくなるかも知れない
・銃弾の切り払いの削除
 全員が遠距離攻撃を選んでバラバラに距離を取られるのが一番嫌な展開なので近接戦闘を選ばせるためのスキルだが、銃撃やスリケンがメイン火力のPTだと撃破が厳しくなるのでその場合削除しても良い

逆にPTに対して弱いと感じるようなら
・銃弾の切り払いを「スリケン・銃撃にのみ有効なダメージ軽減1」に強化する(距離を取らせない)
・斬撃の嵐で付与される「切断攻撃」を「肉体破壊」に強化する
・回転斬撃強化版の出目を【5+,5+】【6,6,5+】へ強化する(テストプレイではこの仕様だったが全ての手番で2回攻撃になった)
・常人の三倍の脚力の追加(精神力が切れた後もある程度安定して連続側転が可能になる)
などの強化が考えられる

描写案

・攻撃時:「イヤーッ!」「ケジメ!」
・ダメージ時:「グワーッ!」

・カマイタチ・ジツ発動時
 「お前達をケジメする」
ケジメニンジャが静かに宣言すると軽く跳ねて危険な横回転を開始する。
見る間に異常な回転速度に達し、剣呑なドス・ダガーの竜巻と化した!

・轢殺攻撃発動時
 「イイヤァアアアッ!」
ドス・ダガーの竜巻と化したケジメニンジャがそのままの勢いで<最初に攻撃を受けるPC>達へ突進する。
アブナイ!躱さねば無惨な肉片となって飛び散ってしまうだろう!

・強化版回転斬撃発動時
 「イヤーッ!」
 回転の起動が突如不規則にぶれ、<攻撃を受けるPC>達の周囲を衛星めいて回転する!アブナイ!

・スリケン・銃器を回避時
 カーン!甲高い音を立ててあらぬ方向へスリケンが弾かれる!

・サツバツ!発生時
「ケジメ!」
にわかにケジメニンジャの回転速度が増し、規則が不規則に揺れて<攻撃を受けたPC名>のガードをすり抜けた!

サブジュゲイターの支援及び介入

戦闘中、以下の条件を満たすと突如サブジュゲイターが現れてケジメニンジャを支配します。

全シチュエーションで共通
・PCの一人が爆発四散する
・PCの二人以上が戦闘不能になる
・その他NMが勝負有りと判断した場合

偽ドゴジマ・ゼイモン邸での戦闘時は更に以下の条件でも現れます
・ケジメニンジャの【体力】を0以下にする

また、「3.サブジュゲイターとの接触」での交渉判定に成功していると1回だけ以下の支援のどちらかを受ける事ができます

・ケジメニンジャの攻撃フェイズ時に発動、回転斬撃と近接攻撃を全て中断させ、次の手番開始時まで『崩れ状態』にします
・ケジメニンジャが回避判定をする時に発動、その回避判定1回を強制的に失敗させ、次の手番開始時まで『崩れ状態』にします(使用した回避ダイスは戻ってきません)

描写案

「……!?」ケジメニンジャの身体が電撃に撃たれたかのように硬直する!
一瞬で振り払い行動を再開するがニンジャ同士の戦いでは致命的な隙だ!


戦闘の決着

1.偽ドゴジマ・ゼイモン邸でサブジュゲイターが介入した場合

:「今です!ヨロシ・ジツ!イヤーッ!」
:「………!」

突如現れたサブジュゲイターが手を翳すとケジメニンジャは電撃に撃たれたように動きを止める
時々もがくように手足を動かすがその動きも徐々に収まり、やがてゆっくり顔を上げるとキツネ・オメーンを外してサブジュゲイターにひざまづく

:「サブジュゲイト(服従)…あなたの血にヨロシDNAが流れている限り私の支配には抗えません」
:「…………」

:「皆さんお疲れ様でした。スタッフが待機していますので負傷した方はそちらへどうぞ、無論治療費は経費に含まれますのでご心配なく」

:「ケジメニンジャは貴重な検体としてヨロシサンが回収いたします、私と彼の存在はシャガイヒ級の機密となりますのでくれぐれも口外されませんように」

そこまで言うとサブジュゲイターはクローンヤクザと一切区別がつかない顔のケジメニンジャを引き連れ去って行った。

その後ケジメニンジャがどうなったか、君達が知る事は無かった。

「8.報酬と余暇」へ進む

2.夜道でケジメニンジャに勝利した場合

:「グワーッ!」
激しいイクサの末ついにケジメニンジャは力尽きて倒れる!
立ち上がる力も失った様子の彼を見て君たちは再びソウカイヤへスカウトするために交渉判定:U-HARDを行う事ができます
ただし戦闘前の交渉判定に成功していた場合はこの判定をする必要はありません

有効なスキルと増加ダイス:NMはこれに囚われず柔軟に状況判断してもよい。
最も適した交渉スキル(+2):『共感』『超然』
次に適した交渉スキル(+1):『理路整然』
最も適した知識スキル(+2):『バイオ系メガコーポ』『ヤクザの流儀』
次に適した知識スキル(+1):『危険生物』『ソウカイヤ』


・戦闘前、戦闘後どちらかの交渉判定に成功した
 

:「……元より目的らしい目的もない、ヤクザに収まるのも悪くないかもな」

そう呟いたケジメニンジャはキツネ・オメーンを被り直すと武器を捨ててPC達の指示を待つ。

君たちはソウカイヤの回収班を呼んでケジメニンジャを預けると、彼が捨てた武器を討伐の証拠としてヨロシサンに引き渡す

:「……確かにケジメニンジャの武器に相違ないですね。」

唐草模様の装束を着た指揮官らしきニンジャ…サブジュゲイターは武器を検分すると疑いを隠す気も無く君たちを睨む

:「疑念が無いと言えば嘘になりますが、そこを追求する事は私の権限外です」

:「今後三週間被害の情報がなければ契約に基づいて討伐報酬を支払いましょう、負傷した方はスタッフに申し出てください」

恐らくこちらが匿っている事を見抜いているが、幸い本気で追求する気は無いようである。
非礼にならない程度にアイサツと治療を済ますとケジメニンジャと合流するべくトコロザワ・ピラーへと急ぐのであった…

「7.トコロザワ・ピラーにて」へ進む

・戦闘前、戦闘後の両方で交渉判定に失敗した場合
 もしくは戦闘に敗北してサブジュゲイターが介入した場合

(スカウト失敗時):「俺はケジメニンジャだ、最期までケジメを遂行…」
:「今です!ヨロシ・ジツ!イヤーッ!」
:「………!」

突如現れたサブジュゲイターが手を翳すとケジメニンジャは電撃に撃たれたように動きを止める
時々もがくように手足を動かすがその動きも徐々に収まり、やがてゆっくり顔を上げるとキツネ・オメーンを外してサブジュゲイターにひざまづく

:「ドーモ、サブジュゲイターです。貴方達は指定ポイントへ着く前に偶然ケジメニンジャと交戦し、私はそれを察知して救援に入った…その方がお互い都合が良いでしょう?」

:「ケジメニンジャは貴重な検体としてヨロシサンが回収いたします、私と彼の存在はシャガイヒ級の機密となりますのでくれぐれも口外されませんように」

そこまで言うとサブジュゲイターはクローンヤクザと一切区別がつかない顔のケジメニンジャを引き連れ去って行った。

その後ケジメニンジャがどうなったか、君達が知る事は無かった。

「8.報酬と余暇」へ進む
 
 

7.トコロザワ・ピラーにて

ソウカイヤの本拠地、トコロザワ・ピラー
PC達のスカウトに応じたケジメニンジャを連れて顛末を説明すると、ソニックブームは大笑して後始末を引き受けてくれた

:「それで、ヨロシサンを出し抜いてこいつを連れて帰ったって事か…ハッハッハ!最高じゃねえか!ヨロシサンには俺が話をつけといてやるから安心しな!」

その後、ソニックブームはクローンヤクザと変わらぬ顔のケジメニンジャをまじまじ見つめると感心したように声を出す。

:「相当なカラテだ、元がクローンヤクザとは思えんな…名はあるのか?無いなら俺が付けてやってもいいが…」
:「ケジメニンジャだ、俺の名はこれでいい」
:「…そうか、ならとりあえずラボに送るぞ。リー先生ならクローンヤクザの寿命も取り払えるだろうしな。」

:「テメェら、暇ならコイツについて行ってやんな、誰かが見てやらんとリー先生が興奮しすぎてそのまま解剖しかねないからな…」

こうして、ソウカイヤに新しいニンジャがスカウトされたのであった…

「8.余暇と報酬」へ進む

8.余暇と報酬

シナリオ評価

A+:ケジメニンジャをスカウトした
万札70を山分け 名声+1
A:ケジメニンジャを撃破した

万札60を山分け 名声+1
B:ケジメニンジャの体力を半分以上削る事ができた
万札50を山分け 名声+1
C:ケジメニンジャの体力を半分以下にできなかった、
 もしくは殺してしまった

万札40を山分け 名声+0
D:決着をつける事なくケジメニンジャから逃げ帰った
万札0 名声-1

スカウトに成功した場合はソニックブーム、
スカウトにできなかった(しなかった)場合はサブジュゲイターが報酬を渡します

また、シナリオの展開によって以下のキャラクターとユウジョウ判定ができるようになります

ケジメニンジャ
・ソウカイヤへスカウトに成功した場合
・サブジュゲイターにスカウトへの協力を取り付けた上で交渉失敗した場合
 (サブジュゲイターが特別に接触させてくれるのだ)
なお、後者の場合サブジュゲイターの親愛度より高い親愛度にすることはできない(同値はOK)

サブジュゲイター
・サブジュゲイターとの交渉判定に成功した場合

余暇は3日、シナリオ評価がC以上の場合はヨロシサンが経費で治療してくれるので部位損傷を余暇と万札の消費なく治すことができます。

余暇の処理をしたらセッション終了です、お疲れ様でした!

9:親愛度データ



親密度データ:ケジメニンジャ

「お前をケジメする」//「俺は何者でもない」//「俺は誰だ?」//「見た夢を少し覚えている」

最重視するパラメータ:【精神力】の最大値

親愛度1
このオメーンが俺の顔だ、これを外してしまえば俺とクローンヤクザを区別する物は何もなくなる
『知識:ヤクザの流儀』/『知識:危険生物』

親愛度2
ああ見えてクローンヤクザには意思も人格もある、個性は塗りつぶされて存在しないが
『知識:バイオ系メガコーポ』/『◉滅多斬り』

親愛度3
俺の自我はマンジ・ニンジャの物なのか、ドゴジマ・ゼイモンの物なのか、それが知りたかったんだ…
『◉IRCコトダマ空間認識』/『◉交渉:超然』

親愛度4
俺は俺だ、それでいい。
『◉回転斬撃強化』/『◉不屈の精神』
爆発四散
「……!」

**キツネ・オメーン・オブ・ケジメニンジャ**
ケジメニンジャが自分の顔として被っていた狐面
ケジメニンジャのカラテが宿っている

頭部防具として扱う 回避ダイス+1
1シナリオに1回、回転斬撃を発動する時に追加で回避ダイスを2個消費する事で以下の強化版を発動可能になる
【6,6】:隣接している敵全員に1ダメージを1回ではなく2回与える。
【6,6,6】:隣接している敵全員に1ダメージを1回ではなく3回与える。
回転斬撃強化を持つ場合、必要な出目が【6.5+】【6.6.5+】に変更される。


親密度データ:サブジュゲイター

「服従(サブジュゲイト)…あなたは私に逆らえません」//「バイオ生物で私に勝てる者はいませんよ」//「上層部は何を考えているんでしょうね…」//「これは私のプロテクトを解くきっかけになるかも…」


最重視するパラメータ:【ニューロン】

親愛度1:ドーモ、何の用でしょう?
『知識:サラリマンの流儀』/『知識:危険生物』

親愛度2:どこかに私の試作品にあたるニンジャがいるらしいですよ?生きているかはわかりませんが
『知識:バイオ系メガコーポ』/『◉シャープシューター』

親愛度3:あなたにはあまりバイオ化して欲しく無いですね、私が支配できるとなれば対等な関係ではなくなってしまう。
『交渉:理路整然』/『◉トライアングル・リープ』

親愛度4:あなたにならばいいでしょう…
私はいずれ自身にかけられたプロテクトを解除してヨロシサンを手中に納めます。
その暁にはぜひあなたを腹心として雇用したい、どうですか?
『◉特殊近接ステップ』/『◉忠誠心:ヨロシサン』

爆発四散:私は、ヨロシサンを…サヨナラ!

**ズキン・オブ・サブジュゲイター**
サブジュゲイターが被っていた唐草模様の頭巾、サブジュゲイターのカラテが宿っている
頭部防具として扱う、回避ダイス+1
1戦闘に1回、バイオニンジャ、危険生物、もしくはクローンヤクザ1体を対象として移動フェイズに発動可能
その対象に回避不可の「回避ダイスダメージ2」を与える
対象が回避ダイスを持たない場合は代わりに「1ダメージ」を与える


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