ラッシュCSチーム戦いってきた

先日、その男は四谷の駅にいた。
その日行われるポケモンカードのチーム戦
「ラッシュCS3人チーム戦」に参加するためだった。

チームメイトは「ミラン」「微粒」といったまさに歴戦の猛者達。ONE PIECEでいうところのゾロとサンジ。ドラゴンボールでいうとヤムチャと天津飯。
ドラえもんでいうならば映画版ジャイアンとしずかちゃん。

男は頼れる仲間と意気揚々と会場に向かった。
負けれない。チーム戦だからこその大きなプレッシャーを感じていた。足を引っ張りたくない。

この日の為の練習は何もできなかった。仕事は忙しいし、普段のポケカ仲間との都合もあわず、男は一切練習をしていない。
だが、デッキだけはしっかりと考えていた。新弾のナイトワンダラーが発売され、環境を動かすパワーカードも収録されていたからだ。ヨノワールの進化ライン、夜のタンカ、キチギ、キチチ、?!キチキ×○exといったパワーカードはさすがに無視できない。
そこで考えたのが

“ドラパルトピジョットヨノワール”

通称「ドトール」なんかコーヒー美味しそう☕️
このデッキに決めた。大体の採用カードは決まり、1枚だけ男を悩ませた。
そう。緊急ボードってホンマにいるの?説である。まずこのカードにおいては一つ大きな疑問がある
緊急ってそれボードで解決するの?緊急の人がボードに乗ってるのって見た事あります?もしボードに乗ってる人がいて、その人が緊急っていってたとしてもそれは緊急じゃないですよね?
そもそもポケカにおいて緊急ってどんな事態?なにが緊急で、ボードはその起こりうる緊急をはたして解決してくれるのか??緊急、緊急ってホンマはどんな意味なん?
男にはわからなかった。
分からない時はgoogle先生の出番である。

【緊急】
事が重大で、その対策などが急がれること。
 「事は―を要する」
なるほど。
うん、これはダメだ、絶対に必要なやつだ。まさに備えあれば憂いなしである
緊急な時はボードなのである。緊急事態よ!今すぐ対処して!っていわれればボードでシャーっと道を進めばもう解決してるのである。
絶対に採用しなければならない。緊急事態が起こってからでは遅いのだ。デキる男は常に備えている。何事にもスマートに対処できなければならない。そうでなければモテない
モテたい

ただ枠の問題は大いに男を悩ませた

作ってみればわかるが、ポケカにおいてデッキを60枚に収めることはとても難しい。基本的になにも考えず作ると75枚くらいからのスタートだ。悩んだ。悩みすぎて病んでいた。毎晩髪をかきむしり、発狂しては通報されていた。
ついには病んで放棄した。
そんなある日デッキができた。あとハゲもできた

もちろん“緊急ボード”は採用した。もはやこのデッキのメインテーマといっても過言ではない。

デッキ名は
緊急・D(ドトール)・ボードと名付けよう。

図らずとも“Dの意志”まで受け継いでしまった

海賊王になるべく男は僕が考えた最強デッキを携えて一回戦に向かう。目指すはラフテル

しかし、よくよく確認すると両翼も全然練習してなかった。
ゾロとサンジなんて過大評価もいいとこだ
フォクシーとクリークレベル。
ラフテルなんて夢のまた夢でイーストブルーで暴れるのが精一杯なメンツ
不安感を背負いながら、席には、フォクシー、カルー、クリークと並んで座った。

はっはっは。実は僕、新弾からポケカ始めたんですよねー笑
今まではカードゲームとか少し抵抗があってーー。。
あと、エネルギーカード?あれ59枚いれると強いっすねー!毎ターンエネルギー貼れる。エネルギーカードいっぱいつけたら強いわざいっぱい使えて楽しいんです🎵

男は息を吐くように嘘をついてみせた。下げれるハードルはどこまでも下げるのが男のやり方だった。

対戦が始まった。数週間ぶりの対人戦。
一回戦は勝って勢いをつけなければいけない。
男はじゃんけんに鉄板のチョキをだした。この男はチョキしかださない。どんな時でもだ。
勝った。やはりチョキだけは裏切らない。サポは無いもののポケモンは置ける悪くない展開。
ドラメシヤ、ポッポと展開してエンド。その時点で男の浅はかな嘘はバレていて軽蔑らしき視線は感じていた

相手のデッキはというとー、忘れた。この一回戦だけはどうしても思い出せない。次のおれのターン!!手札に有効なカードはない。ドロー!

“おはこんハロチャオ”

引いたカードはナンジャモ!!これは嬉しいカードだ。
もちろん即ジャモる。
ナンジャモの後の手札をみて男の目は瞳孔が大きく開いた。来たのだ。やつが来た!!
緊急ボード!!という事は俺はもう先行2ターン目にして緊急事態に陥っているという事なのか?!それを察知してこのタイミングで手札にきてくれたのか??なんだか救われた気持ちに男はなっていた。あの日、緊急ボードを採用した俺ありがとう。備えあれば憂いなし、男はそう思わずにはいられなかった。勝てる!勝てるぞこの試合!準備を怠らなかった。山登りにくまスプレーをもっていかないやつがいるのか?俺はどんな問題にも対応するぜ、そう緊急ボードがあるからね

ただ、この手札ではこの“おれのターン!”にやれることはない。ロトムを置いて充電するくらいしか。ロトムを場に置き、男はそのまま条件反射かのようにロトムに緊急ボードを貼って充電エンド。
ん?んんん?あれー?ロトムって道具2枚貼れましたっけー??封印石が死にました

手札にはペパー。石があればピジョットに進化して展開できたのに、そっからかっこいいドラゴンを召喚して暴れれたのに。場には雀とウナギ。
蹂躙されていく雀とウナギ。もはや絶滅寸前
緊急なのよ。ボードのせいで。誰がなんといおうと今が緊急事態なんよ。

ロトムの後ろで金色に光る緊急ボード。死に出しの時のみ活躍する緊急ボードwithロトム。

負けました。投了です。

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