HIZURUデザイナーズノート①

ボードゲームヒーローズでゲームデザインを担当しました、秋山昂亮です。ヒイヅル制作のデザイナーズノートの第一弾を書かせて頂くこととなりました。お読みいただきありがとうございます。

僕はYUTRIO(ユトリオ)というチームでボードゲーム制作を行っています。これまで「トゥールームス」「カルタマリナ」などのゲームを制作しました。はじめてゲームを制作・販売してから、2年も満たない新米ゲームデザイナーです。そんな僕ですが、日本のボードゲーム業界を牽引するカナイセイジさんや上杉真人さんとご一緒してゲームを制作するという、大変貴重な経験をさせていただきました。

ボードゲームヒーローズでの僕の役割は、ゲームシステムの軸となるアイデアを考えること、それをブラッシュアップしていく中で様々な決定を下すことです。ゲームシステムにおける「0を1にすること」と「1を100にする過程の監修」といった感じです。とは言ったものの、実際はカナイさん、上杉さんのお二人に助けられまくりでしたが......。

ゲームのブラッシュアップで最も苦労した部分は、作業感をどう脱却するかという点です。プレイヤーに「やらされてる感覚」を与えている要因は2つありました。

まず、このゲームでは「時間を巻き戻してループする」仕組みがあります。文字通り、振り出しに戻るわけですが、プロトタイプの段階では同じことを何度もやらされてる感じがありました。
マップのマスやヒグライの攻撃の情報を得ることで、先のループより効率よく攻略できる、いわゆる「死にゲー」の体験を目指していたのですが、それだけはループ毎の展開に変化が少なすぎました。これを脱却するために導入したのが、スキルボードです。
スキルボードはループを跨いでも引き継ぐ事ができる成長要素です。次のループのために情報を得るか、主人公を成長させるか、という選択肢も生まれ、ループ毎の展開に変化が加わったと思います。

プレイヤーに作業感を与えるもう一つの要因は、ゲームの開始時にマップのマスタイルがすべて伏せられていることです。「何が起こるかわからないからどこに止まっても同じ」であったため、プレイヤーの選択に意味がなくなってしまっていました。実際のところ、マスを適当に空けていくことにはなるのですが、マップのエリアごとに仲間にできるおともの偏りがあったり、主人公ごとに仲間にしたいおともの特徴があったり、ボーナスマスがあることなどによって、ある程度の目的感が生まれました。
また、ヒグライの第1形態カードは、すべて「〇〇属性の攻撃のみ有効」となっています。これも、まずはこのエリアを探索しよう、という目標をプレイヤーに与えるためです。

課題だらけだったヒイヅルですが、カナイさん上杉さんのデベロップによって、絶妙なバランスの最高の協力ゲームになりました。 
なんでこういうルールなんだ?と想像して遊んでみると面白いかもしれません。


1/11まで、期間限定のレイトプレッジをやってます。
公式サイトはこちら

ぜひヒイヅルをよろしくお願いします。

そしてなんと、HIZURUデザイナーズノート第二弾、第三弾はカナイさん上杉さんに書いていただけるとのことです。乞うご期待!!

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