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協力ゲーム「ヒイヅル」48時間のルール変遷

こんにちは、YUTRIOの秋山です。
今回、ボードゲームヒーローズというゲムマライブの企画にゲームデザイナーとして参加させて頂きました。ライブ配信では、ゲームの制作過程をあまり発信できなかったと思うので、文字媒体で皆さんと共有できる形に残したいと思います。素体であるゲーム「グレートデベロップメントクエスト」が48時間でどのような検討を経て変わっていったのかが少しでも伝われば幸いです。

ルールの詳細はこちらの記事で紹介しています。

ゴールとテーマの検討(制作開始から約3時間)

このゲームが目指すゴールを「1000万円集まる可能性のあるゲーム」
ゲームのテーマを「日本の童話に登場する主人公が集結し、鬼退治をする」と定めました。

普段からボードゲームをキックするコアボードゲーマーのみをターゲットとすると上記ゴールの達成が難しいという意見から、広くゲームを楽しむ一般層や海外層を意識した内容にするという方向になりました。
そのためテーマを「広く受け入れられると同時にフックのあるもの」として、誰もが知っている童話のキャラクターがかっこよく活躍するというテーマになりました。

ルール①(制作開始から約6時間)

プレイヤーはおとぎ話の主人公となり、鬼退治をするために鬼ヶ島へと向かいます。道中で仲間を引き連れることで成長し、鬼退治の準備をします。鬼を倒すことができたらゲームクリアです。

・ゲームは鬼ヶ島を目指す「探索ラウンド」ボスと戦闘する「鬼退治ラウンド」の二つに分かれます。「探索ラウンド」にてマップ上の鬼ヶ島に到達したプレイヤーのみ、「鬼退治ラウンド」に参加することができます。

・「探索ラウンド」の開始時にたくさんのダイスを振ります。プレイヤーは自分の手番でダイスの出目のうち1つを使用することができます。共通のダイスをすべて使用しきると自動的に「鬼退治ラウンド」へ進みます。

・「探索ラウンド」では、プレイヤーは自分のコマをマップ上で動かし、鬼の手下との戦闘やイベントを解決することによって「お供カード」を獲得することができます。

・所持する「お供カード」は獲得した出目によって機能します。これによりプレイヤーは移動や戦闘を行うことができます。

ルール①に至った背景

テーマが決まり、こんなゲームになるかな?というイメージを膨らませる作業からルール制作が始まりました。アイデアを数多く出していくなかで、ゲームの輪郭をすこしずつ浮き彫りにしていきました。

・ゲーム進行の大枠
ゲームの大まかな流れとして、素体であるグレートデベロップメントクエストに基づき、プレイヤーが童話の主人公となり鬼ヶ島を目指し、最終的には鬼と戦闘するという大枠を固めました。また、プレイヤーに成長要素を持たせるために、自分のパーティーを形成して強くなっていくという内容になりました。桃太郎が仲間を増やして鬼ヶ島を目指すという流れをゲームで表現することを目指していきました。

・プレイヤー同士の関わり
強力ゲームにおいて重要な、プレイヤー同士が関わる要素としてダイスドラフトを軸に検討しました。ダイスの出目という共有のリソースを、自分のために使うか、他プレイヤーのために残すか、プレイヤー同士のコミュニケーションを活発にする協力ゲームらしいシステムになるのではと思い採用しました。ダイスドラフトを採用するうえで、とった出目対応して「お供カード」が機能する、街コロ的なシステムも仮案として検討しました。

ルール②(制作開始から約11時間)

※ルール①からの主な変更点が太字になっています。

プレイヤーはおとぎ話の主人公となり、鬼退治をするために鬼ヶ島へと向かいます。道中で仲間を引き連れることで成長し、鬼退治の準備をします。強大な鬼を倒すためには、何度もループしてやり直す必要があるかもしれません。鬼を倒すことができたらゲームクリアです。

・ゲームは鬼ヶ島を目指す「探索ラウンド」とボスと戦闘する「鬼退治ラウンド」の二つに分かれます。

・「探索ラウンド」の開始時にたくさんのダイスを振ります。プレイヤーは自分の手番でダイスの出目のうち1つを使用することができます。共通のダイスをすべて使用しきると自動的に「鬼退治ラウンド」へ進みます。

・「探索ラウンド」では、プレイヤーは自分のコマをマップ上で動かし、鬼の手下との戦闘やイベントを解決することによって「お供カード」を獲得することができます。

・「探索ラウンド」では、マップのマスはタイルがランダムに配置され伏せて置かれています。ボス討伐に必要な仲間やアイテムを集めるために、マップを探索し情報を集める必要があります。

・所持する「お供カード」は獲得した出目によって機能します。これによりプレイヤーは移動や戦闘を行うことができます。

・「鬼退治ラウンド」ではボスの攻撃がカードによって公開され、攻撃に耐えるたびに次の1枚が見ることができます。そのため、プレイヤーはボスに挑戦するたびに攻撃パターンを情報として得ることができます。

・「鬼退治ラウンド」で敗北した場合、「探索ラウンド」にループすることができます。規定の回数、鬼退治に敗北するとゲームオーバーです。

ルール②に至った背景

ゲームの面白さを定める
プレイヤーがゲームを通して体験できる面白さを具体的にするため、「何が面白いのか?」を早い段階で探っていく必要があると考えました。ルールが不安定な状態でも、とりあえずモックで遊べる形にしてテストプレイを実施しました。

ゲームの大部分を占める「探索ラウンド」では、プレイヤーは勝利条件となる「鬼退治ラウンド」を見越して「お供カード」を集めることになるため、ボスとの戦闘をプレイヤーにイメージさせる必要がありました。解決する案として、ゲームを通してボスに数回挑戦できるというシステムを考え、テストプレイを経て採用することにしました。また「ヒイヅル(日出づる)」というタイトルと「日が昇るたびに何度でも鬼に挑戦する」というシステムとの親和性もあると思いました。

さらに、ゲームの面白さを「手分けして情報を集め、ボスを倒す方法を探る」ことに定めました。限られたループの中で、ボスの情報とマップの情報を効率よく集め、相談して作戦を立てる、という体験をゲームの面白さの軸として進めることにしました。

ルール③(制作開始から約27時間)

※ルール②からの主な変更点が太字になっています。

プレイヤーはおとぎ話の主人公となり、鬼退治をするために鬼ヶ島へと向かいます。道中で仲間を引き連れることで成長し、鬼退治の準備をします。強大な鬼を倒すためには、何度もループしてやり直す必要があるかもしれません。鬼を倒すことができたらゲームクリアです。

・ゲームは鬼ヶ島を目指す「探索ラウンド」とボスと戦闘する「鬼退治ラウンド」の二つに分かれます。マップ上の鬼ヶ島に到達したプレイヤーのみ、鬼退治ラウンドに参加することができます。

・プレイヤーは最初に「主人公カード」を受け取ります。カードによって特徴が異なります。

・「探索ラウンド」の開始時にたくさんのダイスを振ります。プレイヤーは自分の手番でダイスの出目のうち1つを使用することができます。

・「探索ラウンド」では、プレイヤーは自分のコマをマップ上で動かし、鬼の手下との戦闘やイベントを解決することによって「お供カード」を獲得することができます。

・「探索ラウンド」では、マップのマスはタイルがランダムに配置され伏せて置かれています。ボス討伐に必要な仲間やアイテムを集めるために、マップを探索し情報を集める必要があります。

・マスの特徴ごとにタイルの背面に色分けがされています。マップを移動するときに、移動コストを支払わなければならないエリア(出目の数字を移動ポイントとして、2ポイント消費するエリアなど)などもあります。

・マップには強制ストップマスがあり、プレイヤーは中ボスと戦わなくてはなりません。中ボスを倒すことができれば、先のエリアに進むことができます。

・「鬼退治ラウンド」ではボスの攻撃がカードによって公開され、攻撃に耐えるたびに次の1枚が見ることができます。そのため、プレイヤーはボスに挑戦するたびに攻撃パターンを情報として得ることができます。

・「鬼退治ラウンド」ではマップにある鬼ヶ島にたどり着いた人だけで戦闘を行います。鬼の攻撃カードに対し、戦闘に参加するプレイヤーは所持しているカードのうち、1枚を出します。
【プレイヤーが出したカードの攻撃力合計 VS 鬼のカードの防御力】
【各プレイヤーが所持するカードの防御力の合計 VS 鬼のカードの攻撃力】
両方が上回っていたら勝利し、次の攻撃カードへと進みます。

・「鬼退治ラウンド」で敗北した場合、「探索ラウンド」にループすることができます。規定の回数、鬼退治に敗北するとゲームオーバーです。

・ループするとこれまでに獲得した「お供カード」やアイテムなどはすべて破棄します。次ループで再び獲得することが可能です。

ルール③に至った背景

ゲームの肝である「ループする」というシステムをより面白く際立たせるために、課題を整理して改良していきました。

・ゲームの面白さである「情報を得る」ということの価値を上げる
プレイヤーは「情報を得ること」でゲームの勝利に近づき、「情報を得ること」がプレイヤーの目的となるように、ループするごとにプレイヤーが手に入れたカードなどをリセットすることにしました。
カードによるパワーアップを永続的な成長要素にせず、「マップの情報」と「鬼の情報」をループを挟んでも持ち越すことができる要素として絞ることで、情報の価値を上げることになったと思います。また、得られた情報を基にして、パーティーの編成を何度も考えられることもゲームの魅力になると思いました。

・最終ループ以外に緊張感を持たせる
プレイヤーが最後のループでギリギリ勝利できたというのが理想的であるため、序盤のループでは「負けてもともと」というものになってしまい、プレイヤーの緊張感に欠けるということが課題となりました。各ループでも勝利に近づくための仕組みや最終ループにたどり着くまでの敗北条件などを検討しました。鬼ヶ島にたどり着くこと自体の難易度を上げて、序盤ループでの課題を用意しました。

・プレイヤーの選択に意味を持たせる
マップにあるマスはすべて内容が伏せられおり、実際に踏むまで内容がわからないものになっていたので、プレイヤーがどこに移動するかを考える基準が必要でした。
このときは、マスの特徴ごとにグループ分けし背面に色を付け、マップに移動コストを支払わなければならないエリア(出目の数字を移動ポイントとして、2ポイント消費するエリアなど)を用意しました。


ルール④(制作開始から約35時間)

※ルール③からの主な変更点が太字になっています。

プレイヤーはおとぎ話の主人公となり、鬼退治をするために鬼ヶ島へと向かいます。道中で仲間を引き連れることで成長し、鬼退治の準備をします。強大な鬼を倒すためには、何度もループしてやり直す必要があるかもしれません。鬼を倒すことができたらゲームクリアです。

・ゲームは鬼ヶ島を目指す「探索ラウンド」とボスと戦闘する「鬼退治ラウンド」の二つに分かれます。マップ上の鬼ヶ島に到達したプレイヤーのみ、鬼退治ラウンドに参加することができます。

【準備】
・プレイヤーは最初に「主人公カード」を受け取ります。カードに記載されたキビ団子(以下KB)を獲得します。

・鬼カードを10枚から4枚ランダムで選び伏せて並べます。4枚のうち端の1枚を最初の攻撃カードとして公開します。

・マップのマスにタイルを伏せて配置します。マーケットマスは既に公開になっています。

・マップのそばに「お供カード」を3枚公開します。これをマーケットとします。

【探索ラウンド】
・スタートプレイヤーがプレイヤー人数と等しい数のダイスを振ります。スタートプレイヤーから時計回りに手番を行い、ダイスの出目のうち1つを使用してマップを移動します。6回ずつ手番を行ったら「探索ラウンド」終了です。
ラウンド終了時にすべてのプレイヤーが鬼ヶ島にいれば「鬼退治ラウンド」へ進みます。一人でもいない場合、「鬼退治ラウンド」を行わず次のループへ進みます。

・「探索ラウンド」では、マップのマスはタイルがランダムに配置され伏せて置かれています。マスには以下の種類があります。
お供:対応する「お供カード」をKBを払って仲間に加えてもよい
マーケット:KBを払って、マップのそばに表向きで並べられている「お供カード」を仲間に加えてもよい。
アイテム:対応するアイテムを入手
KB:記載されたKBを入手/失う
何も起こらない

【鬼退治ラウンド】
・鬼カードのうち公開されているものから順に戦闘を行います。戦闘に勝利したら次の鬼カードを公開します。敗北したら次のループに進みます。4ループ以内に4枚の鬼カードすべてに勝利したらゲームクリアです。

・公開された鬼カードに対して、スタートプレイヤーから順に、時計回りに攻撃を行います。所持している主人公カードかお供カードを1枚選び、戦闘力を算出します。プレイヤーが使用したカードは次の戦闘以降使用することができません。
鬼カードの耐久力をプレイヤーの戦闘力が上回ったら次の鬼カードを公開します。攻撃を一巡したときに鬼カードの耐久力を上回ることができなかったら次のループに進みます。

【次のループへ進む】

・ループするとこれまでに獲得した「お供カード」やアイテム、KBはすべて破棄します。次ループで再び獲得することが可能です。主人公カードに記載された初期KBを獲得します。

ルール④に至った背景

ルールを変更してテストプレイを重ね、課題を整理し解決するルールを実装する、という作業を繰り返し行いました。

・仲間に加えたいお供カードの取捨選択
これまでのルールでは、序盤のループでは初めて踏んだマスに記載されたお供カードを行き当たりばったりで手に入れることとなり、ただ情報を集めている作業感の強いものになっていました。
そこで、複数のお供カードのうちコストを支払うことで仲間に加えることのできるマーケットを実装しました。また、鬼カードの1枚目やマーケットのお供カードが公開されていることにより、鬼を倒すためにどのお供カードを連れていくか、そのためにどうすればいいか(KBを集めるか、マーケットマスを目指すか、マップのどこかにいる強力なお供を探すか、など)の道筋をプレイヤーが立てれることを目指しました。

・プレイに戦略性を持たせる
マーケットマスに行くことでお供カードを入手できる反面、すでに公開されているマスに行くこととなるため、新たなマスを探索する機会を失うことになります。
ゲームの肝である「情報を得る」という戦略において、序盤のループでもお供カードを積極的に手に入れてボスの攻撃カードを凌いで「ボスの情報を得る」か、未公開のマスをたくさん開けることで「マップの情報を得るか」、大きく分けて二通りの戦略が生まれるように設計しました。

・鬼のカードの内容によってお供カードの価値が変わる
鬼カードとお供カードの相性をより強いものにすることで、このカードを手に入れたい、というプレイヤーの動機を生むことを目指しました。
単純に強いお供カードを連れて行く、というものでなく、鬼の攻撃に対して有効なカードを連れていくゲームに調整し、鬼カードの情報がプレイヤーにとって重要な価値を持つものとして位置づけました。

ルール⑤(制作開始から約48時間)

プレイヤーはおとぎ話の主人公となり、鬼退治をするために各地に散らばったお供を探します。強大な鬼を倒すためには、何度もループしてやり直す必要があるかもしれません。鬼を倒すことができたらゲームクリアです。

・ゲームはお供やアイテムを探す「探索ラウンド」とボスと戦闘する「鬼退治ラウンド」の二つに分かれます。探索ラウンドが終了すると自動的に鬼退治ラウンドに進み、プレイヤー全員で戦闘を行います。

【準備】
・プレイヤーは最初に「主人公カード」を受け取ります。カードに記載されたキビ団子(以下KB)を獲得します。

・鬼カードを10枚から4枚ランダムで選び伏せて並べます。4枚のうち端の1枚を最初の攻撃カードとして公開します。

・マップのマスにタイルを伏せて配置します。

・マップのそばに「お供カード」を6枚公開します。これをマーケットとします。

【探索ラウンド】
・スタートプレイヤーがプレイヤー人数+1の数だけダイスを振ります。スタートプレイヤーから時計回りに手番を行います。

・手番は「ダイス選択」「カード購入」「マップ移動」の3つに分かれます。

「ダイス選択」
スタートプレイヤーが振ったダイスのうち、一つを選びます。

「カード購入」
選んだダイスの目に対応するマーケットのお供カードを(出目が4なら、左から4枚目のカードを)KBを支払うことで仲間に加えることができます。

「マップ移動」
選んだダイスの目だけ、マップを移動し、止まったマスの記載に従います。
このとき
非公開のマスであれば公開します。

各プレイヤー1手番ずつ終えたら余った1つのダイスを脇によけ、スタートプレイヤーが時計回りに移ります。

4回ずつ手番を行ったら「探索ラウンド」終了です。プレイヤーがマップ上のどこにいるかにかかわらず、すべてのプレイヤーは「鬼退治ラウンド」へ進みます。

【鬼退治ラウンド】
・鬼カードのうち公開されているものから順に戦闘を行います。戦闘に勝利したら次の鬼カードを公開します。敗北したら次のループに進みます。4ループ以内に4枚の鬼カードすべてに勝利したらゲームクリアです。

・公開された鬼カードに対して、プレイヤーは一人ずつ攻撃を行います。その際、プレイヤー同士で誰から攻撃を行うかを相談することができます。所持している主人公カードかお供カードを1枚選び、記載されている数のダイスを振り戦闘力を算出します。
鬼カードの耐久力をプレイヤーの戦闘力が上回ったら次の鬼カードを公開します。プレイヤーが使用したカードは次の戦闘以降使用することができません。すべてのプレイヤーが攻撃を行ったときに鬼カードの耐久力を上回ることができなかったら次のループに進みます。

【次のループへ進む】
・ループするとこれまでに獲得した「お供カード」やアイテム、KBはすべて破棄します。次ループで再び獲得することが可能です。主人公カードに記載された初期KBを獲得します。

・マップで公開されているマスを全て伏せます。プレイヤーは1度オープンしたマスを覚えておくことで次ループで有利に探索を行うことができるようになります。

ルール⑤に至った背景

ゲームとして成立させるために、あいまいな部分を極力詰めると同時に、課題解決に努めていきました。

・プレイヤーの義務感を減らす
これまでのルールでは、マップ上に鬼ヶ島というマスがあり「探索ラウンド」終了時に鬼ヶ島マスにいなければ「鬼退治ラウンド」に参加できないものとしていました。しかし、「鬼退治ラウンド」に参加しないデメリットが大きすぎる、マップの構造上ほとんど場合すべてのプレイヤーが鬼ヶ島マスに到達できる、という理由から「鬼ヶ島マスに行かない(行けない)ことがない」という結論に達しました。最終手番で必ず鬼ヶ島マスに行くことが義務的なものになっていたため、「探索ラウンド」の結果にかかわらず、すべてのプレイヤーが「鬼退治ラウンド」に参加できるようにしました。

・ダイスドラフトの出目の価値
これまでのルールでは、移動するための歩数を限られた出目の中から選んでいましたが、マップ自体の調整が進んでいなかったこともあり、誰がどの出目を選ぶか、という選択にあまり価値がないものとなっていました。
マップの移動に加えて、購入するカードの選択を出目が行うことで、ダイスドラフトが機能する役割を増やし、プレイヤーにとって出目の選択がより意味のあるものにしました。
また、お供カードを手に入れないとゲームに勝利できないため、鬼ヶ島マス同様、プレイヤーはマーケットマスに必ず行くことになります。カード購入の機会を手番で必ず与えることによって、義務的なマップ移動を減らすことができました。

・ループしていることの再現性
ルールによって時間が戻り、振り出しに戻ったというフレーバーの演出するものとして、「探索ラウンド」で公開したマスはループした際に再び非公開にするというシステムを実装しました。重要なマスの情報を把握しておくために、プレイヤーは協力することになり、議論の活発化を生み出すことを狙いました。

・ゲームクリアのカタルシス
ヒイヅルは物語的なフレーバーも強いことから、ゲームクリアの条件である鬼退治は、盛り上がる展開となることが理想的と考え、ダイスによる戦闘力算出を実装しました。同時に、勝敗がダイスの出目に偏向しすぎないようにする必要もあるため(運に因る部分をいい塩梅にするため)お供カードの出目調整機能や属性による有利不利など、準備していくカードと鬼カードの相性が重要となるカード効果を検討しました。

まとめ

ヒイヅルはまだ制作途中です。48時間でゲームを成立させるために、多少強引な実装もあったと思いますし、まだまだルールの課題点は山ほどあると認識しています。
今後もルール制作を続ける中で、これまでの内容に大きな変更を加える可能性もありますが、きっと皆さんの期待を裏切らないゲームになると思います。完成を楽しみにしていただけると幸いです。

最後に、ボードゲームヒーローズに携わって下さった皆様、とくにルール制作において多大なご尽力を頂いた上杉さん、カナイさん、彼葉さん、そしてご視聴して応援して下さった皆様、本当にありがとうございました。

引き続き、ヒイヅルの進化をご期待ください!

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