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荒ぶる大海原へ、いざゆかん


産卵した百もの小さな生命が生存をかけて海へ駆ける。砂浜に足を取られながらも懸命に、一歩一歩と。

子亀たちの最初の試練は生まれた直後。孵化してから浜辺から海に向かうまでの間に様々な外敵や危険に遭い、全滅なんてことも珍しくない。

ウミガメの赤ちゃんたちは厳しい生存競争に生き残るために孵化した直後、「フレンジー」というハイになった状態で不眠不休で海に向けて全速力で駆ける。生き残るため文字通り必死で這いつくばっていくのだ。



僕は今、そんなカメです。

お、こいつ家にいすぎて頭逝ったかと思ったそこのあなた。いやそうではないんです。

ただ新たな挑戦をする自分の姿が無力ながらも懸命に前に進もうとする彼らに似てるなぁと少し我ながら思っただけです。そんな今の心境やなぜやるのか、等々を備忘録の意を込めてログを残しとこうと思います

初心を忘れない為に。


ほな、インターンやるか

今年の3月晴れて大学を卒業、新社会人となり海外ボランティアに行くはずであった。4月から国内での研修が始まり、研修が終われば7月には赴任先に飛ぶという手筈。しかしコロナパンデミックの影響で派遣は暫定一年延期。さてこの一年間どうしようか。ここ1ヶ月一級自粛士としておうち時間と真摯に向き合う日々を過ごしていた。おかげでカレーをスパイスから作ったし、皿で転がるくらいのふわトロオムレツも作れるようになった。だけどいつまでこうして家でオムレツ焼いてるわけにはいかない。派遣は一年後だから正規で入社は無理。だけどバイト一年ってのもなぁ。さすがに一年あればもっと自分の為になることあるよな。

ほな、インターンやな。

それでいろんなところにメールしまくって一つのIT系に引っかかった。そこでの仕事はウェブサイトの企画からインターン生3人のみで立ち上げ、運営まで一年で持っていくというもの。しかも社員さんからのディレクションほぼは無し、自分たちでやってねという丸投げ放置プレイ案件だった。給与に関してもプロジェクトであげるから分配も自分たちでよろしくとのスタンスだ。


若い時はストレス受けてなんぼ

今の僕は大学から卒業したてほやほやの青二才。仕事の進め方も分からないどころか、プログラミングなんぞ全然できない。数か月前から石橋(瞑想一緒にしたやつ)の勧めでプログラミングは始めていたが、今も何が何だか全然わかってない。

正直受けるか迷った。プログラミング初心者がそんなものに参加できるのか。どんなことが待っているのか見当も付かなかった。

そこのインターン内定を貰いつつも、他にも良いのないかなとインターン探しを続けている途中、ある会社の代表の方とWeb面談で話させていただける機会があった。

「ストレスなくして成長ないから。特に若いうちはガンガンストレスある環境に身を置くべきだよ。」

残念ながらそこの内定をもらえはしなかったが、この言葉に背中を押してもらえた気がする。

そもそも成長を目的にインターン探してたんだから、この環境はこの上なく恵まれているかもしれない。裁量権どころか自分たちの自由にやれて、さらに独学で少しづつ勉強してたプログラミングを実践で学べる。まさに自分が求めていた成長の場ではないか。



這いつくばってでも前へ

そうして飛び込んだキックオフミーティングがつい4日ほど前にあった。同期インターン生2人は大学2年と4年、既にプログラム経験者。早速、企画建ての話が出たが横文字が飛び交い、案の定何の話をしているかさっぱりわからない。

このままでは只のお荷物になるのでまず彼らの会話レベルに追いつかなければいけないと思い、さっそくプログラミングの勉強を本腰を入れた。が、今の状況は基本的に何をしているのか、何が起きているのかわからない。そして何が分からないのかわからない。そして分からないことを調べたらまた分からない単語で分からないことを解説している。その解説を理解しようと単語を調べるとまた分からない単語がこんにちは。そんなChromeダンジョンに迷い込み、そもそも何を調べていたのかさえ分からなくなる。

開発環境の構築も6時間一人でやっても無理だった。

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インターン同期のみんなの助けを得てやっと成功。この画面見たときは正直、目頭が熱くなった。

朝5時から夜の10時まで、飯と適時休憩の2時間ほどを除けば、ほぼ一日PCとにらめっこしてる。正直、楽ではない。

特にプログラミング学習者は、最初の段階での挫折者が数多いという。まさに今の僕のように分からないことが分からず、何をすればいいか分からない苦しみに耐えきない脱落者が数多くいる。一説によると挫折率は9割だとも。

カメと同じくスタートしてすぐが最大の難関なのである。

しかし、今までの語学学習の経験から、何事もやり続ければできる様になることは知っている。だから今は出来るだけ歯を食いしばって走るしかない。

孵化して全速力で海を目指して這いつくばるウミガメたちのように。

砂浜越えという最大の試練を超えたウミガメたちを待つものは、これまた決して穏やかな海などではない。捕食者が悠然と泳ぎ虎視眈々と彼らを狙い、人間の投げる網が頭をかすめる。危険に満ち溢れた荒々しく白い波を立てるどこまでも果てしない大海原であろう。





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