ネイティブ英語が全く聞き取れない理由がやっとわかってきたのでまとめた

前書き:ネイティブ英語が一切聞き取れない件

「読めば分かるのに、聞き取りが絶望的にできない」

 これ、私が英語を勉強するにあたって何年も抱いている悩みです。(おそらく、日本人英語学習者あるあるなんじゃないかな…と勝手に思っています。)

特にこの「読めば分かる」ってところが憎いですよね。聞いた段階では

「nrya:@ふjkl」

みたいに呪文にしか聞こえなかったのに、いざスクリプトを見たらびっくり!!英語習いたての中学生でも余裕で分かるレベルだった…なんて日常茶飯事です。 

どんなレベルかというと、それこそ冗談抜きでDo you が聞き取れなかったことがあります(今でも油断すると聞き取れない)。さすがにDo you聞き取れないのはヘコむわ。10年以上勉強してまさかDo you で躓くとは。

お恥ずかしながら、これでも一応英語が得意な人で通ってきたので、その分日常会話を聞き取れないのが悔しいったらありゃしないのです。せめて読んで分かることは聞き取れるようになりたい…!と思い、聞き取る能力を向上させる方法を模索してきました。

 その結果について、整理も兼ねてnoteに書いておこうと思いました。

まだまだ勉強中ですが、聞き取れない理由が分かったことで対策も自然とできるようになり、前よりだいぶ聞き取れるようになっています。(具体的に数値化するのは難しいのですが、ドラマを字幕なしで見た場合、前はワンフレーズ全く聞き取れないことがほとんどだったが、今は全部は厳しくても全く聞き取れないことはほぼない。内容が難しくなければ問題なく聞き取れる、といった感じ)

基本的には自分が調べてきたことや学んできたことのまとめ、という感じですが、それと同時に、同じような「聞き取れない」という悩みを持つ人たちにとって、暗闇の中の一筋の光になれるような記事にしたいと思います。

筆者について

一応私のバックグラウンドについても触れておきます。

・20代会社員。帰国子女でもなく、留学経験もなし。英語圏に滞在した経験といえば家族旅行のハワイとシンガポール(それぞれ3泊くらい)。

・昔から学校の教科としての英語は得意で、今でも読むのはまあまあできる。

・TOEICは900点。がしかし、いかんせんネイティブが話している内容は全くもって聞き取れず、どうにかしたいと思っていた。

英語が聞き取れない理由5選

さて、ここから本題です。

日本人が英語を聞き取れない理由は主に5つあると思っています。           

最初に全部列挙してしまうと、こんな感じ。

①母音・子音が日本語のそれとはまったく異なるから

②音の脱落(リダクション)が起こっているから

③音と音がつながって発音されている(リンキング)から

④英語のリズムと日本語のリズムが異なるから

⑤音声変化が起こっているから

そもそも「知らない単語や表現だった」という場合も当然聞き取れないと思いますが、そういったケースは上記には含めていませんのでご了承ください。

そもそもの私の問題意識は「十分知っている単語や表現を聞き取れないのはなぜじゃ!」というところにありますので、必然的にこの記事で扱いたいのは①~⑤になります。これから一つずつ解説していきます。

①母音・子音が日本語のそれとはまったく異なるから

突然ですが、以下の2つの単語を正しく発音できますでしょうか。

hat(帽子)/hut(小屋)

昔の私は、どちらも同じで「ハット」じゃないの?と思っていました。残念ながらそうではないのです。(ちなみに、某有名ピザ屋さんの店名は右の方です。私はずっと左だと思ってたので初めて知った時衝撃でした。この勘違いも、発音を区別できていないから起こるんでしょうね。)

どちらも日本語で無理やり表記すれば「ハット」になりますが、正確には真ん中の母音が全く違う発音になります。

ここで個別の発音を細かく書くことはしませんが、簡単に言うと

hat /hæt/のaの部分: 口角を横に引き、下あごを下げます。その状態で声を出すと「エ」の音が出ますが、そこで頑張って「ア」の音を出そうとします。そこで出る「ア」と「エ」の中間音のような音がhatの発音です。

hut /hʌt/のuの部分:口をポカーンと軽く開けた状態にし、そこで気持ち低めの声で「ア」と発音します。

(どちらも非常にざっくりとした説明なのでご参考まで!!要は違う音の出し方をしていることが分かればOKです。)

お気づきかも知れませんが、どちらの音も日本語に存在しない音なんですね。なのでこれらの音を我々日本人は普段から発音しないわけですが、

自分が発音できない音は聞き取れません。なので英語を聞いた際にも二つの違いを聞き取れず、自分が知っている音の中で近い音である日本語の「ア」の音を勝手に当てはめてしまっています。これでは意味を正しく理解するのは難しいでしょう。

以前の私は、ここまで分かっても「違う音なのは分かったけど、でも違うといいつつ似たような音だから、そんなに厳密に区別しなくてもいいよね?」と思っていました。我ながら雑な解釈。

残念ながら、そうは問屋がおろさないんですね。ここで大切なのは、

「ネイティブにとっては決して”同じような音”ではない」ということです。彼ら(ネイティブ)にとっては全く違う音ですし、両者を明確に区別しています。しゃべる側が区別している以上、聞く側も同じように区別する必要があります。

イメージが湧きにくいかも知れませんが、日本語で言うなら「あ」と「う」って同じような音だから区別しないでいいよね?と豪語しているようなものだ、と私は考えています。もし日本語を勉強している外国人にそのように言われたら焦りますよね。

試しに「あ」と「う」をいくつかの単語で入れ替えてみると、結構事故りそうな感じがします。(あくまで例です。「あ」と「う」が区別できない人がいるかどうかは正確には分かりません…)

このhatとhutの区別は一例ですが、日本語にはなく英語にはある音は他にもたくさんあります。もし英語の母音・子音を学んだことがなく、ずっと日本語の音で英語を話していた場合は、まず英語の音から学んでいくのが聞き取りへの第一歩だと私は思います。

日本人的な感覚で、「違う音みたいだけど同じようなもんでしょ!」と音の違いをあやふやにするのはNGだと思います。そう考えた瞬間、音に対する感性がガラガラと音を立てて崩れていきます。

(日本語に置き換えたら、五十音を覚えずに日本語を勉強しようとしているのを同じかな、と考えています。そう考えるとなかなかの無理ゲーに思えます)

日本では英語発音の教育をほぼしないので、「音」に意識が向きにくいと思いますが、正しく聞き取りをするためには「音」の勉強は必須だ!というのが私の結論です。

「音」に関しては一人で勉強するのが非常に難しいので、できれば発音矯正の教室の通って教わったほうが良いと思います。 

②音の脱落(リダクション)が起こっているから

ネイティブは、必ずしも書いてある通りに発音しないことがしばしばあるようです。その一例が、綴り上は存在するはずの音を落とすこと。

例えばですが、

Santa Barbara

 という地名があります。アメリカ西海岸にあるそうです。

(カタカナでは正確に表現できないのは承知の上で)カタカナで書くと「サンタバーバラ」になりますね。余談ですが、これを聞いて最初に思い付いたのはクレヨンしんちゃんに出てくる「サンタバーバラ接骨院」でした。

これ、ネイティブが発音するとSantaのtが落ち、「サナ」のような発音になります。

おい、タはどうした。

これ、知らないと聞いても分からないですよね。「サンタ」と「サナ」だと、こうやって文字にして見ると違いは小さそうに見えるかも知れませんが、実際耳だけが頼りの状態だとだいぶ印象が異なるかと思います。

私も最初ドラマで聞いたとき「え、サナってどこ?」と戸惑い、字幕を見たら「santaじゃん!tはどこいった!」となりました。

なぜあるはずの音を落とすのか、という話ですが、要は落としたほうが楽で言いやすいから、というのが理由です。

この現象はsanta barbraに限った話ではなく、前にnが来ると、tは発音されないというのはほぼパターン化しているようです。

このように、書いてある発音と違う発音をされてしまうと、特に日本人のように文字を中心に学んだ来た外国人学習者にとって非常に聞きづらくなります。

ただ、どう発音するかはネイティブが決めること。ネイティブの英語を聞き取りたい以上、彼らの発音の仕方、特に綴りと発音の違いについては知っておく必要があります。

具体的には、まずリダクションのパターンを学び、自分も同じように発音する練習を重ねることによって、聞き取れるようになってくるかと思います。

リダクションで検索すると、結構色んな方がパターンを解説されていますので、色々と参考にしてみてください。

③音と音がつながって発音されている(リンキング)から

これもなかなか厄介なのですが、ネイティブの会話ではほぼ100%起こっていると思って間違いなさそうです。

私の感覚では、英語を書くときに単語と単語の間を区切るのと同じ感覚で、話すときも単語と単語の間にある程度ブランクがあるものだと思っていました。

これが大間違いで、ネイティブは単語ごとに区切って発音することはほぼありません。前後の単語をくっつけて発音するのが普通です。 

以下の例を見てみましょう。

Are you in or out?(あなたは敵なの?味方なの?)

字面を見る限り、非常に簡単ですよね。

もしこれが

Are/you/in/or/out

のように、ひとつひとつ単語を区切ってはっきり発音されれば問題なく聞き取れると思います。

ですが現実はそうではなく、ぐしゃっとすべてくっつけて発音されるため、想定していた音と全く違うように聞こえてしまい、結果聞き取れないということが起こります。特に後半in or out のところがクセモノで、全部くっついて「イーナーアウ」のようになってしまいます。(繰り返しですが、カタカナ表記で正しい英語の音は出せないと思っていますが、参考までにカタカナを使っています)

これについても、自分がリンキングして発音できるようになれば、緩やかに聞き取れるようになってくると思います。大切なのは切って発音しないことですね。とにかくつなげます。慣れていない日本人からすると

「そんなにくっつけて通じるのかな?」

と心配になるレベルでネイティブは音をつなげます。(ネイティブの皆さんからしたら余計なお世話…。)

④英語のリズムと日本語のリズムが異なるから

私も以前はまっっったく意識していなかったのですが、言葉にはそれぞれ特有のリズムがあります。

英語は日本語に比べてリズミカルな言葉です。

特に、重要な単語(これがないと通じない!というような核となる単語、内容語という)はしっかり発音し、逆にそれ以外の単語(機能語)はあっさり発音する、といったようにメリハリのある発音が特徴です。

このことを認識しておかないと、またもや自分の想定と実際の発音が異なり、聞き取れなくなります。

ちなみに、冒頭触れた私がDo you を聞き取れなかった事件のからくりは、この英語特有のリズムにありました。

Do you は、上記で言う機能語に該当するので、それはもうあっさり、一瞬で発音されます。もともとはっきり発音するもんだと思っていた音が、実際は超あっさり一瞬で終わってしまったらそりゃ聞き取れないよね、という話だったのです。

カタカナ風に「ドゥーユー」なんてとんでもない。さらっと「ドュー」でおしまいです。ネイティブにとってはこれが普通の発音の仕方のようです。

とにかく大切なのはメリハリ。日本語はすべての単語を同じテンションで発音しがちですが、英語はそうではないことを強く認識する必要があります。

⑤音声変化が起こっているから

ネイティブスピードになると、元の音から変化してしまう単語があります。

いくつかありますが、代表的なのが前置詞のtoです。

これまた誰もが知っている簡単な単語ですが、これがネイティブスピードになると「タ」としかいいません。しかもあっさりと言います。これをはっきり「トゥ」と言う、と思い込んでいたら絶対に聞き取れません。

なんでこんなにあっさり言うかというと、toは⑤で解説した機能語に分類されるので、そんなにはっきり丁寧に「トゥ」と発音されることはないためです。できる限り簡略化された結果が「タ」である、というわけです。

音声変化については自分もまだ知見が少ないので分量少な目ですが、音声変化の対策としては、ネイティブがどんな音声変化をするか知り、自分も同じように発音することが有効かと思います。

終わりに:要は「思っている発音と違うから」聞き取れない。いかに自分の発音を矯正するかがカギ。

以上、私が考える「日本人が英語を聞き取れない理由5選」でした。

いろいろ細かく書いてきましたが、どの項目にも共通することが1つだけあります。それは

自分が想定している発音と、実際のネイティブの発音に違いがあるから聞き取れない。

ということです。ネイティブ英語が聞き取れない理由は、結局のところ単純で、これに尽きると思います。じゃあどういう違いがあるの?というのが上記の①~⑤になるかなと。

ここまで分かると、対策も自然と分かってきますね。要は、自分が思い込んでしまっている我流の発音の仕方から脱却し、ネイティブの発音の仕方を正しく把握することができれば、聞き取れるようになるということです。

じゃあ、どうやったら正しい発音を把握できるようになるのでしょうか?

以前の私は、「聞き取りの力っていうくらいだから、まずは耳を鍛える必要がありそう。だからとりあえず聞きまくればいいんだ!」と思い、片っ端かから聞く訓練をするようになりました。

結果、何も変わりませんでした(笑)

それもそのはずで、聞き取れないのは耳の問題ではなかったからです。

記事の中にも書きましたが、人間、自分が発音できない音は聞き取れません。そのため、聞き取れるようになるには、まず自分の発音を矯正し、ネイティブが発音するように自分も発音できるようにならないといけない、ということになります。

発音と聴解力の関係については、それなりに賛否両論あるようです。当然ながら、たとえ発音ができたところで聞き取れるようにはならない、と考える人もいます。

ただ、個人的には発音を矯正するようになってから聞き取りの力がめちゃくちゃ伸びているので、決して間違いではないんじゃないかな、くらいに考えています(もちろん個人差はあると思います)。

なので、もし「聞き取りの力をつけたいけど、いくら聞いてもできるようにならないし、どうすればいいか知りたい」と思っている方がいれば、一度発音矯正を試してみる価値はかなりあると思います。

実際、私が初めて発音と聞き取りは切り離せないと知ったときは目から鱗でしたし、「もっと早く知りたかった!!」というのが本音でした。

なので、もし自分みたいに聞き取りに悩んでいる人に、音や発音の重要さを伝えられれば良いな、と思い、自分の頭の整理も兼ねてこの記事を書きました。

言うまでもなく、私の英語力もまだまだ発展途上なので、今回まとめてきた内容を振り返りながら発音の訓練をしている毎日です。

もしこの記事で誰かが何かしらのヒントを得られたらうれしいです。

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