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「英語の発音なんて気にしないでとにかく話せ」説をどう解釈すべきか

発音なんて気にするな!という文言

英語を学んでいると、間違いなんて気にするな、とにかく話すのが大事!というフレーズをよく聞きます。
外国語を学んでいると心が折れることも多いので、特にうまくいかないことが重なったときに言ってもらえると嬉しい言葉ではありますね。

特に発音に関しては

「気にしないでとにかくガンガン話せ!アクセントなんてみんなあるんだ。自信持って話せばみんな分かってくれる!ジャパニーズアクセント万歳!

という精神論的な励ましを非常によく聞きます。

まあ、確かに話すべき場面で黙ってたらもちろん問題なんでしょうが、発音に関しては特にこの

「気にするな!とにかく話せ!」

系の体育会系?言説が妙に幅を利かせています。

これは捉え方を間違えると危険な考え方だと思ってます。

通じない発音でいくらガンガン話したところで相手には伝わらぬ

気にしないで話し続ければそのうち発音が改善されるのであれば問題ないんでしょうが、発音は無意識に矯正されるものではありません。

いくら会話力を身につけても、その内容が相手に聞き取ってもらえない以上コミュニケーションは成り立ちません。

(個人的な話ですが、8年前のイギリス旅行中、
Ireland(アイルランド)と言いたいのに、どう頑張ってもisland(島)としか聞き取って貰えなかったことは未だに覚えています。
明らかに通じてないことは分かるのに、正しく発音する方法が分からない時の情けなさったら…!!発音気にするななんて嘘だ!と確信したのはこのときです)

そのため、自分の発音が問題なく伝わるのであれば気にしなくて良いし、通じないレベルなのであればそれなりに気にして正しい発音を身につけるべし、という考え方が正しいと思います。

そもそも「発音気にするな、とにかく話せ」という言葉の意味って何なんでしょう?

言った人の真意は推測するしかありませんが、おそらく精神的な面での視点から言ってるんだと思うんですよね。

例えば外国人に囲まれて、何かしら発言しなきゃいけない状況にあるにも関わらず、
「自分は発音が悪いから何言ってもわかってもらえない…話しても無駄なんだ!」
と思ってしまい発言する勇気が出ないとか、そういう状況の人に対して「まずは発音気にしすぎるのを辞めてみよう!まずはそこからだよ!」と言う意味で「とにかく話してみるんだ!」と提言したとか、そんな具合なのではと想定します。

つまり、発音を気にしすぎて話せなくなってしまうくらいなら、とりあえず話してみることが第一歩だという意味であって、英語学習する上で発音はぜんぶ無視して良い!という意味ではない、というのが私の理解です。

なので、今現在英語を勉強してるけど、発音なんてどうでも良いのさ!と考えて発音をおざなりにしている場合、近い将来必ず壁にぶつかると私は思います。

単語、文法、スラングなどなど、勉強したあらゆることが一切相手に聞き取ってもらえなかったら会話が先に進みませんよね。

「もしお互い言ってることが分からないなら聞き返せばいいんだよ!」という声が聞こえてきそうですが、いくら何度も繰り返したところで自分の知らない音は発音できないし、聞き取れないので、結局のところ会話が進まないと思います。(相手がなんとか推測してくれることもありますが、そう何度も推測するのは限界があります。推測する側からしたらなかなかのストレスになります。)

前述のIrelandが通じなかった事件のときも、何度も何度も言い直しましたが、結局一ミリたりとも通じず、気まずい空気が流れました。つらい。

発音を軽んじると聞き取りにも影響が出てしまうよ

また、発音を軽んじると聞き取り能力にも影響が出てしまうんですよね。そういう意味でも発音は身につけたほうがベターかと思います。

え、発音の話なのになぜ聞き取りの話になる?と思うかもしれませんが、発音と聞き取りは密接に関係しています。人間、自分が発音できない音は聞き取れないそうです。

言葉はコミュニケーション。自分が言いたいことを聞き取ってもらえて、相手が言いたいことを自分も聞き取れて初めて成立するので、発音も聞き取りも大事です!


なんで発音気にするな説がこんなに広まってるのか

そもそも、なぜ発音について「気にしないでガンガン話せ!」説がこんなに浸透するようになってしまったんでしょうか。

多分ですが、英語学習者の多くが発音をどう身につければいいか分からないからではないでしょうか。

内心自分の発音が通じないのは分かってるけど、だからといってどう直せばいいのか知らないしどうしようもない。
まあ、そもそも英語って共通語だし、自分独自の話し方があって当然だから、とりあえず気にせず話そうかな。前に通じなかったのは偶然だよね。ほら、とりあえず発音は気にしないで話すのが大切ってよく言うし…。

…という感じで。とりあえず話せ!という力強いメッセージによって、発音がうまくできない不安を覆い隠そうとしてしまうのではないかなと(まあ、自分もそんな感じで考えてたんですが)


日本の英語教育ってほんとに発音については触れないので、やり方が分からないってのは割と当てはまるのではないかなと思います。
ほんと、学校でも少しは発音に触れればいいのに…。

結論:全く気にしないのは極端。通じるようになるまでは充分気にして身につけるべき。

まとめると、文法を勉強したり単語を覚えたりするのと同じレベル感で、発音もそれなりに勉強する必要がある、というのが私の見解です。

ただ、問題はどこで学べばいいんだ!というところだと思いますが、こればっかりは独学が難しいので、発音矯正スクールに通って地道に学んでいくのがいいと思います。

これを書いてる自分も何を隠そう、リアルタイムで発音矯正スクールに通ってますが、なかなか面白いです。毎回目から鱗の情報を学べるので飽きませんし、常に自分の進歩を実感できるのでやる気も沸いてきます。

発音が通じないという悩みはもちろん、聞き取りが出来ない!という人にも発音矯正は有効ですので、興味があればぜひ発音矯正を始められてはいかがでしょうか。

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