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SPEED FLAT 2020を通して

SPEED FLAT プロジェクトって何

一個前の記事でも書いたのですが、僕はSPEED FLATというプロジェクトのリーダーをしています。書いている12/4は展示2日目で最終日12/6にプレゼンをしておしまいです。

このSPEED FLATというプロジェクト、どういうテーマかというと簡単にいうと「未来のものづくり」。主催者である藤原大 先生が生涯をかけて世界からゴミを無くしたいという思いから始まったプロジェクトです。

ちなみに自分の所属する東京都立大学今年は「ラップフィルム」というタイトルで制作をしました。webサイトぜひご覧ください。
https://www.notion.so/SPEED-FLAT-2020-d7767c90888245de8d2aa2d863494b0c

話が脱線しました。SPEED FLATってなんなのという話です。
HPから引用した説明文を貼っておきます。

「SPEED FLAT」は、スピード(s=速力)とフラット(f=平ら)の2つの言葉を通じて未来のものづくりを考えるプロジェクト。SPEED FLATという限られた一定のイメージの中で機能性、生産性、そして社会での表現や共創できる考えの方向性を束ね、デザインを推進させる考え方のひとつ(=SPEED FLAT DESIGN)となることを目指し賛同する団体と共に継続的で発展的な研究活動を行っています。

はい、むずかしい。
SPEED FLATという造語から想像できるのは折り畳み椅子とかだけど、どうやらそれだけを指すものではない。自分は去年からこのプロジェクトに参加しているのでなんとなく理解しているが、この造語に自分なりに意味を与えるということが必要だなとは思っていた。
去年は1年間通して明確な答えが全く出ずに終わってしまったので、今年はプロジェクトリーダーとなって引っ張っていく立場であったし、みんなに明言しなくても自分なりに考えていくことはしたいと思っていた。その結果を書くことがこの記事の目的です。

未来のものづくりってなんだ

「未来のものづくり」というと「持続可能」というキーワードがすぐに出てくる。
まあなんとなく「持続可能」という言葉の響きは良さそうだけど、実際にどういうことかはきちんと理解できずにいたし、じゃあそれを作品に落とし込もうってなっても、世界に公表できるようなすごいものは作れる気はしていなかった。かといってドラえもんみたいなハイテクみたいなのも「未来のものづくり」ではない、どちらかというと「未来のもの」。
という感じで、つい最近までSPEED FLATという造語に対して特に大きな意味を与えることができてませんでした。

「捨てる」がキーワードなのではないか

先ほど紹介した「ラップフィルム」というシリーズがどういうコンセプトで作られたかを言語化しようとしていた時に出てきたキーワードが「捨てる」でした。
あらゆるものを馴染みのあるラップの形に落とし込むという提案は、ラップの特徴の一つである「好きな量を出して使って捨てる」に重きを置いています。いや、捨ててるじゃんって。もともと世界からゴミを無くしたいという動機で始まったプロジェクトで使い捨てのものを提案してるけど。しかも別にエコな素材でできてるわけではない。

このときに自分が思ったのは「捨てる」って悪いことなのか、ということ。「捨てない」が正義なのかということ。今現在の自分の答えは、「きっとそうに違いない」。人間が今持っているものを一生使い続ければゴミは最小限に抑えられる。どんなに「持続可能」な「未来のものづくり」をしても結局捨てられてしまえば、それ以降は素材のリサイクル率とかいう話でしかなくなる。
じゃあどうするか、「持続可能」な「未来のものづくり」を考えることも大切だけど、個人に委ねられる「捨てる」という行動にフォーカスを当てるべきなのではないか。

「捨てる」ものと「捨てない」ものの差ってなんだろう。この差って結局個人の価値観でしかはかれないのではないか。ある人にとっては大切なものだけど、他の人にすればいらないものなんてざらにあることではある。

世界からゴミを無くすのであれば「捨てない」ものを作ればいいんだけど、個人の価値観で決まってしまうのであれば、みんなに考えてもらわないといけない。そのときに考えるべきは「捨てない」だけではなく、同じかそれ以上に「捨てる」ということもあるのではないか、そう思った。

SPEED FLATとは何か

「できたものが人に渡った先にある、それを「捨てる」か「捨てない」かを振れ幅を持って考えていくこと。」かな。
愛着最強ってこと。
あくまで、考えていくこと、であって決して唯一解を出さないのも大切だと思う。捨てる捨てないは個人の価値観だし、それを展示を通して考えてほしいし。
そしてこのSPEED FLATとは何か、という問に正解はない、はず。これはあくまでSPEED FLAT 2020に参加した自分が思った答えということにしておく。

スピード(s=速力)とフラット(f=平ら)がどっか行ったじゃないか。なんて言われちゃいそうだけど、誰しもが作品を見て「ああこうかもな」とか「違うんじゃないか」ってすぐに考えられたらこれってスピード(s=すぐに)とフラット(f=だれしも)かも。

「ラップフィルム」を振り返って

まだ展示も終わってないのに、振り返るなんて早い気もするが鉄はあついに打つということで。

じゃあ、今回の提案が自分なりに考えたSPEED FLATの定義に沿っているかという話になると思うんだけど、どうなんだろう。みた人が一瞬でも「捨てる」ことについて考えたら成功なのかもしれない。

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