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群青の海岸と、心の空虚と【無人島100Fes 終末記】

やっと記すよ
愛しい、愛しい96人の仲間たちよ

みんなが撮ってくれた素敵な写真と一緒に

2022年 9/4~9/7
僕は、瀬戸内海にある、とある無人島にいた
Les World主催の「無人島100FES」に参加するため
1年目は、コロナ禍ということもあって参加と説得する勇気が持てず
2年目はインターンしてたこともあってスケジュールが合わず
3年目、きっと今年が最後になるだろうなって思いを抱えて
(まぁ、今は、これで終わりにさせてやろうなんて思ってないんだけど)

全国から集まった96人の仲間たち
テーマは「人生最後の日」
人生最後の3日間を、僕たちはどう生き抜くか
課題は、テーマタイトルでもある『人生最後の日』を、3日目の夜に歌い、踊ること

島へ辿り着いたわけ

島では、「楽しそうだったから」って言ってたと思う
それは、半分正解で、半分間違い

本当の目的は、「自分にある空っぽと向き合い、埋めたかったから」
言えなくてごめんね、言えなかった理由も、ここに書いてあります

日々過ごす中で、自分に虚しさを感じることがすごく多くなっていった
毎日充実してるはずなんだけど、どこか虚しさを感じる日々
周りが輝いて見えて、自分だけ何もできていないと感じる日々
どこか自分の言葉で語っているように感じられない日々
そんな日々は、楽しくも非常に苦しいもので
空虚な自分が許せなくて、腕に傷がついたこともあった

この「空っぽ」に、本気で向き合いたかった

「空虚」を照らされる紙風船たち

人生で一番幸せだった瞬間

「無人島どうだった?」と聞かれれば
「人生で一番幸せだった瞬間」だって答えられる
島に着いてから、満ち足りていて
自分の中にある「空っぽ」を覚える時間は少なかった
ゼロとは言わないけど

みんなと一緒に歌うこと、踊ること、笑うこと
全力で自分の想いを歌の中で表現すること
みんなと抱き合って、愛を送り合うこと
それらが、全て、自分にとって、こんなに幸せなことだと知らなかった

画角がとても好きなんだ この写真

いつからか、「幸せになっちゃいけない」って思い込んでた
苦しくて、辛くて、自分の想いを押し殺すために必要だったんだ
全ては自分が望んでしまうから
望まなければ、傷つくことも辛いこともない
そう自分の気持ちを押し殺していた

「あなたは今幸せですか?」聞かれた時のこと
出てきた答えは
「8割くらいは幸せ」「でも、2割は空っぽ」
きっとすごく恵まれている
みんなの話聞いて思った
人にも、物にも、全ての環境に恵まれている
だから幸せなはず…なんだけど、埋まらない心が確実にある

『人生最後の日』の歌詞に、こんなフレーズがある

「そして今幸せか」

改めて空っぽだなぁって思ったあと、この歌詞を噛み締めながら歌った時
自然と涙が溢れてきたんだ
なんでかは分からないけど、すごく胸が苦しくなって、瞼が熱くなって
僕の歌声は、嗚咽に変わった

「あぁ、幸せになりたいなぁ」

でも、この気づきこそが、自分を呪縛から解き放つきっかけになったんじゃないかな
「幸せになっちゃいけない」って囁いてくる僕を振り切って
僕は、自分自身を動かしていく

想いを込めて踊ることがこんなに楽しいことだと初めて知った
自分の出せる限りの力を振り絞って歌うことが、こんなに美しいものだと、どうして今まで誰も教えてくれなかったの
その興奮を仲間と分かち合うことが、どれだけ「幸せ」なのか
この歳にして、初めて知ることになったんだ

「幸せ」とは

人を信じられない自分

自分の内面を隠してた
知らず、知らずのうちに

大学に入って、ちょっとずつ自分と向き合って
自分のことはある程度オープンになったと思ってた
自分のことも話せるようになってた
でも…けれども、まだ足りなかったみたい

心の底では「みんなにどう思われているか」すごく怯えている
すぐに、悪いように考えてしまう
「5分くらい作戦会議したいけど、入れる?」と聞かれるだけで
「何かやらかしちゃったかな…」と考えて、震えが止まらなくなる

無人島から帰ってきて、みんなのSNS見て
止まらない後悔と自責
正直、無人島でみんなともっと話したかった
あなたはどんな景色を見て育ってきたの?
どんな人に囲まれているの
その色は?匂いは?
あなたは今幸せ?

みんなにメッセージ伝えたくなった
伝えたかった
想いは出てくる 言葉も出てくる
でも、送れない

ネガティブな反応を見るのが怖い
人から否定されるのが怖い
すぐに否定される想像をしちゃう
「こんなふうに思われないかな」
「本当に自分から送っていいのかな」
「自分から送って喜んでくれるかな」
怖い…怖い…すごくすごく怖い…

自分のInstagramから

分かってる、分かってるよ
みんなが愛に溢れてるってこと
でも、何て想われるか怖くて、送れないってこと

結局、他人のこと、信じきれていないんだよな
「傷つけられるかもしれない」って怯えてるんだよな
それは、自分が傷つかないようにってことでもあるんだけど

ないものねだり

上には上がいるって知ってるから
いつの間にか、「好き」より「できること」で自分を語るようになったんだ

多分、最初に思ったのは、高校生の頃
「自分には解決したい課題なんてない」と思ったこと

僕の人生は、本末転倒だったみたい

最近はまだマシになっていたけど
周りが輝いて見えて
自分には何もないなって

誰よりも、自分を信じられなくなっていた

同じ夢を追っかけているはずなのに
熱量に差を感じて
尊敬したり
嫉妬したり
苦しかったり
話すのが怖かったり

心が軽くなったのは、大策さんのWSの時

100時間やって上手くなって
1000時間やって得意になって
10000時間やってセミプロになる

これって、本来「何だってできるんだぜ!」ってことを言いたいことだと思うんだけど
自分にはちょっと違うふうに響いた

「ないものねだり」だった自分を許すことができること
「あれもない、これもない」は当たり前だってこと
TOKIさんみたいに歌が歌えるわけでも
はなみたいに写真が撮れるわけでも
大地さんみたいにWSが作れるわけでも
あなごんみたいに楽器が弾けるわけでもない
みゆみたいに、夢をもっとビジネスを勉強できているわけじゃない
そのことが、すごく苦しかったんだけど
「まぁ、やってないから仕方ないよね」って前向きに言えるようになったこと

そして…
自分もなんだってできるって信じること

だってそうじゃん
最初は苦しかったよね
高校生の想いが引き出せなくて、しんどかったよね
上手な場づくりができなくて、悔しかったよね
でも、長い間向き合い続けることで
(まだ不本意ながらも)いつしか人に伝え学び合うことができるようになった
そう
長い間苦闘して得た「教育」や「場づくり」といった武器があるんだよ

「できたらいいな」じゃなくて「できる」と言い切ること

好きなものを好きだと言う

「好き」と「できる」はイコールだといつの間にか思ってた
「好き」の裏には、技術的なものがあるんだと思ってた
「海外が好き」って言ったら、英語が話せなくちゃいけない
「カメラが好き」って言ったら、カメラに詳しくなきゃいけないって
「歌うことが好き」って言ったら、歌うのが上手くなきゃいけないって
正直、はなっていうカメラマンがいるから、カメラを構えるのも違うなって思っちゃってた

みんなが自分の「好き」「やってみたい」を軸に動いていたこと
身近な人が…っていうかおひなだけど
「ダンスやってみたいから挑戦してみたんだ〜」と語る姿
その姿はすごく輝いていて、すごく美しかった
ダンスの上手い下手はよくわかんないけど
彼女が踊る間中、僕の目線はその姿を瞳に映していた

「好き」で動く人って、こんなにかっこいいのか

2日目のLes World Liveはみんなの輝きが弾けた時間だった

LES WORLD Liveの最後
有志による「ライオンキング」
正直、見たことないし、どんな曲かもわからない
すごいのかすごくないのか全然わからない
いや、多分すごいんだろうけど

踊り終わって、抱き合っている姿
それを讃えるオーディエンス
覚える違和感
「僕は、この場所にいない」
「この感動の蚊帳の外」
「この感動を、味わいたい」


『ブルーピリオド』/山口つばさ 1巻1話

言葉の力ってすごい
人間の脳は、自分で思っているよりアホらしい
僕は起きたい時間には目覚ましかけなくても起きられるし(一応かけるけど)
「自分は体が柔らかい」と言いながら前屈すれば
手は床に届かなくても、少し伸びる範囲が広がった気がする
「僕には世界を変える力がある」と確信を持っていえば
どこか、清々しくて不思議な気持ちが湧いてくる

歌うことが好き
どうやって歌うか表現するか考える時間が好き
一人海辺で歌う時間が好き
みんなと一緒に歌う時間が好き
写真を撮られるのが好き
自分の笑顔を見るのが好き
写真を撮るのも好き
人の笑顔を見ることが好き
Youtube見ることが好き
ポケモンやAmong Usの動画見るのが好き
料理するのが好き
人と話すのが好き
旅行するのが好き
美味しいもの食べるのが好き
身体を動かすことが好き
スポーツ観戦するのが好き
漫画を読むのが好き
いっぱい寝るのが好き
部屋の掃除をするのも好き
PCで作業するのが好き

何より…
自分が作った場で輝く人を見るのが好き

なんだ、いっぱいあるじゃん、自分が好きなこと

好きなものを好きだと言う
怖くて仕方ないけど
本当の自分
出会えた気がしたんだ

『群青』/YOASOBI
その海岸は、僕にとっては群青色に見えた

ただ人を愛すること

人を愛することがどういうことか学んだんだ

神社に行ったら何を願う?
真っ先に周りの人のことを考える彼女
自分の願いが先行する自分
この差は、なに?


ガイちゃんという子がいてね
すごく真面目で、周りを盛り上げてくれて
誰よりも泣いて、過呼吸起こして
(運動会の時に泣いた時はびっくりしたよ、本当に)
刹那を全力で生きている、そんな子だった

そんなガイちゃんが悩みを聞いた子に対して
唐突に「歌を歌います」って言って、みんなで歌をプレゼントする時間を作ってくれたんだ
しかも、相手の子のパートナーがいる目の前で

同じことが自分にもできたかな
ガイちゃんの周りに対する愛をすごくすごく感じた瞬間だった

歌を贈られたふーこも
エネルギッシュで
普段すごく周りに愛を送ってくれて
この無人島に累計10人以上送り込んでいる強者なんだけど笑

あなたがいつも周りに愛を送ってくれるから
それが周り周り愛となって返ってくるんだよ

とにかくあの無人島は
愛を送り贈られ合う、そんな場所だった

毎朝、シークレットバディに対するプレゼント配布で一日が始まる
その量の多いこと多いこと
「自分のために」なんだけど
「誰かのために」というエネルギーがすごい
人のためなら、見返りなんて求めず突っ走る、そんな場所だった

「敵わないなぁ」って思ってしまった
自分の今まで送ってきたと想いこんでいた愛は偽物だったのかな
そんなことを考えてしまうほどだった

「あなただってちゃんと持ってるよ」
くるからのその言葉がなかったら
僕はどうなっていただろう

何も考えない笑顔が大好きだよ

全力で生ききれ

1日目 団長から言われてたこと
「この3日間、生き抜いてほしい」
「自分がいつも引いてしまうラインを一歩超えて見てほしい」

1ヶ月近く経った今振り返ると
生き切れた自信は全くない
正直、後悔をめちゃめちゃ募らせている

もっとみんなと話せばよかった
弾き語り挑戦すればよかった
ダンス踊ればよかった
海に飛び込めばよかった
合理性を排除して、もっと感情で動けばよかった
夜、海でみんなと話せばよかった
みんなとカードゲームすればよかった
隠し持ってたもう一つのカップ麺を持っていけばよかった
(これは忘れてただけなんだけど)
もっと….モット….Motto…motto….

過ぎ去った時間は返ってこない
悔やんでも仕方ないよ
今から、全力で生き切るしかない

Liveで叫ぶ団長 めちゃかっこいいなって思っちゃった

約束

約束するよ
次に参加した時は、弾き語りをすること
踊ることに挑戦すること
カメラを持って、みんなの笑顔を撮ること
もっとシークレットバディにお菓子を渡すこと
常日頃から、人と比較しすぎないこと
周りの人をもっと信じて自分を曝け出すこと
自分はできるって信じること
「やってみたい」と思ったことはやること
送りたいと思ったメッセージは送ること

みんなと4日間過ごす中で
いろんな刺激を受け
色々と考え
ちょっとずつ、自分にとっての空虚の意味と
自分にとっての「幸せ」を感じることができるようになってきました

改めて、4日間過ごしてくれてありがとう

僕の人生最後の3日間は
「愛に溢れた場所で、歌い踊り狂いたい」

またいつか そのいつかは案外すぐかもしれないけど


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