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脅威ハンティングとインシデント対応:違いは何ですか?

脅威ハンティングとインシデント対応は、組織がサイバー脅威を検出し対応するために取ることができる2つのアプローチです。これらは似ているように思えるかもしれませんが、2つの間には重要な違いがあります。

この記事では、脅威ハンティングとインシデント対応の違いと、それらが互いを補完する方法について探っていきます。

アプローチの主な違い

脅威ハンティングは、積極的に組織のネットワークやシステムで脅威を探し出すプロアクティブなアプローチです。

脅威ハンターは通常、ファイアウォールやウイルス対策ソフトウェアなどの他のセキュリティ対策では検知されなかった可能性のある脅威の兆候を特定するために大量のデータを分析します。

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一方、インシデント対応は、セキュリティインシデントが発生した後に対応する反応型のアプローチです。
インシデント対応では、セキュリティチームがインシデントを調査し、脅威を封じ込め、通常の運用を回復するための作業を行います。

脅威ハンティングが重要な損害を引き起こす前に脅威を見つけることに焦点を当てているのに対し、インシデント対応は脅威による被害を最小限に抑え、将来のインシデントを防止することに焦点を当てています。

インシデント対応には、被害の原因と範囲を特定するための法的な鑑定や、インシデントからの影響を管理するための法的および広報活動が含まれる場合があります。

データの収集と分析

脅威ハンティングでは、可能性のある脅威の兆候を特定するために大量のデータを分析します。脅威ハンターは、ネットワークログ、システムログ、ユーザーの行動データなど、さまざまな情報源からデータを収集する場合があります。その後、このデータを使用して、セキュリティ上の脅威を示す可能性のある異常を探します。

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インシデント対応においても、データの収集と分析が行われますが、焦点はインシデントに関連するデータの分析にあります。インシデント対応チームは通常、影響を受けたシステムからデータを収集し、インシデントの範囲や原因を特定するために使用します。

脅威ハンティングとインシデント対応は異なる

脅威ハンティングは、組織が重大な損害を引き起こす前に脅威を特定し予防するのに役立ちますが、セキュリティインシデントが発生した場合にはインシデント対応が必要です。インシデント対応チームは、脅威を封じ込め、インシデントによる被害を最小限に抑えるために活動します。また、インシデント中に妥協された可能性のあるシステムやデータの回復作業も行います。

補完的な戦略

脅威ハンティングは、組織がシステムの脆弱性を特定し、将来の攻撃を防止するのに役立ちます。また、脅威ハンティングがインシデント対応チームに貴重なデータと洞察を提供することで、セキュリティインシデントの調査に活用されます。

一方、インシデント対応チームは、改善すべき領域を特定し、脅威ハンティングの取り組みに関連する可能性のある新たなデータソースを提案することで、脅威ハンティングチームに貴重なフィードバックを提供できます。

AI and Automation for Threat Management

脅威ハンティングチームとインシデント対応チームが協力することで、より堅牢なサイバーセキュリティ戦略を構築し、サイバー脅威を検出し対応する能力を向上させることができます。両チームの連携によって、早期に脅威を発見し、迅速かつ効果的に対応することが可能となります。情報や洞察の共有により、より包括的なセキュリティ対策が実現され、組織のセキュリティレベルが向上します。

課題と解決策

脅威ハンティングの最大の課題の1つは、分析すべきデータの膨大な量です。脅威ハンターは、可能性のある脅威の兆候を特定するために、大量のデータを処理する必要があります。これは時間とリソースを消費する作業です。この課題に対処するため、組織は機械学習や人工知能を利用してデータ分析プロセスを自動化することがあります。

Developing an incident response playbook

インシデント対応のもう一つの課題は、セキュリティインシデントに対して迅速に対応する必要があることです。多くの場合、インシデントへの対応が遅延すればするほど、引き起こされる被害が大きくなる可能性があります。この課題に対処するため、組織はセキュリティインシデントに対応するための手順を明確に示したインシデント対応プレイブックを作成することがあります。これにより、インシデント対応チームはセキュリティインシデントに素早くかつ効果的に対応することができます。

結論

脅威ハンティングとインシデント対応は、組織がサイバー脅威を検出し対応するために取ることができる2つの重要なアプローチです。脅威ハンティングとインシデント対応は異なるアプローチですが、両者は互いを補完しながら使用することで効果を発揮します。脅威ハンティングによって未知の脅威を事前に検出し、インシデント対応によって発生したセキュリティインシデントに迅速かつ効果的に対応することができます。組織は両者を組み合わせた総合的なセキュリティ戦略を構築することで、より堅牢なサイバーセキュリティを実現できるでしょう。

参照資料

2023/06/22 IT情報&技術アウトプット
株式会社CRE-CO

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