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自分自身の道を歩むワイルドオート

それは、2007年のことでした。
エッセンスの先生であった上野七歩子さんから
「出版する本に掲載するので体験談を書いてほしい」と依頼がありました。

「どのエッセンスの体験を書けばいいのですか?」
「それは、もちろんワイルドオートです」
「昨年は何度も服用してきましたからね。。。」
「講座の中でもシェアしてくれましたが、文章でまとめてほしいのです」
「わかりました。それで、いつまでに書けばいいですか?」
「一週間位でもらえると嬉しいです」
「えっ!一週間で。書けるかな・・・」

その後、5日間昼夜問わず、書いては直してを繰り返して、ワイルドオートの体験を文章にまとめたのですが、この自らの体験や感覚を「言葉として起こしたこと」は、非常に貴重な作業となりました。

●人生の方向性を示すワイルドオート
バッチは、1934年5月、ソットウエルに転居してまもなく、
家の近くの生垣で、ワイルドオートを見つけました。
イネ科のワイルドオートは、ひょろひょろとした細長い茎に、
垂れ下がった先端を付けて、生垣や林と道の間でよく見かける植物です。

自分の進むべき道が見えない時に、人生の方向性を示してくれる

多くのエッセンスの解説書にはこのように書かれています。
そのため、比較的人気があるエッセンスですが、
ジュリアン・バーナード氏はより詳細なニュアンスで伝えています。

人生で卓越したことを成し遂げる野心を抱いている人に、
たくさんの経験をして、できる限りの喜びを享受して、
人生を精一杯に楽しみたいと思っている人に。
こうしたタイプの人は、どんな職業に就くべきなのか決められません。
野心が強すぎるために、ほかの職業よりも自分にとって魅力的な天職を
見つけられません。そのために遅れたり、不満を昴じることがあります。
(「バッチフラワー・内なるエッセンス」より)

人生の方向性がなかなか見えてこないのは、強い「野心」を持つことに由来しています。この野心は「大きな志」とも言い換えることもできますし、「虚栄心」とも言い換えることもできます。こうした「野心」は、現実的で実務的な活動をしていく中で模索するのであれば、より前に進むための大きな推進力になります。しかし、思いの中で終始していると、現実世界とのつながりを失っていき、野心のネガティブな面が内面を支配していくようになってしまいます。

(実際2007年当時の私は、一歩間違うと、野心と虚栄心だけは一人前で、でも現実には何一つ足跡を残せていない、やっかいな人になっていく可能性がありました)

バッチ自身も、1928年から7年間にわたり18種のエッセンスを完成させましたが、自分自身が納得できるような心境には至ってはいなかったのではないでしょうか。
「まだまだ何も残せていいない」そんなバッチの声が聞こえてきそうです。
しかし、同時にこのワイルドオートの発見によって、自分自身のその後のあり方を掴んだのも事実でしょう。それは、このワイルドオートの発見によって、前半の19種類のエッセンスを完結させ、後半の19種類へと向かうことになるからです。

●方向性に迷い続ける
私にとって、2005年~2007年という時期は、
長年、勤めていた会社を辞め、次に何をしようかと迷っていた年でした。

・以前、働いた仕事のスキルを活かし、経営コンサルタントとして独立する
・縁があり、勉強することになったエッセンスを活かした仕事をする
・興味のあるヒプノセラピーをよりブラッシュアップし、セラピストになる
・バイトしているデータ管理の会社で正社員となる

今、思うと、多くの選択肢があるというのは幸せなことなのですが、
当時はそうは思えず、少し焦っていたような記憶があります。
そして、どの方向も今一つ「これだ!」というものを感じることができずにいました。その原因は、前述したような「野心」を抱いているにも関わらず、それを体現するだけの気概や自信がなかったことにあります。
そのため、多くの人に相談をしていました。

・エッセンスの師である上野七歩子さん
・ヒプノセラピーを知るきっかけとなったAさん
・イギリス人のチャネラーであるMさん
・縁があった京都のセラピストのKさん

あげるとキリがない数になるほど、いろいろと相談をしていました。
もちろん、自分自身の中に一歩踏む出す力がなければ、
誰に相談したところで、納得がいく回答はもらえるはずはないのですが、
当時の私にはそんな知見も持ち合わせていなかったため、
数人の導き手のあいだをただラウンドしていたのです。

しかしそんな私であっても、前へ進む力を与えてくれた存在と出会います。
それが、ワイルドオートでした。

●土壌や環境に意味を見出すセブンヘルパーズ

ワイルドオートが属するセブンヘルパーズの7つの植物は、
どれも好む土壌や生育環境が作用に大きく関連しています。

ゴース、ヘザーは、風が強く冬には荒野のようになる小高い丘
オーク、ロックウオータは、樹木の聖地である森の真ん中
オリーブ、バインは、栄養環境の良くない荒れた土壌

この生育環境を人の心理的な状況に置き換えると

ゴース、ヘザーは、人の輪から距離をおいた場所で孤立感を感じている
オーク、ロックウオータは、多くの人の輪の真ん中で頑張っている
オリーブ、バインは、疲弊した状態の中でエネルギーを絞り出している

こんなふうに考えることができます。
では、ワイルドオートどうなのか?

なんと、ワイルドオートは半日陰の道端や生垣で生きているのです。
もちろんこの環境は、植物にとって「この場所で生きる」というように
選択した目的のある場所ではありません。
多くのイネ科の植物は、風通しのいい草原のような場所に育っています。
あるいは他の植物は、森林の中や湿地や日の当たる丘など、
それぞれが生きていくために最適な場所を選んで生息しています。

しかし、ワイルドオートは、自分自身の居場所を見つけるための、
道の道程に生きているのです。

また、ひょろひょろとした茎は、アイデンティティが育っていないことを、
風にゆらゆらと揺れる姿は、周囲の声に惑わされている姿を、
太陽の光に対する反応が弱いのは、目的意識が低いことを象徴しています。

こうしたことを考察していくと、
ワイルドオートは、目的地を教えてくれる植物ではなく、
「なぜ方向が見えないのか」を教えてくれる植物であることが解かります。

●自分自身の道を歩む
2005年~2006年は、何度もワイルドオートを服用してきました。
その中で、迷いの森の中から、一歩踏み出すことを知ることになります。
具体的に、どのように感じ、どのように歩みはじめたのかは、
上野七歩子さんの著書「フラワーエッセンスヒーリング~光の中へ~」の
ワイルドオートのページに掲載されています。

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ただし、この文書は大幅にカットされたものなのです。
そのため、ここではノーカット版の元原稿を、公開したいと思います。
当時から長尺でした……

ワイルドオート

「あなたはこの人生で何を選択しますか?」
以前から何度も上野七歩子さんに問われていたこの質問の意味と意図は当時の私にとってよく理解出来ないものでした。「選択」って日本語はわかるけど、いまひとつその意味に実感がなく腑に落ちない…。人生というのは「選ぶ」のではなく、「やってくる」のではないか…。そうした疑問もありました。

なぜなら私は、人生を風のようにふわふわと、川の流れのようにさらさらと生きていくことで「必要な時に必要な試練や幸福がやってくるものだ」と考えてきたからです。確かに、この生き方自体に大きな欠陥はないのでしょうが、元来、人の気持ちや思考を受け取りやすい気質がある私にとっては、この生き方は人生を他者に依存してしまいやすくなり、知らず知らずに自分自身を見失ってしまうことが多かったのだと思います。

決断が出来ない時にスクレランサス、その原因となった恐れにミムラス、恐れの原因であるトラウマの癒しにスターオブベツレヘム、地上で生きることを放棄しかけた時にクレマチスなどなど多くのエッセンスを使用してきましたが、自分自身を人生の表舞台に立たせたくれ、一人で歩くことを促してくれたのがワイルドオートでした。

それまで、フラワーエッセンスは「マイナスの感情を消すためにどうしたらよいか」ということに使うものだと思っていました。しかし、ワイルドオートを知ることで、「本当は何を叶えたいのか」という能動的な生き方を見つめるようになったことは、とても大きな変化でした。結果的に、マイナスの感情とも上手に共存できるようになってきたと思います。そして、自分自身のエネルギーの使い方はもちろん、フラワーエッセンスの作用についても、全く新しい次元を知ることになりました。

というのも、ワイルドオートは「その人にとっての正しい道を教えてくれるエッセンス」だと思っていたのですが、全く違うものでした。正しい道ではなく、物事の選択をする時に必要な「意思」を喚起してくれるエッセンスだったのです。ワイルドオートを飲んでいると、「それで、あなたはどうしたの?」と問われているようでした。

そのため、今までは「何を選ぶか」の「何」を意識し迷ってばかりいましたが、何であれ「選ぶ」ことそのものに意味があるのだと気付くこともできました。そしてまた、ワイルドオートは、選んだ道がどれだけ困難な道であっても、「自分自身で選んだことに誇りと愛しさを感じる力」を内面に与えてくれました。

この体験を通して、自分自身の道を歩むことを選択することになるのですが、その道は必ずしも順風であったわけではありません。そのひとつとして、前回「チェリープラム」の体験をアップしましたが、他にもセカンド19を体験することになります。それはまた今後に続きます。

東海 豊

=お知らせ=
2022年の季節のワークショップの開催日程が決まりました。
節分1/30(日)、春分3/20(日)、夏至6/5(日)、サウイン10/30(日)

今年も私たちの環境は、ざわざわと慌ただしい年となりました。
2022年も、混沌とした世界に溢れてていく年となるでしょう。
しかしどんな時であっても、私たちの内側には普遍的な叡智が存在します。
エッセンスを通して、その内面にコミットしていく、
そんな時間を作れたらと思っています。

東海 豊フラワーエッセンスの活動「季節のワークショップ」
https://www.instagram.com/floweressencekisetsunows/

「季節のワークショップ」インスタグラム
https://www.instagram.com/floweressencekisetsunows

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