見出し画像

日本で「外国人」として生きるということ。 #国際人種差別撤廃デー に向けて

3月21日に、「 #国際人種差別撤廃デー (International Day for the Elimination of Racial Discrimination)」が開催されます。

国際人種差別撤廃デーとは、1966年の国連総会で制定。国際デーの1つ。1960年のこの日、南アフリカのシャープビルで、人種隔離製作(アパルトヘイト)に反対する平和的デモ行進に対し警官隊が発砲し、69人が死亡した。この事件で国連が人種差別に取り組む契機となった。
なお、3月21日からの1週間を「人種差別主義と闘う人々との連帯週間」として、世界中で人種差別の撤廃を求める運動が展開されている。- ©東京人権啓発企業連絡会

そしてアメリカ時間の今日は3月8日は、国際女性デー(International Women's Day)です。Twitterのタイムラインが #国際女性デー で埋め尽くされたあの景色は、とても美しかった。歴史的にも強者である男性側の意識が変わっていくことが重要で、それに伴いたくさんの企画が発表をされ、女性同士のエンパワーメントのみならず、たくさんの男性の意識を変えられたと強く思います。

アメリカでは、今日が当日なので、今から頑張ってTwitterとインスタグラムのストーリーを見まくる予定。

今回僕がこのnoteを書いている理由は、3月21日に開催される #国際人種差別撤廃デー を、一つのムーブメントにしたいからです。国際女性デーを含め、他の記念日と比べるものではないですし、すべての「記念日」が何かしらの社会課題を解決する・ムーブメントになるきっかけになればいいと思うと同時に、3月21日に開催される  #国際人種差別撤廃デー に伴い、共に社会課題に立ち向かう方々をたくさん集めたいのです。その背景を少し説明させて頂きます。

僕は、生粋のミャンマー人です。

両親ともにミャンマー人で、生まれと育ちは日本です。日本語が普通に話せて、敬語も使えて、礼儀だったりも日本人並みに出来ているという事で、よく日本人に間違われます。そんな僕は、結構ハーフ?っぽい顔立ちをしています。

画像1

小さい頃の僕は、サッカーをしているということもあり肌の色が周りの友達と比べて少し濃かったりします。日本人の友達や、アジア圏の友達が多いということもあり、初対面の人に「日本人って言ってもバレないんじゃね」と思い、一時期は自分のことを日本人だって言い張ったりしてました。

それには理由があります。

まず、こんな顔立ちなので、「ハーフ?」「何人?」「日本語うまいね!」などよく言われるのです。別に迷惑ではないんですけど、たまに説明がめんどくさくなる時があります。なので「いや、日本人です」とか「ハーフです」とか、以前は嘘をついてました。

だけど少し大人になって、新しい人に出会うたびにしっかり説明をするようにしてます。「両親がミャンマー人で、僕にもミャンマーの血が流れてます。単純に、生まれも育ちも日本なので日本語がぺらぺらなだけなんです」。

自分がミャンマー人だという認識はあるんですけど、電車に乗ったり、仕事をしている時にはあまり考えません。それは、皆さんと同じで自分が日本人だって意識しながら生活してる人はあまりいないんじゃないでしょうか。

ある日、仕事から帰る途中の歩道で、若い男性の方が向こうから歩いてきました。僕は普通に音楽を聞いて、前を見て歩いてたのですが、男性の方は僕と目が合ったと同時におどおどし始めました。

ん?どうしたんだろう?と思いきや、僕とすれ違う10メートルほど手前で逆側の歩道に急に走り出したのです。

そして逆の歩道についた瞬間、何事もなかったかのように歩き出しました。

不思議な人だなーとか、その程度で当時は思ってました。

その数十分後、家の近くの十字路を曲がる時にも、向こうから歩いてきた30代ぐらいの男性の方と目が合い、その人は僕とすれ違う直前に立ち止まって体を壁に寄せて、カバンをぎゅっと胸のあたりで抱えたのです。(通路は決して狭かったわけではないです)

数分の間で2回も同じようなことが起きて、なんか変だなーって思いながら家に着いた時、

「あ、俺って外人の見た目してるんだ」

と思ってしまいました。考えすぎかもしれないですが、もしかしたらそれが原因かもしれません。日本人っぽく無い顔立ちをしていて、肌がほんのり茶色で。それだけで日本人は警戒してしまうのかなーと思いました。

日本という国は、外国人がとても生きにくい場所になってるんじゃないかなと思います。電車で、僕の列だけ誰も座っていないのに逆側がパンパンだったり。お店に行ったら急に免税品などを店員さんからオススメされたり。家族とミャンマー語を話しながらレストランに行くと、英語のメニューが出できたり。

小さい頃、新宿にある回転寿司屋さんに家族と行った時、「NO FOREIGNER(外国人お断り)」ってポスターを指さされたこともあります。

その時は幼かったので、あまり把握してなかったのですが、両親は辛かったはずです。子供3人連れてお寿司屋さんに入って、見た目だけで店から追い出されちゃう。子供にどう説明すればいいかなんて、教科書がないのでわからないですよね。

画像2

20年も日本に住んでいるので、そういうことが僕の中で「当たり前」になっていたのかもしれないです。

ただ、大学からアメリカに行って、差別問題の難しさを実感しました。アメリカで差別についてのトピックを話す時に、

"Intent VS Impact"

というフレーズがよく使われます。

これは「自分の意図 VS 相手の受け取り方」という意味です。

アメリカでは、受け取る側が差別だと感じれば、いくら自分が意図していなくても、それは差別とされてしまいます。自分が意図していない方向でも、人を傷つけてしまうことは絶対にあると思います。それを、0にすることはとても難しいです。

だけど、その「相手を傷つけること」を少しでも0に近づけることはできるはずです。

物事をいう前に、しっかりと考えること。

見た目だけでは判断しないこと。

差別問題に興味をもつこと。

自分で勉強したり、友達と差別について話してみるのもいいかもしれません。

結局何が言いたいのかというと、見た目、肌の色、顔の濃さで人を決めつけてはいけません。

僕のバックグラウンド、なんで肌が茶色なのか、などを聞かれると僕は「部外者」として扱われているように感じます。好奇心で聞いてくる人もいますし、ただ単に外国人だやべーってノリで聞いてくる人もいます。

だけど、やっぱり外国人扱いされることに対して「嫌」という気持ちは変わりませんし、いい気分にはあまりならないです。この例は僕だけに当てはまる事かもしれません、けど僕と似たような考えをもつ「日本で外国人」をしている人もきっといるはずです。

それと同時に、自分自身が差別をしたことがない、と言えば嘘になります。ある人種の人たちを見て「〇〇そう」「〇〇っぽいかも」と直感で思ったことは、何度かあります。

アメリカの大学に通ってると、「差別とかされるの?」とよく聞かれることがあるのですが、自分が「差別をしてしまう側」だということも見落とさないように、毎回反省をし、その経験を次に活かそうと日々努力しています。

画像3

僕は、ミャンマー人でよかったと思ってます。日本という国で育ったことも両親に感謝してます。だから、僕みたいな見た目の人とすれ違ったり、電車で見かけたときは、Intent VS Impactの話を思い出してみてください。

見た目よりも、僕という「人間」に興味を持って欲しいです。だってみんな同じ人間だからね。

顔の濃さより、性格に興味を持って欲しいです。

なんで肌が黒いのかを聞くより、好きな食べ物は?とか、最近流行のプレイリストは?とかを聞いて欲しいです。

ただそれだけなんです。

-- 

長くなりましたが、個人的なストーリーはこんな感じです。共感を求めるわけでもなく、ただ「生の声」を届けたくて。もしかしたらミャンマー国籍を持っていて、日本でクリエイティブ をやってるのって僕だけかも、、?とか思ったりすると、僕が何かアクションを起こさなきゃ、僕じゃなきゃ誰がやるんだ?と。

このインスピレーションは、大尊敬している(株)カラスの牧野さんから。

「それ、いったい何の意味があんの?」と思う人も実際にいるし、「似たようなものはいっぱいあるよね」と言う人もいる。まあわからない人がいてもいいのだ。「これは僕にしか咲かせない色をもった徒花だ」と、強く思う。そう思えることが何よりも大事なことだから。

じゃあこれから何をするのか

今僕は、必死に「#国際人種差別撤廃デー」に向けて様々な企画を練っています。そこで、コラボレーションをしてくださる企業の方々、個人の方々、団体様を大募集しております。少しでも上記のメッセージを読んで興味を持ってくださるのであれば、一度ご連絡をさせてください!貴社様の「ブランド」と「ソーシャルアクション」を結合し、より良い社会をつくっていける第一歩に必ずさせます。

#国際人種差別撤廃デーまでの日程は迫ってますが今からでも遅くないです。今じゃなきゃ、いつやるんですか。

意思表明をするだけでも、救われる人はたくさんいます。日本に住んでいる外国人向けのメッセージであれば、英語のメッセージ制作のお手伝いをします。デザイン面でのサポートももちろん、僕にできることであれば、そしてそれが何かの「気づき」に繋がるのであれば、一緒に作っていきましょう。

最後に

そんなデカイこと言って、本当に熱量持ってやるの?と思う方もいると思うので、最後に僕自身のプロフィールと会社として手掛けているお仕事をいくつか載せますね。気楽にメッセージしてください!

ピォー豊 / 株式会社Honey At CEO & Creative Director
東京生まれ東京育ち、ミャンマー出身。幼少期からインターナショナルスクールに通っており、現在はアメリカデポー大学教育学専攻4年。若者向けや企業やウェルビーイング文脈のクライアントワークを多数経験。
NEW STANDARD株式会社リブランディング、高校生支援プログラム「BLAST! SCHOOL」、パーソルキャリアの新イベントプログラム「脱・働く」など。大学では、教育学、哲学からジェンダー学まで幅広く学んでいる。海外でのソーシャルxブランドアクション広告事例を知り尽くしており、ジェンダーに関する企画もアメリカで実行済。ウェルビーイングと自分らしさを掛け合わせたYou-beingな未来を創造するために、2019年株式会社Honey Atを設立。Forbes JAPAN「Rising Star Community」選出。

株式会社Honey At WORKS: https://honey-at.co/#works
Twitter: https://twitter.com/yutaka_nanoka
Facebook: https://www.facebook.com/yutaka.nanoka 
Email: yutaka@honey-at.co

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?